残酷な描写あり
第3話 招かれざる来客者と悪魔の意味深な言葉
「まさか。まだあいつら私のことを追って……? 」
「君を追っていた奴らのことか?どちらにせよ、事務所はともかく街の被害だけは防ぐ」
すぐさまハーネイトは机の椅子に掛けていたコートを羽織り、別のソファーに立てかけていた愛用の刀を手に取ると、素早く階段を掛け降りて確認のために外に出ようとする。
そんな彼についていく形でエレクトリールも少し辛そうに立ち上がり、机に置いてあったイマージュトリガーを手にして彼を追いかける。
もし街に被害が出ればこの街の街長に何をされるかわからない。彼はそれに恐怖しつつも、なぜ魔力探知による警報が鳴らなかったのか疑問に思いながらハーネイトは玄関に向かった。
ハーネイトは事務所のドアを勢いよくバンと開き、急いで外に出ると事務所の周囲を包囲している機械兵を数体確認した。
足には4つの車輪、腕には複数の銃器、そして頭部には3つの赤い光を放つカメラアイがリボルバーのように回転しながら、2人の存在を捉えており、機械兵たちは素早く武器腕をこちらの方に向ける。
「こいつらか、事務所を襲ったのは――よくもっ! 」
「どう見てもそうですね。でも私を襲った連中とは違いますね。私の星を襲ったのは、機械兵ではなく、別の宇宙人でしたから」
「まあそうなるわな……しかし宇宙人同士で戦争とは恐ろしいな。それとよく見たらこの機械兵、以前機士国が秘密裏に開発していた重機械兵……!何故だ――あれは駆動系や電子装置に重大な欠陥があるのと、軍縮政策で開発が凍結されていたはずだがどういうことだ」
事務所を襲った敵と違う存在、つまり別の宇宙人に襲われたというエレクトリールの言葉を聞きつつ目の前に存在する機械兵についてハーネイトは疑問を抱く。
今目の前にいる機械兵は本来存在するはずのない機種であり、かつて機士国という国に仕えていた際にその存在と計画の中止を聞いた代物がなぜここにいるのか、彼は不思議でたまらなかったのであった。
少なくとも今目の前にある光景から、異常事態が起きていることは理解したハーネイトはあることについての関連性がないか思索する。
「機士国で軍部が反乱を起こしたこととこれは関係があるのだろうか。国王とその部下とも連絡があれからとれていない。無事であることを信じ探していたのだが、まさかこちらに来るとは」
ここから遥か遠く離れた、現代で最も栄えている「機士国」という大国がある。彼はかつて2年間その国の王に仕えて仕事をしていた。そのため王とは定期的に連絡を取り合っていたという。
しかし約1ヶ月前に突然、機士国において軍部が王族に反旗を翻したという情報が情報屋を介して入ってきたのであった。
その情報の中には、王と側近が国を追われて逃げ出したという内容もあった。そのため国王たちの捜索も他の仕事の間に行っていたのであった。
もしかすると事務所にやって来たこの機械兵たちは軍部の回し者かとも考えたが、それはあり得ないと彼は考えていた。
なぜならば、ハーネイトは機士国の軍関係者ともそれなりに親交があったからという理由がある。
多くの兵士たちがハーネイトのもとで武術訓練を受けており、軍事関連の最高管理者ジュラルミンもハーネイトを息子のように見て面倒を見ていたほどなため、なぜこうなったのかが理解できなかったのであった。
「ソコノニメイニツグ、タダチニトウコウセヨ、サモナクバコウゲキヲカイシスル! 」
「……何だか知らんが、その命令には従わん。さっさと引け。私が優しい表情をしているうちに逃げないと、存在すら残さないほどにしてあげるから。私、無機物相手には本当に容赦しないよ? 」
「ナラバ、ジツリョクコウシデトラエルダケダ、コウゲキカイシ! 」
片言の機械音声でそう機械兵が言い終わる前に、ハーネイトは瞬時に間合いを詰めて、鞘に納めていた刀を抜きながら機械兵一体を一刀のもとに叩き斬り、完全に真っ二つにした後、素早く鞘に納刀する。
「弧月流・満月斬り!邪魔をするものは、誰であろうと塵すら残さない。ましてやお前ら、どこで作られた! 」
彼の静かな、そして悲しそうな声が周囲を満たした。正直エレクトリールが来た時点で休暇について諦めていたものの、さらに邪魔をされることに対して、温厚で誰よりも優しいハーネイトは押さえつけていた感情を開放する。
「いい加減俺を休ませろ、休暇くれ! でないと、完全に収まりがつかなくなるぞ――!!! 」
事務所でエレクトリールに見せた穏やかで落ち着いた雰囲気とは一変した表情を彼は見せていた。
一体彼に何があったのだろうか。まるで鬼神の如く機械兵の集団に襲いかかる。あまりの変貌ぶりに歴戦の戦士であるエレクトリールの足が震える。
機械兵たちも機銃で反撃するも全くかすりもしない。ハーネイトはスピードを生かした戦い方を得意としているため鮮やかに、しかし最小限に弾丸を避け攻撃を加えていく。
上半身と下半身を独立させたように体重移動をしつつ踏み込みながら薙ぎ払うように切断したり、彼の持つ愛刀「藍染叢雲」を投擲し追跡しながら複数体の機械兵をバラバラにしていくその姿はエレクトリールを魅了していた。
しかし残りの機械兵数体が両腕のマシンガンでわずかな隙を見せたハーネイトに向かって、集中砲火を浴びせる。
凄まじい銃弾の雨が激しい土埃を巻き上げ、ハーネイトの周囲を包み込んだ。通常ならば蜂の巣にされるだろう。
「ハーネイトさん!そ、そんな。あれだけの銃弾を浴びては、ハーネイトさん! 」
エレクトリールは無数の銃弾を撃たれたハーネイトを見て思わず叫ぶ。しかし土埃が収まるとエレクトリールの顔は安堵の表情を浮かべていた。
「……翻ろ、紅蓮葬送(スカーレットバインドクロス)! 」
ハーネイトは弾丸が当たる寸前に、首の付け根から紅蓮のマントを展開し自身を包み込み、機械兵が放った弾丸の雨から身を守っていた。そしてマントが発射された弾すべてを受け止め、徐々に吸収されていく。
これこそが彼が持つ能力の1つ、創金術(イジェネート)である。古代人の力を持つ中でも1握りだけが、物質を自在に支配しあらゆるものを生み出せるという。
また、この星で英雄伝説を作り上げた彼を象徴する能力ともいえる。
創金術がどういった能力かと説明すると、あるエネルギーを取り出し元素化し、その材料を元に武器や防具、道具を作り出す特殊能力というものである。
例えるならセルフ溶鉱炉&高速鍛冶場と言えば分かりやすい。今もこの能力者、つまり創金士(イジェネーター)はアクシミデロに少ないが存在するものの、様々な物質を生み出したり変化させられるのは現時点で彼を含め一部の人間しかいない。
しかし、彼の首元から出現した紅蓮葬送は、創金術の他にそれよりすごい力の片鱗であると言う。
「物理系の攻撃はすべてこれで防ぐ。さあ、次はこちらの番だ」
彼は展開した紅蓮葬送を収納しすると、刀の鞘に電気を纏わせ、そして力強く一歩前に踏み込み、居合いと共に眩いほどの光を放ち電撃を放った。
その居合いの衝撃と高電圧の雷撃が機械兵を数体巻き込み、ショートさせ機能を完全停止に至らせた。
「魔法剣術、これこそ私が編み出した戦い方だ」
普段は少しダウナー気味で面倒くさがり屋な彼も、スイッチが入ればこの通りである。戦うよりも事件を解決したい。誰か困っている人を、魔法や技術で助け続けたい。彼はそう言う優しくて誠実な男である、
そう言いつつも彼は的確に、最善の手を打ちながら戦いを有利に進める。先ほど放った一撃のように、剣に魔法を纏わせ攻撃する方法は魔法剣士にしかできない芸当である。
なぜ彼は魔法も剣も使えるのか。それは彼が数名もの剣豪に育てられた剣士でもあるからだ。
幼少期に厳しい剣術の修業をし、その天性のセンス、いや諦めない努力も併せて、幾つもの流派の戦技をすべて習得している。
「あの辺りならば、魔法を撃っても周囲に影響は少ない。一機たりとも逃すか! 光る空 走る亀裂
光の後に音となりて地を砕く 万雷神速の一撃を知れ!大魔法50式・唸鳴神(うなりなるがみ)」
さらに遠方の機械兵たちに対し、ハーネイトは素早く魔法を詠唱し、指先を向ける。するとまばゆいほどの雷光がそこから放たれ、瞬時に機械兵数機を粉々に砕いて見せた。
「エレクトリール、大丈夫か? 」
「は、はい。どうにか」
エレクトリールが返事を返したとき、背後から機械兵が一機、エレクトリールに襲いかかろうとする。その機械兵は腕に装備してあるパイルパンカーで彼を突き殺そうとしていた。
「後ろだエレクトリール!っ、シュペルティン! 」
声をかけつつ、素早く服の中からペンを取り出す。それをエレクトリールに襲い掛かる機械兵に対し投擲する。
これがハーネイト専用の特殊武器、ペン型投げナイフである。彼のスポンサーが作っている道具であり、仕込む機能の違いで20種類以上の投げナイフが存在する。XZIR-01シュペルティンは単純な構造に、先端に貫通力の高い合金を使用したナイフを取り付けている。
ハーネイトはダーツの名人でもあるため、下手な飛び道具よりもこれを使用するのを好む。ただし彼はその投擲法に癖があった。ダーツのようにペンを持つのではなく、直打法という方法で投げるのだが、問題は彼が投げると500m離れたところでも正確に威力の減衰もなく当てられる技量を持っていたことである。
もし彼が最大威力でそれを放てば、威力を例で上げると50cm砲の弾が直撃したのと同程度の威力を出すことができるという。
「これでも加減したんだ、アポカリプスデイズじゃないだけましだろう? 」
そうして彼が軽く放ったシュペルティンが機械兵の胴体部に直撃した。周囲の影響を考え、全力投擲はしなかったためか、吹き飛ばすまでには至らないが機体の動きが止まった。
その時もう一機が不意打ち気味にエレクトリールの元に近寄ろうとする。しかし、彼は目をつぶり、笑顔でハーネイトを見る。
「メルトダウンボルト! 」
別の機械兵をおとりに背後から迫る機械兵のパイルパンカーが、エレクトリールの体に触れようとしたとき、エレクトリールの体に空から巨大な雷が落ちる。それに事前に気づき、ハーネイトはすぐに後方へ回避した。
「エレクトリール! だ、大丈夫なのか?雷が体に…? 」
機械兵と共に雷をその身に受けたエレクトリール。普通の人間が受ければ即死レベルの高電圧。彼の足元を見れば、地面が赤く溶けかかっている。それでも彼は平然と立ち、右腕を天に挙げていた。
一方の機械兵はと言えば、金属の体が溶けてすぐに光となって虚空に消えていった。
「私は、雷電を統べし者。如何なる雷も私の前には糧でしかない。ハーネイトさん、これが私の力です! 」
そう叫ぶと、雷を纏った槍をイマージュウエポンで召喚し、槍の切っ先を天に掲げる。
「さあ、残りはこうですよ!吠えろ、雷槍(トルメンティラード)」
そうすると、空から幾つもの雷光が周囲に降り注ぎ残りの機械兵をすべて粉砕する。とても容赦のないその一撃で、機械兵団は全滅したのであった。
「これが、かつて古代人を窮地に追いやった戦闘民族の力っ!明らかに先ほど撃った雷とは威力が桁違いすぎる……! 電雷属性に特化した戦士なのか」
その光景を目の当たりにしたハーネイトは、ただただエレクトリールを見つめる。静かに武器を直し、天を見上げる彼の姿と、先ほどの戦闘のギャップがなぜか興味を引き付ける。
かつて旅をしていた時にとある遺跡の中で見つけた資料の中に、エレクトリールたちの種族の情報があった。やはり伝説は本当だったと思う彼は、敵に絶対に回さないようにと行動を暫く共にした方がいいと考えた。
そう思っていた矢先に今度は空から男の声が響く。今まで聞いたことのない、だがどこかで不吉な低い声。2人は声が聞こえた方角を見ると、そこには羽の生えた褐色の悪魔らしきものがこちらを見ていたのであった。
「面白い能力を持っているな。貴様」
足や手には鋭い数本の鈍く光る爪、顔つきや体形は人間のものだが、それ以外の部分から明らかに人ではない何かだとわかる。男は不敵な笑みを浮かべながら先ほど現れた機械兵について話をした。
「この機械兵たちはこの俺が差し向けたものだ。だがこのざまだ。まあ予想通りだが、改めてどの程度強いのか一戦交えてもらうぞ」
そう言うとその悪魔はハーネイトに向かって上空から急降下し、鋭い足の爪でハーネイトの首を引き裂こうとする。
「貴様が犯人か!ぐっ、いきなり何をする! 」
その攻撃にハーネイトは刀で防ぎ、つばぜり合いとなるも一時的に身体能力を魔力で強化しその悪魔を吹き飛ばす。飛ばされた悪魔は翼を用いて空中で姿勢を立て直し、今度は鋭い手の爪を振りかざし上空から真空破を数発放ってきた。
「なぜ悪魔が機械兵を引き連れてここに来たのだ? くっ、翻ろ……っ! 」
ハーネイトは再度紅蓮葬送を展開し、放たれた真空破を全て受け止めると飛翔し、その紅蓮のマントを羽のようにはばたかせ空を勢いよく飛びながらその悪魔に対し下から切りかかる。しかしその一撃は手爪と、悪魔が展開したハーネイトと同じ翼により防がれていた。
「ほう、龍翼(ドラグレゼル)をまだあの力が真に目覚めていないながら操るとは、面白い」
「龍翼(ドラグレゼル)?あの力って、お前は何を言っているんだ。それと何のために来た! 」
「俺はこの近くに落ちてきた宇宙船の乗組員を探しているだけだ。貴様は知っているか? 」
「知っていたらどうすると? ふざけるな、とっとと帰れ! 」
ハーネイトは空中でその悪魔を魔力で強化した足により蹴り飛ばし、吹き飛んだ悪魔を右手側に展開した紅蓮葬送でつかみ、勢いよく空に放り投げる。
それから素早く地面に着地するとハーネイトは何かを詠唱し始めた。
「黒鬼の羽、幻の蝶。遍く幻想一つに束ね、哭死の羽矢で全てを穿つ!大魔法71の号・黒蝶矢!(こくちょうや)」
ハーネイトは71号の大魔法「黒蝶矢(こくちょうや)」を両手を合わせてから空に向けて勢いよく打ち出した。
相手によっては即死させることもできる、黒く大きな1つの大矢が無数の黒い蝶の中から風を切り裂くように飛び、紅蓮葬送により遠くに飛ばされた悪魔に強烈な一撃を与える。
「がはっ!なんという一撃だ。フフフ、よかろう。今日の所は引き下がってやる」
「おい、待て!貴様らの目的は何だ! 」
「フッ、時が来れば分かる。……貴様も目覚めの時だ。女神の恐るべき計画を打ち砕く叛逆の神造兵器よ、今こそ戦いに身を投じ、後に目覚める女神の恐るべき野望を砕き、旧世界の支配者たる龍を統べるのだ。最後の希望にして、遍く希望を与えし者よ」
悪魔は付け加えて、DGについて、女神の脅威となる霊量士(クォルタード)たちとある魔女がこの星で暗躍していることを告げたのちある手紙をハーネイトに向かって素早く投げた。
それを受け取ったのを確認するとその場から素早く立ち去った。ハーネイトも追いかけようとしたが既に悪魔は見えないところに移動していた。
「女神の計画?それに霊量士(クォルタード)……?あの悪魔は一体何者なのだ?それに、龍って何だ? 」
「霊量士のことですか。ええ、不思議な力を操る戦士がDG内にいます。つい最近この星に降り立ったことは知っていますが、その人たちのことかもしれません」
「……そうか、一体女神とは何のことだ。信じがたい話だが……とにかくDGがこの星で何かをしているわけか。それと女神の関係性が不明すぎる、情報もなさすぎる。それに、私が遍く奇跡を与える? 」
「流石に私もあの悪魔の言う龍が何なのか分かりませんが、調べた方がいいと思います」
あの悪魔が渡した手紙には、とても受け入れがたい情報ばかりが記載されていた。だがどこかで、それは実際に起きていると感じていた。
しかしすべてを読むには時間がかかる。ひとまず事後処理をしようとしながら、ハーネイトは疑問に思ったことをエレクトリールにぶつけた。
「あとで話を聞きたい。それとエレクトリール。おまえの力は一体なんだ、なぜ雷が直撃しても生きているんだ?あんな雷撃を喰らって、普通の人間が生きているはずがない。それが、戦闘民族としての力か?」
「それはそっくりそのままお返しします!あなたこそ何ですかあれは。背中のマントが生き物のように動いて……先ほどの防御も凄かったですが」
ハーネイトが刀をゆっくりと鞘に納めながらそう言い、エレクトリールの顔を見るが同じような言葉を彼の口から返される。
「ははは、まあお互い、普通じゃないってことだな。しっかし派手にやりすぎた。感情に任せて行使するなんて、師匠が見ていたら結束万布でお仕置きされるよ」
ハーネイトは戦い方について、感情に任せ過ぎたことを自省していた。普段はもっと合理的に事を運ぶのだが、身体も精神も疲弊している中そこまで気を使うことができなかったのである。
「そうみたいですね。私たちの力は、雷撃を発生させ操る力です。テコリトル星の住民は皆、体から大量の電気を産み出せます。そして自在に操り生き物のように動かしたり、機械に流し込み操作することもできます。どうでしたか?びっくりしましたか?」
「ああ、普通に驚くぞ。ここまで電気を扱える存在がいたとはな。仲間にいるならさぞ頼もしいことか」
ハーネイトが、倒した機械兵の残骸を集めながら尋ねる。それを見てエレクトリールも手伝い始めた。
「え、あ、まあそうですかね?私からしたらハーネイトさんの方が恐ろしいですよ。面白い能力ですし。あの詠唱とか赤い外套、戦い方も素晴らしかったです。ハーネイトさん、私の力は分かっていただけたでしょうか?」
エレクトリールは機械の部品を拾いつつ、笑顔でそう言葉を返す。
「あ、ああ。雷を操る者か。もしかすると……。いや、まずはこれらを片付けてからだ。手伝ってくれるか?」
「はい、ハーネイトさん」
そういうとエレクトリールも機械兵の残骸を手に取る。もっともエレクトリールが撃破した機械兵は原型をほとんど留めておらず、まだ形を残していた一機を抱えてハーネイトの元に駆け寄る。
「ふう、どうにか集められる分は集めました。私が仕留めたのはもはや原型がないですが。あの、ハーネイトさん?」
ハーネイトは機械兵の部品を手にとってはまじまじと見つめる。どうやら彼は何かを探しているようであった。