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作者: 犬物語
犬「ワイに関する雑学をちょこっと紹介するで!」
人が"人"であるように

犬は"犬"であるのだ
 いぬ、すきですか?

 いぬ派とねこ派が連日のようにいがみ合う昨今、平和主義者のアナタは「いぬねこどっちも好きならこんな争いは起きないのに……」と涙を流していることでしょう

 しかし、犬と猫の諍いは映画『キャッツ & ドッグス』などで見られるようにこの2種間の溝は深く、人類ではとうてい埋められるものではありません

 っとかいう冗談はさておき、今回はなんかアツすぎて脳みそがぼ~っとするので、かるく犬に関する雑学を紹介しておわらせようかなと思いました。あ、ちなみに上記映画は名作なのでどうぞ。1はちょっち古い(2001年)ので続編のさらにスタイリッシュになった版(2010年)をどうぞご視聴いただければ幸い





:イタリアじゃ1日3回さんぽさせないと罰金なんだよ:

 ヨーロッパは動物福祉先進国として有名です。あたり前のように飼育者の責任や動物福祉に関する法律がこと細かく記されています。それは国だけでなく街、市の条例レベルでも同じことです

 日本でもちょくちょく紹介されていますが、イタリアの都市トリノでは『1日3回以上犬のさんぽをしないと罰金』というルールがあるようです。これは2005年に可決されたトリノ市自治体の規則集で、2006年に承認され執行。現行版は2014年に修正され発効となっています

 トリノ市の法律ではさらにこと細かい規定があり、たとえば以下のようなものも定められています

・美的が意見を求める断耳、断尾などの禁止
・劣悪な環境に動物を置くことの禁止
・公共交通機関では、定めた方法に従い犬が自由に乗車できる
・マイクロチップを埋め込む義務
・公園などの公共エリアに犬の散歩のための特別スペースの確保

 犬は独自の項目をもつ特別な動物として強調され、そのぶんより細かい法律が示されています。犬のさんぽ中は必ず袋をもっていったり、排泄物は徹底的に回収したりほんっと細かい

 ソース確認しないまま書くのもアレかなと思ったんで、とりあえずトリノ市の公式サイトをチェックしてみたところ『犬の散歩、1日3回以上』的な文言があったので原文ママでシェアします

・Articolo 19 - Attività motoria e rapporti sociali
 1. Chi tiene un cane dovrà consentirgli quotidianamente, secondo le caratteristiche del soggetto, l'opportuna attività motoria durante la quale potrà espletare i propri bisogni fisiologici. Si consigliano almeno tre uscite al giorno.

 イタリア語です。読める方はそのままどうぞ、んで読めない方にザックリ日本語にすると『飼い主さんは犬の生理的欲求を毎日満たしてやれよ? 少なくとも1日3回の外出(さんぽ)をおすすめしますよ』って感じ

 ――あれ? 1日3回以上の散歩しないと罰金って項目がないぞ? これどうなってるんだ?

 あっちこっちの日本語や英語の情報を読むと『イタリアのトリノでは、犬を1日3回以上散歩させないと罰金になる』と書かれていましたが、当該法律では上記のような形。うぅ~んわたしの調査力が足らんのか? いやでも法律を直に読んでるワケだし……わからん

 まあいっか(試合放棄)。とりあえず条文には『1日少なくとも3回以上の外出をおすすめする』って文言がありましたとだけお伝えいたします



:けっこー細かい法律:

 次のトリビアを紹介しようと思ったんだけどトリノの条文が想像以上に細かいので重ねて紹介しちゃうわ

 法律では『タイトル 3 - 犬』という形で、犬は猫とあわせて大きなカテゴリにまとめられています

 ここでは犬の定義、社会との関係性、飼い主やブリーダー、販売者の義務などが詳細に記されています。ちょっとピックアップしてみましょう

 まず特別に必要な場合をのぞき、犬を繋いだりすることは禁止されてます。拘束する場合でもチェーンは地面から少なくとも2メートルの高さに配置され、少なくとも5メートルのケーブルに繋がれていることが求められています

 当然水や食料を摂取できる環境であり、1日少なくとも1時間は自由に動けることが保証される必要があります

 なお、複数のわんわんを飼育する際は『犬小屋を除いて、犬を区切られたスペースで飼育する場合、生後180日を超える動物1匹につき、その広さは最低でも15平方メートルでなければならない』という条文に従い広いスペースが必要になります

 わんこは公共エリア(公園、庭園、緑地など)を自由に出入りできますが、そのときは2メートル以下のリードで繋がれ、噛み癖のあるわんわんは口輪を装備する必要があります。ただし生後6ヶ月以内の子犬にはその必要はないです

 でさ、たまにどうしても相性の悪いわんわんっているじゃん? なんかいつも吠えられるとか噛みつかれるとかそういうわんこいるでしょ? ――そういう犬とドッグランで鉢合わせしたときって、自分はランの外で当該わんわんが遊び終わるのを待つ、みたいなことあるじゃん?

 トリノの法律では『気性の合わない犬が専用エリアの外で待機している場合に限り、そのスペース内にすでにいる犬は最長15分滞在することができる』ってなってる。つまり「15分で交代な?」っていうメッセージだねこれ。そういう"かゆいところに手が届く"っていうの? そういう条文まで用意してくれるの親切すぎない?

 犬のさんぽをしてたら当たり前なのは『排泄物の処理』よね。条文ではまず「犬の飼い主はどんな立場だとしても、その場所の衛生状態と礼儀正しさを維持するために"ちゃんとしろ"よ?」となってます

 ビニール袋を装備しなければならず、道路、広場、その他もろもろで犬がう◯こしたときはそれらをしっかり回収しなければなりません。道路に◯んこしたら跡がつくじゃん? 条文を読んだ感じだとアレもしっかり流さなアカンようですね

 たとえ一時的であっても、動物を里親に預けることはできず、また動物虐待で有罪になった方へ譲渡することはできません。余談ですが、飼い主の病気などでどうしても譲渡しなければならない事情がある時は、飼い主自らの責任で親戚知り合いに連絡をとりあったり、または専門機関に相談することになります

 この他、トリノ市の法律ではいろいろな規定があるので気になった方はぜひどうぞ。イタリア語なので翻訳ソフト使ってね

トリノ市公式、市内の動物の保護と愛護に関する条例
ttp://www.comune.torino.it/regolamenti/320/320.htm



 イタリアでは犬を1日3回以上散歩させないと罰金になる。この真実は『1日3回以上の"外出"をおすすめしている』というものでしたね。法律制定時はほんとうに罰金で改正後に"おすすめ"になったのか、それとも上記文章に尾ひれがついて罰金になると認識されるようになったのか……まあ可能性の話は置いといて、とりあえず上記にょうな理解でおねがいします

 上記法律だけ読むと「はえぇ~ヨーロッパは動物愛護先進国なんやなぁ~」なんて思っちゃうけどぶっちゃけヨーロッパもアレなんだよね。バカンスとかいう長期休暇で犬猫を捨てちゃったりその他イロイロな問題があったりするし、上記法律はそれらを厳しく取り締まるという意味で誕生したと考えると、考えなしにヨーロッパは動物愛護先進国だと言えなくなりそうな気がする

 いやでもまあ、そういうのめんどくs難しい問題だからわたしの思考の至るところではありません

 上記法律では最低25ユーロ、最高500ユーロの罰金刑が適用される可能性がありますし、犬が他者に障害などを負わせた場合懲役刑もあります。犬は人間とこころを通じ合える数少ない動物の一種ですが、だからといって何の対策もなしに飼育して良いワケではありません

 人が"人"であるように、犬だって"犬"なんです。犬としての活動があり、喜びや悲しみがあり、ストレスが重なればアナタに対して牙を剥くこともあるでしょう

 それは人間関係だって同じじゃないですか? ――アナタと、アナタの"家族"の幸せをこころから祈っています
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