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ミーナは糸を紡ぐ
作者: 田原 更
ここは中世ヨーロッパに似た世界。かつて、人々は魔法を使って便利に暮らし、魔物と戦っていたという。しかし、それはもう、母が子に語る昔話の世界だった。
長い長い戦争が続くリタラント国。とある貴族の妾の子として育ったミーナは、別の貴族の四男、イェルクに出会い、幼いながらに強い恋心を抱く。イェルクは兄三人の敵討ちのために生まれてきた少年だった。敵討ちが済んだら結婚するという約束をするが、まもなくミーナは母親を喪い、正妻の命令で修道院に送られた。
十年後、長い長い戦争が終わった。修道院で過ごしたミーナのもとに、正妻の息子からの手紙が届いた。それは、幼い日に恋をしたイェルクとの結婚が決まったという知らせだった。
ミーナは喜んで結婚を承諾した。しかし、結婚初日から二人はすれ違うことになる。容姿に劣等感を抱くミーナは、自分が美人ではないから、すれ違いが起きたのだと、嘆き悲しむ。それにミーナは、朴訥とした優しい少年から、精悍な騎士へと変化を遂げたイェルクのことを、内心恐れていた。
ミーナは婚家の母から「一枚の布を織る」という使命を与えられる。それは、亜麻とウォードという植物を育てることから始め、育てた植物から繊維を採取して糸を紡ぎ、育てた植物から染料を作って糸を染め、その糸を使って機織りをするという、気の長い作業を伴った。
使命をこなす間も、ミーナとイェルクはすれ違い、大げんかする。夫不在の婚家で、ミーナは、与えられた使命の向こうに、自分のやりたいことを見つけていくが……。
※作中で描写する糸紡ぎや染め物や機織りの方法は、歴史的に行われた方法を参考にしていますが、実際とは異なる点も含まれております。ご了承ください。
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