残酷な描写あり
魔女と、女の勘
「あの病院に行ったんだね」
昼休みひとり下駄箱から少し離れた段差に向かうとそこには先客として彼女がすでに居た。
僕はギョッとしつつもその隣に座り、空を見上げる。
グラウンドではサッカーをしている学生の声が響く。
「なんで、そのことを知ってるんだ?」
僕は彼女の方を見ることなく尋ねる。
「なんでだろうね」
彼女は意味ありげに言って、でもそれ以上は語らなかった。
「で、君は彼女と何か関係あるの?」
「彼女?女の方は知らない、彼なら関係者だけど」
彼女は怪訝そうにそう続けた。
「彼?真っ白な髪の?」
「真っ白?確かに白髪混じってるけど、初老のおっさんだよ」
「初老のおっさん!?」
僕が見たのは若い西洋風イケメンだった、間違っても初老になんて見えなかった。
どうにも彼女とは会話がかみ合わないでいた。
「その人とどんな関係なの?」
僕が彼女に尋ねると。
「私のおじなの。私のおじははじまりの一人」
「はじまり?」
「そう、はじまりって言われてる。はじまりには何人か人がいたみたいだけど、時間の経過とともに人もあった事実もすこしずつ薄れていってる」
僕はいきなり突拍子もない会話を聞かされて、何も言えないでいた。
はじまり?魔女やあの西洋イケメンになにか関係することなのだろうか?
「私のおじが言ってるわ、ある人の願いを叶えなければならないって」
「ある人って?」
「私にも教えてくれないの。でも、その人のことを語ってる顔を見る限り女だと思うわ。私の、女の勘よ」
なんとも言えない彼女のどや顔に笑ってしまった。
「その勘が当たるといいね」
僕はそう少し笑って、立ち上がると。
「もー、絶対女なんだから」
とむくれていた。
ほぼ初対面であるのに関わらずそれなりに打ち解けたなぁっと思っていると、昼休みの終わるチャイムが鳴った。
「じゃ」
と僕が言って立ち去ろうとすると。
「またここで会いましょう」
と彼女は言って僕を見送った。
僕は振り返ることなくそのまま教室へと向かい、次の授業の号令とともに授業が始まった。
今日の彼女のストラップのマグロにはお徳用と書かれてたなぁというなんともどうでもいいことに思いをふけさせながら進む授業を聞き流していた。
「今日も空が青い」
昼休みひとり下駄箱から少し離れた段差に向かうとそこには先客として彼女がすでに居た。
僕はギョッとしつつもその隣に座り、空を見上げる。
グラウンドではサッカーをしている学生の声が響く。
「なんで、そのことを知ってるんだ?」
僕は彼女の方を見ることなく尋ねる。
「なんでだろうね」
彼女は意味ありげに言って、でもそれ以上は語らなかった。
「で、君は彼女と何か関係あるの?」
「彼女?女の方は知らない、彼なら関係者だけど」
彼女は怪訝そうにそう続けた。
「彼?真っ白な髪の?」
「真っ白?確かに白髪混じってるけど、初老のおっさんだよ」
「初老のおっさん!?」
僕が見たのは若い西洋風イケメンだった、間違っても初老になんて見えなかった。
どうにも彼女とは会話がかみ合わないでいた。
「その人とどんな関係なの?」
僕が彼女に尋ねると。
「私のおじなの。私のおじははじまりの一人」
「はじまり?」
「そう、はじまりって言われてる。はじまりには何人か人がいたみたいだけど、時間の経過とともに人もあった事実もすこしずつ薄れていってる」
僕はいきなり突拍子もない会話を聞かされて、何も言えないでいた。
はじまり?魔女やあの西洋イケメンになにか関係することなのだろうか?
「私のおじが言ってるわ、ある人の願いを叶えなければならないって」
「ある人って?」
「私にも教えてくれないの。でも、その人のことを語ってる顔を見る限り女だと思うわ。私の、女の勘よ」
なんとも言えない彼女のどや顔に笑ってしまった。
「その勘が当たるといいね」
僕はそう少し笑って、立ち上がると。
「もー、絶対女なんだから」
とむくれていた。
ほぼ初対面であるのに関わらずそれなりに打ち解けたなぁっと思っていると、昼休みの終わるチャイムが鳴った。
「じゃ」
と僕が言って立ち去ろうとすると。
「またここで会いましょう」
と彼女は言って僕を見送った。
僕は振り返ることなくそのまま教室へと向かい、次の授業の号令とともに授業が始まった。
今日の彼女のストラップのマグロにはお徳用と書かれてたなぁというなんともどうでもいいことに思いをふけさせながら進む授業を聞き流していた。
「今日も空が青い」