残酷な描写あり
魔女と戦いの始まり
「少年、お前さんは武器は持ってるのか?」
体躯を超えるデカい斧の様なものを肩に乗せながら言う。
「武器?」
きょとん、としながら反応した。
「ああ、こういうやつさ」
見回すとみんなそれぞれ思い思いの武器を持っていた。
斧の他に大太刀、太刀、小太刀、長刀、剣、槍、薙刀、ガントレット、鎖鎌、棍棒......。
遠距離のものは存在しない、僕が疑問に思っていると。
「長物は彼女には効かないんや、理由は分からんけどな」
そう山室さんは僕に教えてくれた。
部屋に入ると何かしらの武器が顕現するらしいが僕の手には何も現れない。
「ほらよっ」と渡されたものはなんの変哲もない剣。
「何度かこの部屋に来ないと顕れないヤツも居るからなぁ、今日はそれを使っとけ」
僕は渡された剣の重みにこれが夢などではないことを実感する。
カツッ、カツッ、カツッ.....
彼女が僕らの前に立つと「さぁ、今日も始めようか」
その一言で場が剣呑な雰囲気へと変わる。
「今日こそちづちゃんを楽にしてあげられるかしら」
近くにいる車椅子のお婆さんが独り言をこぼした。
「おいで」
その言葉を合図にみんな魔女へと向かって行く。
みんなが一斉に斬りつけ、彼女は悲鳴と絶叫を上げる。
その声や彼女の叫びには耳を貸すものはいない。
「うがぁ」「あああああ」っと痛みを堪えるように苦悶の表情を浮かべ続けながら、斬りつけられ続ける。
すると山室さんが振り返って。
「少年も来い」
震える足に力を入れて彼女に近づく。
一歩一歩が重い......
ガリガリガリガリガリガリ......
僕は剣の先を床に擦りながら彼女へ向かっていく。
彼女の近くまで来ると側に居た山室さんに背中を押される。
「行け、少年」
「うわぁぁぁぁぁぁああああ」
僕は重い剣を振り上げて彼女めがけて振り下ろす。
が、少し肉を斬った程度で骨の位置で剣は止められた。
その瞬間衝撃が手へと伝わり、そのあまりにもな痛みに剣から手が離れる。
「いったぁっ」
何かを斬りつけたんだなという感触と突然襲われた手に走る痛みに座り込んで、手を抑えていた。
「初めてにしては斬り掛かっただけ上等かの」
彼女の眼の前で座り込んだ僕を一瞥もせず、彼女を斬りつけた。
血が僕の視界を半分奪う。
その刹那、顔へ頭へ液体を大きな入れ物でバシャッバシャッとかけられるかの様に血で濡れていく。
しばらく座り込んで呆然と彼女を見上げながら座り込んでいると。
「そろそろ、終わりだよ」
その声と共に攻撃が止み、彼女の傷も治るというよりは回帰してなかったことになっていくように塞がっていく。
それに合わせるように床に流れる血が彼女へと戻っていく。
それを見届けもせず、老人たちは帰っていく。
僕の肩をポンと叩いて「今日もダメだったな」「次こそは」と口々に言いながら部屋から去っていく。
彼女は少しかがむと座り込んだままの僕に「はい」といって手を伸ばした。
僕はさっきまでのことが夢だったのではないかと思いながら彼女の手を取って立ち上がった。
だけどなんとなく彼女の顔は見られないでいた、さっきまでの血で汚れた彼女の苦悶を浮かべた顔を思い出してしまうからだ。
僕は彼女の顔がギリギリ見えないように一歩後ろを付いて彼女と一緒に部屋を出た。
体躯を超えるデカい斧の様なものを肩に乗せながら言う。
「武器?」
きょとん、としながら反応した。
「ああ、こういうやつさ」
見回すとみんなそれぞれ思い思いの武器を持っていた。
斧の他に大太刀、太刀、小太刀、長刀、剣、槍、薙刀、ガントレット、鎖鎌、棍棒......。
遠距離のものは存在しない、僕が疑問に思っていると。
「長物は彼女には効かないんや、理由は分からんけどな」
そう山室さんは僕に教えてくれた。
部屋に入ると何かしらの武器が顕現するらしいが僕の手には何も現れない。
「ほらよっ」と渡されたものはなんの変哲もない剣。
「何度かこの部屋に来ないと顕れないヤツも居るからなぁ、今日はそれを使っとけ」
僕は渡された剣の重みにこれが夢などではないことを実感する。
カツッ、カツッ、カツッ.....
彼女が僕らの前に立つと「さぁ、今日も始めようか」
その一言で場が剣呑な雰囲気へと変わる。
「今日こそちづちゃんを楽にしてあげられるかしら」
近くにいる車椅子のお婆さんが独り言をこぼした。
「おいで」
その言葉を合図にみんな魔女へと向かって行く。
みんなが一斉に斬りつけ、彼女は悲鳴と絶叫を上げる。
その声や彼女の叫びには耳を貸すものはいない。
「うがぁ」「あああああ」っと痛みを堪えるように苦悶の表情を浮かべ続けながら、斬りつけられ続ける。
すると山室さんが振り返って。
「少年も来い」
震える足に力を入れて彼女に近づく。
一歩一歩が重い......
ガリガリガリガリガリガリ......
僕は剣の先を床に擦りながら彼女へ向かっていく。
彼女の近くまで来ると側に居た山室さんに背中を押される。
「行け、少年」
「うわぁぁぁぁぁぁああああ」
僕は重い剣を振り上げて彼女めがけて振り下ろす。
が、少し肉を斬った程度で骨の位置で剣は止められた。
その瞬間衝撃が手へと伝わり、そのあまりにもな痛みに剣から手が離れる。
「いったぁっ」
何かを斬りつけたんだなという感触と突然襲われた手に走る痛みに座り込んで、手を抑えていた。
「初めてにしては斬り掛かっただけ上等かの」
彼女の眼の前で座り込んだ僕を一瞥もせず、彼女を斬りつけた。
血が僕の視界を半分奪う。
その刹那、顔へ頭へ液体を大きな入れ物でバシャッバシャッとかけられるかの様に血で濡れていく。
しばらく座り込んで呆然と彼女を見上げながら座り込んでいると。
「そろそろ、終わりだよ」
その声と共に攻撃が止み、彼女の傷も治るというよりは回帰してなかったことになっていくように塞がっていく。
それに合わせるように床に流れる血が彼女へと戻っていく。
それを見届けもせず、老人たちは帰っていく。
僕の肩をポンと叩いて「今日もダメだったな」「次こそは」と口々に言いながら部屋から去っていく。
彼女は少しかがむと座り込んだままの僕に「はい」といって手を伸ばした。
僕はさっきまでのことが夢だったのではないかと思いながら彼女の手を取って立ち上がった。
だけどなんとなく彼女の顔は見られないでいた、さっきまでの血で汚れた彼女の苦悶を浮かべた顔を思い出してしまうからだ。
僕は彼女の顔がギリギリ見えないように一歩後ろを付いて彼女と一緒に部屋を出た。