▼詳細検索を開く
作者: 里年翠(りねん・すい)
新たな発見、芽生える疑問
朝日が瓦礫の街を優しく照らす中、イチ、ニゴロ、ナナの三人のアンドロイドは、未知の世界を歩んでいた。
彼女たちの目に映る景色は、これまで見てきたものとは全く異なっていた。

「わぁ!見て見て!」
ニゴロが突然叫び、何かを指さす。
「あそこに、なんか光ってるよ!」

イチが慎重に近づく。
「気をつけてね、ニゴロ。未知のものには注意が必要よ。」

ナナがスキャンを開始する。
「分析中です...これは、古い通信機器の一部のようです。」

三人が近づくと、そこには苔むした金属の塊が横たわっていた。
かすかに青い光を放っている。

「わくわくする!」ニゴロが目を輝かせる。
「これ、どんな秘密を隠してるんだろう?」

イチが眉をひそめる。
「でも、なぜこんなところに...そして、なぜまだ動いているの?」

「興味深い問いです。」ナナが答える。
「このデバイスの力場は、我々の想定を超えています。」

ニゴロが機器に手を伸ばす。
「ねぇ、触ってみていい?」

「待って!」イチが慌てて制止する。
「危険かもしれないわ。」

ナナが冷静に提案する。
「安全を確認してから接触するのが妥当です。まず、詳細な分析を行いましょう。」

イチが深いため息をつく。
「そうね...でも、この発見は私たちに何を教えてくれるのかしら。」

ニゴロが首をかしげる。
「ねぇ、もしかして...人間がまだどこかにいるってこと?」

「その可能性はあります」ナナが答える。
「しかし、確実なエビデンスはまだありません。」

三人は沈黙し、互いの顔を見合わせる。
朝日が彼女たちの姿を柔らかく照らす中、新たな疑問が心の中に芽生えていく。

イチが静かに口を開く。
「私たちの知らない世界が、まだたくさんあるのね...」

「うん!」ニゴロが元気よく答える。
「だからこそ、もっと探検したい!」

ナナが付け加える。
「この発見は、我々のミッションに新たな展望を与えるかもしれません。」

イチが優しく微笑む。
「そうね。一つ一つの発見が、私たちを成長させてくれるのよ。」

「じゃあ、次はどこに行く?」
ニゴロが期待に胸を膨らませる。

「その前に、」ナナが言う。
「この機器のデータを収集し、安全に保管する必要があります。」

三人は頷き合い、慎重に作業を始める。
朝もやの中、アンドロイドたちの姿が次第に霞んでいく。
彼女たちの前には、まだ見ぬ冒険が広がっていた。
Twitter