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美鈴、ひとまずここで休憩します
美鈴たちはスイル大草原にある大きな木の木陰で休憩しながら話をしていた。
 ここは、スマイレンの森より北東に位置するスイル大草原。

 みたこともないような綺麗な草花が、この広大な草原の辺り一面に生い茂っている。

 あれから美鈴とヴァウロイは、エルフの男の案内でこの草原にある大木の所まで来ていた。

 空は青く澄みきっていて、みたこともないような目が異常に大きい鳥が飛んでいる。


 大木の木陰で休みながら美鈴とヴァウロイは、エルフの男から色々と話を聞いていた。

「改めて自己紹介ってぇのもなんだが、一応しておいた方がいいだろうしな。俺は、エリュード・グリフェ。これでも名の知れた冒険者だ」

 エリュードが名前を言った瞬間、ヴァウロイの顔がピクッと引きつる。

(エリュード!? サキュルスの統括していた領土にたった一人で乗り込み、わずか数時間で街や城を滅ぼしたと言われている。
 ……あの、滅風のエリュードなのかニャ! だとしたら一緒に行動するのは厄介なのニャ)

「エリュードかぁ。ウチは、武野羽美鈴です。一応あのクソ女神に召喚されて、別の世界から来ました」

 美鈴はそう言ったあと、再び怒りが込み上げてきた。

「クソ女神? それに一応ってどういう事だ? まかりなりにも、この世界を創った女神だぞ」

「そうなんだろうけど、事実ウチは……」

 美鈴はエリュードに何があったのかを説明する。

「ちょっと待てっ!? まさか、そんなことが。だがしかし、信じられない。でも、ミスズが言うように確かに空から野獣の住処に落下していた」

 エリュードは、どうして女神がこんな酷いことをするのか理解できずにいた。

「それでね。なんでか、その野獣の住処で目覚めたのよ」

「ん? ああ、それか。あれは俺が転移魔法を使って移動させた。あのままじゃ、いくら召喚された者であっても死ぬだろうと思ってな」

 自信満々の表情でエリュードがそう言うと、美鈴はムッとした表情になる。

「なるほど、そういう事かぁ。わざわざ野獣たちの所にウチをねぇ」

「あーあのなぁ。って、もしかして怒ってるのか?」

 そう言い後ろに左手をつき仰け反った。

「勿論、怒ってます! 野獣たちの住処じゃなくても、他の場所に転移できたんじゃないんですか?」

「そうだが。俺は、ミスズの実力が知りたかった。だから、野獣たちの所に転移させたんだ」

「ウチの実力って。なんのために?」

 美鈴がそう聞くとエリュードは、待ってましたとばかりに口を開きその理由を話し出した。

(いったいエリュードは、何を考えてるのかな?)
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)

『休憩かぁ。どうせなら街とかでしたかったなぁ』…by,美鈴
『街までは距離がある。今日は、野宿になるだろうな』…by,エリュード
『野宿かぁ。尚更、嫌だなぁ』…by,美鈴
『そう言っても。今から街に向かっても、かなりの時間がかかる』…by,エリュード
『そんなんだねぇ。って! 転移魔法で移動できないの?』…by,美鈴
『悪い。俺の転移魔法では、僅かな距離と少量のものしか移動できない』…by,エリュード
『そっかぁ。仕方ない、諦めるかぁ』…by,美鈴

と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^▽^*)
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