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美鈴、何か企んでるみたいです
ヴァウロイはヴァンディロードに連絡をすると指示された。そしてヴァンディロードは居室でくつろいでいるとそこにサリスが現れる。
 ヴァウロイはヴァンディロードに連絡をしていた。
 
「……という事なのですが、どうしたらいいのでしょうか?」
 
「なるほど、あのエリュードがそこにいるとはな。うむ……。フッ、面白い! ヴァウロイ、一緒に行動することを許可しよう。ただし条件付きでだ」
 
 そう言うとヴァウロイにどう行動するか指示する。
 
「承知しました。では仰せの通り、そのことも踏まえ、しばらく自分の判断で行動させていただきたいと思います」
 
 その後ヴァウロイは、ヴァンディロードとの通信を切った。
 
 (これは大変な任務ですニャ。とりあえずあのエリュードのことは、ヴァンディロード様に言われた通り監視するのニャ)
 
 そう思いながら美鈴たちの方へと向かう。
 
 
 
 その頃ヴァンディロードは、ブドウ酒のような物を飲みながら居室でくつろいでいた。
 
「相変わらずこのグルン酒は、甘酸っぱい味わいで美味だ」
 
 ヴァンディロードは、グルン酒が入ったグラスを回しみる。
 
 (エリュード・グリフェか。確かにアヤツは、我々の敵だ。だがヴァウロイの話では、女神に召喚された女勇者ミスズのことを気にかけていると言っていた。
 その女勇者は女神を恨んでいる。……上手くいけばだが、アヤツをこちら側に引き入れられるやもしれぬ)
 
 そう思いながらグルン酒を口に含んだ。
 
 するとヴァンディロードの目の前に、サキュバスのような風貌の魔族の女性がいきなり現れた。
 
「ヴァンディロード様。急ぎお知らせしたいことがありまかり越しました」
 
 
 このサキュバスのような風貌の女性はサリス・リエル。この世界だけに存在する、サキュデキメラという魔族だ。
 
 種族の特徴としては、サキュバスとあまり変わらない。
 
 
「サリスか。いきなり知らせとは何事だ?」
 
「それなのですが。……」
 
 サリスはヴァンディロードに、何があったのかを説明する。
 
「なるほどな。フッ、勇者がなぁ。これは面白くなってきた」
 
「面白いとは、何をお考えなのですか?」
 
「この世界に、勇者が二人も現れたということをだ」
 
 そう言いヴァンディロードは、不敵な笑みを浮かべた。
 
「それは、いったいどういう事なのですか?」
 
「言葉の通りだ。だが一人は、女神を恨んでいるがな」
 
 ヴァンディロードは、そのことについてサリスに詳しく話をする。
 
「なるほど。では使い魔のヴァウロイが、ミスズと言うその女勇者と一緒に行動するのですね。でも、よりにもよってあのエリュードが」
 
「そうなる。まぁここに辿り着くまでの間、その女勇者とエリュードが、こちら側についてくれればこの先我々の計画が更に効率よく進む」
 
 そう言い一口グルン酒を口に含んだあと、持っていたグラスをテーブルに置いた。
 
「ですが、そう上手くいきますでしょうか?」
 
 難しい表情になりヴァンディロードにそう問いかける。
 
「さぁ、どうだろうな。だがもしダメだった時のために、なんらかの対策は考えておかなければならんだろう」
 
 そう言いニヤリと笑みを浮かべた。
 
「確かにそうですね。では、私も屋敷に戻りこのことを配下の者たちと議論して参ります」
 
 そう言いサリスは、ヴァンディロードに一礼をしその場から消える。
 
「フッ、サリスは相変わらず気早だな。もう少しゆるりとここで話をしていけばよいものを……。まぁいい、何かあれば連絡し合えばよい」
 
 再びグラスを持ちヴァンディロードは、グルン酒を飲みながら不敵な笑みを浮かべるのだった。
読んでくれてありがとうございます
『大変な任務なのニャ』…by,ヴァウロイ
『そうだね。手伝おうか?』…by,美鈴
『嬉しいニャ。だけど大丈夫なのかニャ?』…by,ヴァウロイ
『確かにな。おまえにこれを作る事ができるとも思えない』…by,エリュード
『このぐらいの料理ならウチだって作れます!』…by,美鈴
『ホントにか?』…by,エリュード
『信じられないのニャ』……by,ヴァウロイ
『ウチって……』…by,美鈴
と、という事で……次話もよろしくお願いします
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