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美鈴、もしかして半分楽しんでます?
エリュードは、泣き叫びながらゴルイドの方へと突進している。そして、すんでのところでヴァウロイが……。
 美鈴たちはエリュードの様子を、ヒヤヒヤ……いやもとい、凄くカッコいいと思い目を輝かせみていた。


 ――いや、それもどうかと…… ――


 片やエリュードは、自分の意志で動くことができず「助けてくれぇぇ〜!!」と叫んだ。

 それを聞いた美鈴たちと側にいたゴルイドは、様子がおかしいことに今になりやっと気づく。そして、どうしたらいいかと考える。

「やっぱ、いつものエリュードじゃねぇと思っちゃいたが。こりゃ、どうしたらいい?」

 叫びながら自分の方に向かってくる、エリュードのことを助けようと思った。

「考えてる余裕はねぇ。なんとか立たねぇとぉぉ! うぉぉ、い、いでぇぇぇぇ〜!!!」

 だが立とうとするも、エリュードにやられた傷が思ったより深く痛さのあまり叫んだ。

 そこに美鈴たちが駆け寄ってきた。

「大丈夫ですか?」

 美鈴は心配そうにゴルイドを覗きみる。

「ああ。大丈夫だ、と言いてぇところだが。ハァハァ。この傷じゃ立てそうもねぇ。なんとかアイツを助けてぇんだ、がな」

 そう言うと悔しさのあまり唇を噛んだ。

「ねぇ、どうする? エリュードがすぐそこまで来てるよ」

 美鈴はこのままじゃエリュードがゴルイドを殺してしまうと思った。それに、下手すると自分たちも巻き込まれるんじゃないのかと考える。

「ミスズ。そういえば昨日、ボクとエリュードに言霊を放ったあとってニャ。その効果は、しばらくして消えたのニャ」

 ヴァウロイは美鈴の側で、フワフワ浮きながらそう言いエリュードの方へと視線を向けた。

「それじゃさぁ。今エリュードに付与されている『無双』も時間が経てば消えるんじゃないの?」

「ライルの言う通り時間が経てば消えるニャ。だけど、召喚したゴルイドはまだ消えてないのニャっ!」

「あっ! そういえばそうだね。なんでだろう?」

 どうして召喚したゴルイドが、まだ消えずにここにいるのかと思い考える。

「ミスズ、これは推測に過ぎないけどニャ。もしかしたら、召喚した物は消えないんじゃないのかニャ」

「そっかぁ。じゃあ、今度試しに何か召喚してみようかぁ」

「そ、それは……。流石に言霊の無駄遣いになるから、やめておいた方がいいのニャ」

 美鈴がとんでもないことを言ったため、ヴァウロイはアタフタしながらそう返答した。

「そっかぁ、残念。だけど確かに組み合わせに失敗したら、いざという時に使えなくなるしね」

「うん、そうなのニャ。それよりも、エリュードをこのまま放っておくわけにもいかないニャ」

「そうだね。それに、もう考えてる余裕はないみたい」

 エリュードは既に距離を縮め、半泣き状態でゴルイドを攻撃しようとしている。

「これは、仕方ないニャ。あまり使いたくないけど、やるしかないのニャ」

 ヴァウロイは、嫌な顔をしながら指をパチンと鳴らす。すると目の前に、数百本の鉄パイプのような物が現れた。

 その鉄パイプのような物は宙にプカプカと浮いている。

 ヴァウロイはエリュードの方へ手を翳すと、間髪いれず小声で聞きなれない言葉を言い放った。

 するとその鉄パイプのような物は、エリュードの方へと飛んでいった。

 そしてエリュードを追い込むように囲み、あっという間に檻となり捕らえる。

 エリュードはまだ効果が切れていないため、檻の中で半泣き状態で暴れていた。

「おいっ!? いてぇえぇぇー!!! 早くなんとかしろぉぉぉ〜」

「ウプッ……。どうしようかニャァ。みてると面白いのニャ。効果が切れるまで、このままにしておこうかニャ」

 ヴァウロイは手を口に添えながら、ニヤッと笑みを浮かべる。

 檻の中で暴れながらエリュードは、そんなヴァウロイを睨みつけていた。

(クソッ! この使い魔ヴァウロイ、あとでみてろよぉぉ……)
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)

『ねぇ。ウチは楽しんでないからね! ププッ……』…by,美鈴
『ク、ククッ……。私も楽しんでなんか。い、いないからな!』…by,ライル
『二人とも。どう見ても笑いを堪えてるニャ。(´艸`)……』…by,ヴァウロイ
『そういうおまえもな!? (-゛-メ) ヒクヒク』…by,エリュード

――その後どうなったかは言うまでもないwww

と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
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