美鈴、助けてくれる人が現れたみたいです
スイクラムが美鈴の様子をみて安心している頃。ドラバルトは食材を探すため洞窟を出ようとしたその時……。
ここはスイクラムが住まう天空城。
スイクラムは水晶を通し美鈴の様子をみていた。
「クスッ、このまま放っておけば餓死する。という事は、もはや手を下す必要などない。ですが、何があるか分かりません、用心しておいた方が良さそうね」
そう思いながら再び美鈴たちを見張る。
場所は変わりここは、ドラギドラスの洞窟。
あれからドラバルトとミィレインとマグドラスは、このままじゃ美鈴が餓死すると思い悩んでいた。
「……このままここで考えていても埒があかん。そうだな、確率は低いが外に何かないか探してくる」
そうドラバルトが言うとミィレインとマグドラスはコクリと頷く。
それを確かめたあとドラバルトは洞窟を出ようとする。ところが、出入口付近で何者かの気配を察知し立ちどまった。と同時に、警戒し身構える。
(誰かくる。……ヒューマン? なぜこんな所に……)
ミィレインはその様子をみてどうしたのかと思いドラバルトの側まで来た。
「ドラバルト、急にどうしたの?」
「誰か、こっちにくる」
「ドラバルト様。誰かとは?」
何があったのかと思いマグドラスは、ドラバルトの方に向かいながらそう問いかける。
「ヒューマンのようだ。だが、なぜこのネツオン大陸にいる。それも、かなり厚着のようだが」
「確かに変ねぇ。たまたまこの大陸に来ていた冒険者かしら」
「そうなると、女神の息がかかった者とも考えられますが」
そうマグドラスが言うとドラバルトは軽く頷く。
そうこうしている中に、そのヒューマンの男性はすぐ近くまで来ていた。
――そのヒューマンの男性とは、ファイグだ――
そうファイグは、地鳴りと音がしたため何が起きたのか確認するため向かって来ていた。
時は少し遡る。――ファイグはネツオン大陸に降り立ち探索をしていた。
(ここは、俺にとって最高の場所だ。しかし、ずっとここにいるわけにもいかない。さて、どうする?)
そう思いながら歩いていると、ゴオォォォォーと途轍もなく大きな音がし激しく揺れ始める。
ファイグは何が起きたのかと思い震源地を探った。
(これは、特殊な力によるものか。……地点は、恐らくあの洞窟だな)
場所を限定すると洞窟へと向かう。
現在――ファイグは洞窟の出入口までくると、恐る恐る中を覗いてみた。
(いったい何が……って!?)
その時、ドラバルトの右拳が眼前にあり即時によける。するとファイグは、すかさずドラバルトの右の腕を掴み投げ飛ばした。
それをみたミィレインとマグドラスは、何者なのかと警戒し後退りする。
ドラバルトは瞬時のことで何が生じたのかと思いながら起き上がると姿勢を整えた。
「お前、何者だ」
ファイグを鋭利な眼光で睨む。
そう尋ねられファイグは、ドラバルトに凍てつくような視線を向けると口を開いた。
「俺が何者か。だが、お前が先に名乗るのが筋ではないのか? それとも、さっきの拳は挨拶だったのかな」
「キッ、クッ……。お前の言いようは気に食わぬ。しかし、言っていることは筋が通っている」
そう納得すると少し考えたあと重ねて話し始める。
「俺の名は、ドラバルト・バッセル、竜人族だ」
「アタシも自己紹介しておいた方が良さそうね。水の守護精霊、ミィレインです」
いつになくかしこまった挨拶をした。――そうミィレインは、ファイグの正体を感づいていたからである。
以後ドラバルトがマグドラスを紹介した。
(竜人族。確かスイクラムの報告では、生き残っている者が少ないと聞いている。そうなると、ドラバルトは数少ない生き残りか。
水の守護精霊とは珍しい。しかも、この様子では気づいているな。だが、いったい誰の? 異世界の勇者がここにいるというのか)
そう思いながらドラバルト達を見回す。
「俺は、ファルス・ヒダネオル。みての通りヒューマンで、冒険者だ」
そうファイグが言うとミィレインは、手で自分の口を塞ぎ笑みを堪えた。
「ほう、冒険者か。だが、只者ではないよな。お前、何者だ?」
ドラバルトは、ファイグ……いや、ファルスに対し再び警戒し身構える。
「ちょ、ドラバルト待って。この人を信用しても大丈夫よ」
そう言われドラバルトは視線をミィレインに向けた。
「大丈夫だと。なんの根拠があって言っている?」
「アタシが、ファルスを透視して探ったから間違いにゃい。ただ、何者かは言えないけどね」
「何者か、言えない。ところが、信用しろか。うむ…………まあ、今、攻撃してこないという事は問題ないな」
そう言うもドラバルトは、ファルスのことをまだ本当に信用していなかった。
「そういう事だ。それでお前たちはここで何をしている?」
そう聞かれミィレインは、フワフワ飛びファルスの側までくる。
「ええと、アタシが守護精霊だと言っても問題にゃかったから話すわね。それと、今から全員の意識と繋げる」
そう言うとドラバルト達は、分かったと頷いた。
それをみてミィレインは、美鈴以外のここにいる者の意識を繋いだ。
“みんなアタシの声、聞こえるかな?”
そう問いかけられドラバルト達はコクリと首を下げた。
それを確認するとミィレインは、美鈴がスイクラムにより異世界から召喚されたことや、目下どういう状況なのかを伝える。
ドラバルトとマグドラスも、ここで何があったのかと美鈴から聞いた全てを述べた。
それを聞きファルスは、美鈴の方をみやる。
“なるほどな。そういう事なら早く回復せねば……”
そう思いファルスは美鈴の方へと歩き出した。
(これが事実ならば……。是正せねばならぬだろうな。しかし今は、この者を助けるのが先だ)
スイクラムは水晶を通し美鈴の様子をみていた。
「クスッ、このまま放っておけば餓死する。という事は、もはや手を下す必要などない。ですが、何があるか分かりません、用心しておいた方が良さそうね」
そう思いながら再び美鈴たちを見張る。
場所は変わりここは、ドラギドラスの洞窟。
あれからドラバルトとミィレインとマグドラスは、このままじゃ美鈴が餓死すると思い悩んでいた。
「……このままここで考えていても埒があかん。そうだな、確率は低いが外に何かないか探してくる」
そうドラバルトが言うとミィレインとマグドラスはコクリと頷く。
それを確かめたあとドラバルトは洞窟を出ようとする。ところが、出入口付近で何者かの気配を察知し立ちどまった。と同時に、警戒し身構える。
(誰かくる。……ヒューマン? なぜこんな所に……)
ミィレインはその様子をみてどうしたのかと思いドラバルトの側まで来た。
「ドラバルト、急にどうしたの?」
「誰か、こっちにくる」
「ドラバルト様。誰かとは?」
何があったのかと思いマグドラスは、ドラバルトの方に向かいながらそう問いかける。
「ヒューマンのようだ。だが、なぜこのネツオン大陸にいる。それも、かなり厚着のようだが」
「確かに変ねぇ。たまたまこの大陸に来ていた冒険者かしら」
「そうなると、女神の息がかかった者とも考えられますが」
そうマグドラスが言うとドラバルトは軽く頷く。
そうこうしている中に、そのヒューマンの男性はすぐ近くまで来ていた。
――そのヒューマンの男性とは、ファイグだ――
そうファイグは、地鳴りと音がしたため何が起きたのか確認するため向かって来ていた。
時は少し遡る。――ファイグはネツオン大陸に降り立ち探索をしていた。
(ここは、俺にとって最高の場所だ。しかし、ずっとここにいるわけにもいかない。さて、どうする?)
そう思いながら歩いていると、ゴオォォォォーと途轍もなく大きな音がし激しく揺れ始める。
ファイグは何が起きたのかと思い震源地を探った。
(これは、特殊な力によるものか。……地点は、恐らくあの洞窟だな)
場所を限定すると洞窟へと向かう。
現在――ファイグは洞窟の出入口までくると、恐る恐る中を覗いてみた。
(いったい何が……って!?)
その時、ドラバルトの右拳が眼前にあり即時によける。するとファイグは、すかさずドラバルトの右の腕を掴み投げ飛ばした。
それをみたミィレインとマグドラスは、何者なのかと警戒し後退りする。
ドラバルトは瞬時のことで何が生じたのかと思いながら起き上がると姿勢を整えた。
「お前、何者だ」
ファイグを鋭利な眼光で睨む。
そう尋ねられファイグは、ドラバルトに凍てつくような視線を向けると口を開いた。
「俺が何者か。だが、お前が先に名乗るのが筋ではないのか? それとも、さっきの拳は挨拶だったのかな」
「キッ、クッ……。お前の言いようは気に食わぬ。しかし、言っていることは筋が通っている」
そう納得すると少し考えたあと重ねて話し始める。
「俺の名は、ドラバルト・バッセル、竜人族だ」
「アタシも自己紹介しておいた方が良さそうね。水の守護精霊、ミィレインです」
いつになくかしこまった挨拶をした。――そうミィレインは、ファイグの正体を感づいていたからである。
以後ドラバルトがマグドラスを紹介した。
(竜人族。確かスイクラムの報告では、生き残っている者が少ないと聞いている。そうなると、ドラバルトは数少ない生き残りか。
水の守護精霊とは珍しい。しかも、この様子では気づいているな。だが、いったい誰の? 異世界の勇者がここにいるというのか)
そう思いながらドラバルト達を見回す。
「俺は、ファルス・ヒダネオル。みての通りヒューマンで、冒険者だ」
そうファイグが言うとミィレインは、手で自分の口を塞ぎ笑みを堪えた。
「ほう、冒険者か。だが、只者ではないよな。お前、何者だ?」
ドラバルトは、ファイグ……いや、ファルスに対し再び警戒し身構える。
「ちょ、ドラバルト待って。この人を信用しても大丈夫よ」
そう言われドラバルトは視線をミィレインに向けた。
「大丈夫だと。なんの根拠があって言っている?」
「アタシが、ファルスを透視して探ったから間違いにゃい。ただ、何者かは言えないけどね」
「何者か、言えない。ところが、信用しろか。うむ…………まあ、今、攻撃してこないという事は問題ないな」
そう言うもドラバルトは、ファルスのことをまだ本当に信用していなかった。
「そういう事だ。それでお前たちはここで何をしている?」
そう聞かれミィレインは、フワフワ飛びファルスの側までくる。
「ええと、アタシが守護精霊だと言っても問題にゃかったから話すわね。それと、今から全員の意識と繋げる」
そう言うとドラバルト達は、分かったと頷いた。
それをみてミィレインは、美鈴以外のここにいる者の意識を繋いだ。
“みんなアタシの声、聞こえるかな?”
そう問いかけられドラバルト達はコクリと首を下げた。
それを確認するとミィレインは、美鈴がスイクラムにより異世界から召喚されたことや、目下どういう状況なのかを伝える。
ドラバルトとマグドラスも、ここで何があったのかと美鈴から聞いた全てを述べた。
それを聞きファルスは、美鈴の方をみやる。
“なるほどな。そういう事なら早く回復せねば……”
そう思いファルスは美鈴の方へと歩き出した。
(これが事実ならば……。是正せねばならぬだろうな。しかし今は、この者を助けるのが先だ)
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
『うむ、どうも納得いかん。アイツは何者なんだ? この俺を最も簡単に投げ飛ばした。どうも気になる……』byドラバルト
『ファイ……いいえ、ファルスのことをあまり詮索しにゃい方がいいわよ』byミィレイン
『それは、どういう事だ?』byドラバルト
『そうねぇ。アタシたちからすれば雲の上の人、って言った方がいいかな』byミィレイン
『雲の上の存在……そうなると、魔王さまクラスという事だな』byドラバルト
『あーそれは……(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…ハ…』byミィレイン
と、いう事で……次話もよろしくお願いします(*^▽^*)
『うむ、どうも納得いかん。アイツは何者なんだ? この俺を最も簡単に投げ飛ばした。どうも気になる……』byドラバルト
『ファイ……いいえ、ファルスのことをあまり詮索しにゃい方がいいわよ』byミィレイン
『それは、どういう事だ?』byドラバルト
『そうねぇ。アタシたちからすれば雲の上の人、って言った方がいいかな』byミィレイン
『雲の上の存在……そうなると、魔王さまクラスという事だな』byドラバルト
『あーそれは……(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…ハ…』byミィレイン
と、いう事で……次話もよろしくお願いします(*^▽^*)