残酷な描写あり
〈第二章あらすじ&登場人物紹介〉
===第二章 あらすじ===
メイシアは、ホンシュアという女によって意図的に鷹刀一族のもとへ行くように唆されたらしい。その目的は? ホンシュアの正体は? そして、斑目一族に囚えられたメイシアの家族はどうなっている? それらの情報を得るために、ルイフォンとメイシアは、繁華街の情報屋、トンツァイを訪れた。
トンツァイの仕入れた情報によると、ホンシュアは斑目一族の配下の者ではなく、斑目一族と手を結んだ別の組織の者らしい。しかも、ホンシュアがメイシアと接触するため手引きを、メイシアの継母がしたというのだ。つまり、メイシアは身内に売られたのである。
ルイフォンは、この情報をメイシアに聞かせることはできない、と自分の心の中のみに収めた。
また、ルイフォンは、「シャオリエが、メイシアを連れてくるようにと言っている」という伝言をトンツァイから受け取る。
シャオリエとは高級娼館の女主人で、ルイフォンが母を亡くしてからしばらくの間、身を寄せていた人物である。
シャオリエの店に行くと、ルイフォンの顔なじみの娼婦スーリンが出迎えてくれた。
ルイフォンとメイシアは、シャオリエと対面するが、シャオリエの策により、ルイフォンは睡眠薬で眠らされてしまう。そして、シャオリエは「お前とふたりきりで話したかった」とメイシアに告げる。
メイシアは、シャオリエから、継母に売られたこと、その情報をルイフォンが隠していたことを知らされる。そして、メイシアが斑目一族の意図通りに動いたことで、鷹刀一族が罠に落ちると言われる。もと鷹刀一族であったシャオリエは、それを阻止するためにメイシアを排除すると宣言した。
シャオリエとの駆け引きのさなか、毒杯を飲もうとしたメイシア。それを寝ていたはずのルイフォンが止める。彼は、スーリンの協力のおかげで、寝たふりをしていただけだった。
ルイフォンは、「自分が背負うから鷹刀にいろ」とメイシアを説得する。その言葉にメイシアは心を打たれる。シャオリエはといえば、そもそもルイフォンを試していただけであり、目的が達成できたと満足気に頷くのだった。
周りの勧めによって、寝不足のルイフォンは仮眠を取り、メイシアはそれに付きそう。穏やかな時間が流れたかと思ったら、事態は急変する。
情報屋のトンツァイが、あらたなる衝撃の知らせを持ってきたのだ。
すなわち――藤咲メイシアの異母弟、藤咲ハオリュウが解放され、藤咲の屋敷に戻された……。
===登場人物===
鷹刀ルイフォン
凶賊鷹刀一族総帥、鷹刀イーレオの末子。十六歳。
母から、〈猫〉というクラッカーの通称を継いでいる。
端正な顔立ちであるのだが、表情のせいでそうは見えない。
長髪を後ろで一本に編み、毛先を金の鈴と青い飾り紐で留めている。
※「ハッカー」という用語は、「コンピュータ技術に精通した人」の意味であり、悪い意味を持たない。むしろ、尊称として使われていた。
「クラッカー」には悪意を持って他人のコンピュータを攻撃する者を指す。
よって、本作品では、〈猫〉を「クラッカー」と表記する。
藤咲メイシア
貴族の娘。十八歳。
箱入り娘らしい無知さと明晰な頭脳を持つ。
すなわち、育ちの良さから人を疑うことはできないが、状況の矛盾から嘘を見抜く。
白磁の肌、黒絹の髪の美少女。
鷹刀イーレオ
凶賊鷹刀一族の総帥。六十五歳。
若作りで洒落者。
鷹刀ミンウェイ
イーレオの孫娘にして、ルイフォンの年上の『姪』。二十代半ばに見える。
鷹刀一族の屋敷を切り盛りしている。
薬草と毒草のエキスパート。
緩やかに波打つ長い髪と、豊満な肉体を持つ絶世の美女。
鷹刀エルファン
イーレオの長子。次期総帥。ルイフォンとは親子ほど歳の離れた異母兄弟。
倭国に出掛けていた。
鷹刀リュイセン
エルファンの次男。イーレオの孫。ルイフォンの年上の『甥』。十九歳。
父、エルファンと共に倭国に出掛けていた。
草薙チャオラウ
イーレオの護衛にして、ルイフォンの武術師範。
無精髭を弄ぶ癖がある。
料理長
鷹刀一族の屋敷の料理長。
恰幅の良い初老の男。人柄が体格に出ている。
ルイフォンの母
四年前に謎の集団に首を落とされて死亡。
天才クラッカー〈猫〉。
右足首から下を失っており、歩行は困難だった。
トンツァイ
繁華街の情報屋。
痩せぎすの男。
シャオリエ
高級娼館の女主人。年齢不詳。
外見は嫋やかな美女だが、中身は『姐さん』。
元鷹刀一族であったが、イーレオの負担にならないように一族を離れた。
スーリン
シャオリエの店の娼婦。
くるくる巻き毛のポニーテールが似合う、小柄で可愛らしい少女。
本人曰く、もと女優の卵。
ホンシュア
鷹刀一族に助けを求めるよう、メイシアを唆した女。
仕立て屋と名乗っていたが、斑目一族と手を組んだ別の組織の者らしい。
===大華王国について===
黒髪黒目の国民の中で、白金の髪、青灰色の瞳を持つ王が治める王国である。
身分制度は、王族、貴族、平民、自由民に分かれている。
また、暴力的な手段によって団結している集団のことを凶賊と呼ぶ。彼らは平民や自由民であるが、貴族並みの勢力を誇っている。
メイシアは、ホンシュアという女によって意図的に鷹刀一族のもとへ行くように唆されたらしい。その目的は? ホンシュアの正体は? そして、斑目一族に囚えられたメイシアの家族はどうなっている? それらの情報を得るために、ルイフォンとメイシアは、繁華街の情報屋、トンツァイを訪れた。
トンツァイの仕入れた情報によると、ホンシュアは斑目一族の配下の者ではなく、斑目一族と手を結んだ別の組織の者らしい。しかも、ホンシュアがメイシアと接触するため手引きを、メイシアの継母がしたというのだ。つまり、メイシアは身内に売られたのである。
ルイフォンは、この情報をメイシアに聞かせることはできない、と自分の心の中のみに収めた。
また、ルイフォンは、「シャオリエが、メイシアを連れてくるようにと言っている」という伝言をトンツァイから受け取る。
シャオリエとは高級娼館の女主人で、ルイフォンが母を亡くしてからしばらくの間、身を寄せていた人物である。
シャオリエの店に行くと、ルイフォンの顔なじみの娼婦スーリンが出迎えてくれた。
ルイフォンとメイシアは、シャオリエと対面するが、シャオリエの策により、ルイフォンは睡眠薬で眠らされてしまう。そして、シャオリエは「お前とふたりきりで話したかった」とメイシアに告げる。
メイシアは、シャオリエから、継母に売られたこと、その情報をルイフォンが隠していたことを知らされる。そして、メイシアが斑目一族の意図通りに動いたことで、鷹刀一族が罠に落ちると言われる。もと鷹刀一族であったシャオリエは、それを阻止するためにメイシアを排除すると宣言した。
シャオリエとの駆け引きのさなか、毒杯を飲もうとしたメイシア。それを寝ていたはずのルイフォンが止める。彼は、スーリンの協力のおかげで、寝たふりをしていただけだった。
ルイフォンは、「自分が背負うから鷹刀にいろ」とメイシアを説得する。その言葉にメイシアは心を打たれる。シャオリエはといえば、そもそもルイフォンを試していただけであり、目的が達成できたと満足気に頷くのだった。
周りの勧めによって、寝不足のルイフォンは仮眠を取り、メイシアはそれに付きそう。穏やかな時間が流れたかと思ったら、事態は急変する。
情報屋のトンツァイが、あらたなる衝撃の知らせを持ってきたのだ。
すなわち――藤咲メイシアの異母弟、藤咲ハオリュウが解放され、藤咲の屋敷に戻された……。
===登場人物===
鷹刀ルイフォン
凶賊鷹刀一族総帥、鷹刀イーレオの末子。十六歳。
母から、〈猫〉というクラッカーの通称を継いでいる。
端正な顔立ちであるのだが、表情のせいでそうは見えない。
長髪を後ろで一本に編み、毛先を金の鈴と青い飾り紐で留めている。
※「ハッカー」という用語は、「コンピュータ技術に精通した人」の意味であり、悪い意味を持たない。むしろ、尊称として使われていた。
「クラッカー」には悪意を持って他人のコンピュータを攻撃する者を指す。
よって、本作品では、〈猫〉を「クラッカー」と表記する。
藤咲メイシア
貴族の娘。十八歳。
箱入り娘らしい無知さと明晰な頭脳を持つ。
すなわち、育ちの良さから人を疑うことはできないが、状況の矛盾から嘘を見抜く。
白磁の肌、黒絹の髪の美少女。
鷹刀イーレオ
凶賊鷹刀一族の総帥。六十五歳。
若作りで洒落者。
鷹刀ミンウェイ
イーレオの孫娘にして、ルイフォンの年上の『姪』。二十代半ばに見える。
鷹刀一族の屋敷を切り盛りしている。
薬草と毒草のエキスパート。
緩やかに波打つ長い髪と、豊満な肉体を持つ絶世の美女。
鷹刀エルファン
イーレオの長子。次期総帥。ルイフォンとは親子ほど歳の離れた異母兄弟。
倭国に出掛けていた。
鷹刀リュイセン
エルファンの次男。イーレオの孫。ルイフォンの年上の『甥』。十九歳。
父、エルファンと共に倭国に出掛けていた。
草薙チャオラウ
イーレオの護衛にして、ルイフォンの武術師範。
無精髭を弄ぶ癖がある。
料理長
鷹刀一族の屋敷の料理長。
恰幅の良い初老の男。人柄が体格に出ている。
ルイフォンの母
四年前に謎の集団に首を落とされて死亡。
天才クラッカー〈猫〉。
右足首から下を失っており、歩行は困難だった。
トンツァイ
繁華街の情報屋。
痩せぎすの男。
シャオリエ
高級娼館の女主人。年齢不詳。
外見は嫋やかな美女だが、中身は『姐さん』。
元鷹刀一族であったが、イーレオの負担にならないように一族を離れた。
スーリン
シャオリエの店の娼婦。
くるくる巻き毛のポニーテールが似合う、小柄で可愛らしい少女。
本人曰く、もと女優の卵。
ホンシュア
鷹刀一族に助けを求めるよう、メイシアを唆した女。
仕立て屋と名乗っていたが、斑目一族と手を組んだ別の組織の者らしい。
===大華王国について===
黒髪黒目の国民の中で、白金の髪、青灰色の瞳を持つ王が治める王国である。
身分制度は、王族、貴族、平民、自由民に分かれている。
また、暴力的な手段によって団結している集団のことを凶賊と呼ぶ。彼らは平民や自由民であるが、貴族並みの勢力を誇っている。