残酷な描写あり
〈第四章あらすじ&登場人物紹介〉
===第四章 あらすじ===
鷹刀一族の屋敷は、警察隊に取り囲まれた。総帥イーレオに対し、『貴族の藤咲メイシア嬢を誘拐した』として逮捕状が出たのだという。狂犬と呼ばれる警察隊員、緋扇シュアンの強硬姿勢により、鷹刀一族は警察隊を屋敷に入れてしまう。
ここに来ている警察隊員を統率している指揮官は、実は、斑目一族、厳月家と裏で繋がっており、斑目一族が化けた偽警官を多数、引き連れてきていた。斑目一族は、鷹刀一族と対立する凶賊であり、、厳月家は、藤咲家と敵対する貴族である。
指揮官は高圧的な姿勢で、イーレオの孫娘ミンウェイに命じ、強引にイーレオのいる執務室に乗り込んでいった。斑目一族との密約では、メイシアの死体が屋敷にこっそりと運び込まれることになっており、それを『発見』したとして、イーレオを逮捕することになっていた。
一方ミンウェイは、シュアンに「鷹刀一族と手を組みたい」と話を持ちかけられる。凶賊の情報は凶賊が知る、ということらしい。
監視カメラを経由して、屋敷の状況を見ていたルイフォン、メイシア、リュイセンは、何もできないことにやきもきしていた。彼らは、貧民街から屋敷に急行しているところだった。
そんな彼らのところに、メイシアの異母弟ハオリュウと、リュイセンの父でありルイフォンの異母兄であるエルファンが、共に屋敷に向かっているという連絡が入る。
『誘拐された貴族令嬢の実家の者』と『誘拐した凶賊の一族の者』として、偽警察隊員の前で冷たい舌戦を繰り広げる、ハオリュウとエルファン。しかし、ふたりとも、実はこの誘拐劇が斑目一族が仕組んだ狂言であることを知っており、密かに手を組んで屋敷に入る。
エルファンは、ミンウェイに協力を迫っているシュアンを、格の違いで従わせ、ハオリュウと共にいた偽警察隊員を一掃させた。
丁度そのころ、ルイフォン、メイシア、エルファンを乗せた車が屋敷に到着した。
執務室では、イーレオ、護衛チャオラウが指揮官と対峙している。
応接室付近には、エルファン、ミンウェイ、ハオリュウ、シュアンが集まっている。
屋敷中を、何も知らない本物の警察隊員たちが『誘拐された藤咲メイシア嬢』を探し回っており、その様子を鷹刀一族の凶賊たちが苦々しい思いで見つめている。
――これで、役者は揃った。
メイシアは、この騒動を治めるために一計を案じているという。
そのことを知る者たちが、「そのとき」を待っていた……。
===登場人物===
[鷹刀一族]
鷹刀ルイフォン
凶賊鷹刀一族総帥、鷹刀イーレオの末子。十六歳。
母から、〈猫〉というクラッカーの通称を継いでいる。
端正な顔立ちであるのだが、表情のせいでそうは見えない。
長髪を後ろで一本に編み、毛先を金の鈴と青い飾り紐で留めている。
《第五章開始時は、第三章で紐を使ってしまったままなので、鈴は懐にしまっている》
※「ハッカー」という用語は、「コンピュータ技術に精通した人」の意味であり、悪い意味を持たない。むしろ、尊称として使われていた。
「クラッカー」には悪意を持って他人のコンピュータを攻撃する者を指す。
よって、本作品では、〈猫〉を「クラッカー」と表記する。
鷹刀イーレオ
凶賊鷹刀一族の総帥。六十五歳。
若作りで洒落者。
鷹刀ミンウェイ
イーレオの孫娘にして、ルイフォンの年上の『姪』。二十代半ばに見える。
鷹刀一族の屋敷を切り盛りしている。
緩やかに波打つ長い髪と、豊満な肉体を持つ絶世の美女。
薬草と毒草のエキスパート。
かつて〈ベラドンナ〉という名の毒使いの暗殺者として暗躍していた。
鷹刀エルファン
イーレオの長子。次期総帥。ルイフォンとは親子ほど歳の離れた異母兄弟。
感情を表に出すことが少ない。冷静、冷酷。
倭国に出掛けていた。
鷹刀リュイセン
エルファンの次男。イーレオの孫。ルイフォンの年上の『甥』。十九歳。
文句も多いが、やるときはやる男。
『神速の双刀使い』と呼ばれている。
父、エルファンと共に倭国に出掛けていた。
草薙チャオラウ
イーレオの護衛にして、ルイフォンの武術師範。
無精髭を弄ぶ癖がある。
ルイフォンの母
四年前に謎の集団に首を落とされて死亡。
天才クラッカー〈猫〉。
右足首から下を失っており、歩行は困難だった。
かつて〈七つの大罪〉に属していたらしい。
〈ケル〉〈ベロ〉〈スー〉
ルイフォンの母が作った三台の兄弟コンピュータ。
ただし、〈スー〉は、まだできていないらしい。
[藤咲家]
藤咲メイシア
貴族の娘。十八歳。
箱入り娘らしい無知さと明晰な頭脳を持つ。
すなわち、育ちの良さから人を疑うことはできないが、状況の矛盾から嘘を見抜く。
白磁の肌、黒絹の髪の美少女。
藤咲ハオリュウ
メイシアの異母弟。十二歳。
十人並みの容姿に、子供とは思えない言動。いずれは一角の人物になると目される。
斑目一族に誘拐されていたが、解放された。
[斑目一族]
斑目タオロン
よく陽に焼けた浅黒い肌に、意思の強そうな目をした斑目一族の若い衆。
堂々たる体躯に猪突猛進の性格。二十歳過ぎに見える。
斑目一族の非道に反感を抱いているらしいが、逆らうことはできないらしい。
ルイフォンに鷹刀一族の屋敷に危機が迫っていることを暗に伝えてくれた。
[〈七つの大罪〉]
〈七つの大罪〉
現代の『七つの大罪』《『新・七つの大罪』》を犯す『闇の研究組織』。
知的好奇心に魂を売り渡した研究者を〈悪魔〉と呼ぶ。
〈悪魔〉は〈神〉から名前を貰い、潤沢な資金と絶対の加護、蓄積された門外不出の技術を元に、更なる高みを目指す。代償は体に刻み込まれた『契約』。
〈蝿〉
〈七つの大罪〉の悪魔。
ルイフォンの母のことを知っているらしい。
鷹刀一族、特にイーレオに恨みがある。
ミンウェイが、かつて〈ベラドンナ〉と呼ばれていたことを知っていた。
医者で暗殺者。
ホンシュア = 〈蛇〉?
鷹刀一族に助けを求めるよう、メイシアを唆した女。
仕立て屋と名乗っていた。
[警察隊]
緋扇シュアン
『狂犬』と呼ばれるイカレ警察隊員。三十路手前程度。
ぼさぼさに乱れまくった頭髪、隈のできた血走った目、不健康そうな青白い肌をしている。
凶賊に銃を向けることをまるで厭わない。
凶賊の抗争に巻き込まれて家族を失っており、凶賊を恨んでいる。
指揮官
イーレオに対し、『貴族令嬢誘拐』の罪を捏造し、逮捕拘束に来た指揮官。
裏で、斑目一族と繋がっている。
===大華王国について===
黒髪黒目の国民の中で、白金の髪、青灰色の瞳を持つ王が治める王国である。
身分制度は、王族、貴族、平民、自由民に分かれている。
また、暴力的な手段によって団結している集団のことを凶賊と呼ぶ。彼らは平民や自由民であるが、貴族並みの勢力を誇っている。
鷹刀一族の屋敷は、警察隊に取り囲まれた。総帥イーレオに対し、『貴族の藤咲メイシア嬢を誘拐した』として逮捕状が出たのだという。狂犬と呼ばれる警察隊員、緋扇シュアンの強硬姿勢により、鷹刀一族は警察隊を屋敷に入れてしまう。
ここに来ている警察隊員を統率している指揮官は、実は、斑目一族、厳月家と裏で繋がっており、斑目一族が化けた偽警官を多数、引き連れてきていた。斑目一族は、鷹刀一族と対立する凶賊であり、、厳月家は、藤咲家と敵対する貴族である。
指揮官は高圧的な姿勢で、イーレオの孫娘ミンウェイに命じ、強引にイーレオのいる執務室に乗り込んでいった。斑目一族との密約では、メイシアの死体が屋敷にこっそりと運び込まれることになっており、それを『発見』したとして、イーレオを逮捕することになっていた。
一方ミンウェイは、シュアンに「鷹刀一族と手を組みたい」と話を持ちかけられる。凶賊の情報は凶賊が知る、ということらしい。
監視カメラを経由して、屋敷の状況を見ていたルイフォン、メイシア、リュイセンは、何もできないことにやきもきしていた。彼らは、貧民街から屋敷に急行しているところだった。
そんな彼らのところに、メイシアの異母弟ハオリュウと、リュイセンの父でありルイフォンの異母兄であるエルファンが、共に屋敷に向かっているという連絡が入る。
『誘拐された貴族令嬢の実家の者』と『誘拐した凶賊の一族の者』として、偽警察隊員の前で冷たい舌戦を繰り広げる、ハオリュウとエルファン。しかし、ふたりとも、実はこの誘拐劇が斑目一族が仕組んだ狂言であることを知っており、密かに手を組んで屋敷に入る。
エルファンは、ミンウェイに協力を迫っているシュアンを、格の違いで従わせ、ハオリュウと共にいた偽警察隊員を一掃させた。
丁度そのころ、ルイフォン、メイシア、エルファンを乗せた車が屋敷に到着した。
執務室では、イーレオ、護衛チャオラウが指揮官と対峙している。
応接室付近には、エルファン、ミンウェイ、ハオリュウ、シュアンが集まっている。
屋敷中を、何も知らない本物の警察隊員たちが『誘拐された藤咲メイシア嬢』を探し回っており、その様子を鷹刀一族の凶賊たちが苦々しい思いで見つめている。
――これで、役者は揃った。
メイシアは、この騒動を治めるために一計を案じているという。
そのことを知る者たちが、「そのとき」を待っていた……。
===登場人物===
[鷹刀一族]
鷹刀ルイフォン
凶賊鷹刀一族総帥、鷹刀イーレオの末子。十六歳。
母から、〈猫〉というクラッカーの通称を継いでいる。
端正な顔立ちであるのだが、表情のせいでそうは見えない。
長髪を後ろで一本に編み、毛先を金の鈴と青い飾り紐で留めている。
《第五章開始時は、第三章で紐を使ってしまったままなので、鈴は懐にしまっている》
※「ハッカー」という用語は、「コンピュータ技術に精通した人」の意味であり、悪い意味を持たない。むしろ、尊称として使われていた。
「クラッカー」には悪意を持って他人のコンピュータを攻撃する者を指す。
よって、本作品では、〈猫〉を「クラッカー」と表記する。
鷹刀イーレオ
凶賊鷹刀一族の総帥。六十五歳。
若作りで洒落者。
鷹刀ミンウェイ
イーレオの孫娘にして、ルイフォンの年上の『姪』。二十代半ばに見える。
鷹刀一族の屋敷を切り盛りしている。
緩やかに波打つ長い髪と、豊満な肉体を持つ絶世の美女。
薬草と毒草のエキスパート。
かつて〈ベラドンナ〉という名の毒使いの暗殺者として暗躍していた。
鷹刀エルファン
イーレオの長子。次期総帥。ルイフォンとは親子ほど歳の離れた異母兄弟。
感情を表に出すことが少ない。冷静、冷酷。
倭国に出掛けていた。
鷹刀リュイセン
エルファンの次男。イーレオの孫。ルイフォンの年上の『甥』。十九歳。
文句も多いが、やるときはやる男。
『神速の双刀使い』と呼ばれている。
父、エルファンと共に倭国に出掛けていた。
草薙チャオラウ
イーレオの護衛にして、ルイフォンの武術師範。
無精髭を弄ぶ癖がある。
ルイフォンの母
四年前に謎の集団に首を落とされて死亡。
天才クラッカー〈猫〉。
右足首から下を失っており、歩行は困難だった。
かつて〈七つの大罪〉に属していたらしい。
〈ケル〉〈ベロ〉〈スー〉
ルイフォンの母が作った三台の兄弟コンピュータ。
ただし、〈スー〉は、まだできていないらしい。
[藤咲家]
藤咲メイシア
貴族の娘。十八歳。
箱入り娘らしい無知さと明晰な頭脳を持つ。
すなわち、育ちの良さから人を疑うことはできないが、状況の矛盾から嘘を見抜く。
白磁の肌、黒絹の髪の美少女。
藤咲ハオリュウ
メイシアの異母弟。十二歳。
十人並みの容姿に、子供とは思えない言動。いずれは一角の人物になると目される。
斑目一族に誘拐されていたが、解放された。
[斑目一族]
斑目タオロン
よく陽に焼けた浅黒い肌に、意思の強そうな目をした斑目一族の若い衆。
堂々たる体躯に猪突猛進の性格。二十歳過ぎに見える。
斑目一族の非道に反感を抱いているらしいが、逆らうことはできないらしい。
ルイフォンに鷹刀一族の屋敷に危機が迫っていることを暗に伝えてくれた。
[〈七つの大罪〉]
〈七つの大罪〉
現代の『七つの大罪』《『新・七つの大罪』》を犯す『闇の研究組織』。
知的好奇心に魂を売り渡した研究者を〈悪魔〉と呼ぶ。
〈悪魔〉は〈神〉から名前を貰い、潤沢な資金と絶対の加護、蓄積された門外不出の技術を元に、更なる高みを目指す。代償は体に刻み込まれた『契約』。
〈蝿〉
〈七つの大罪〉の悪魔。
ルイフォンの母のことを知っているらしい。
鷹刀一族、特にイーレオに恨みがある。
ミンウェイが、かつて〈ベラドンナ〉と呼ばれていたことを知っていた。
医者で暗殺者。
ホンシュア = 〈蛇〉?
鷹刀一族に助けを求めるよう、メイシアを唆した女。
仕立て屋と名乗っていた。
[警察隊]
緋扇シュアン
『狂犬』と呼ばれるイカレ警察隊員。三十路手前程度。
ぼさぼさに乱れまくった頭髪、隈のできた血走った目、不健康そうな青白い肌をしている。
凶賊に銃を向けることをまるで厭わない。
凶賊の抗争に巻き込まれて家族を失っており、凶賊を恨んでいる。
指揮官
イーレオに対し、『貴族令嬢誘拐』の罪を捏造し、逮捕拘束に来た指揮官。
裏で、斑目一族と繋がっている。
===大華王国について===
黒髪黒目の国民の中で、白金の髪、青灰色の瞳を持つ王が治める王国である。
身分制度は、王族、貴族、平民、自由民に分かれている。
また、暴力的な手段によって団結している集団のことを凶賊と呼ぶ。彼らは平民や自由民であるが、貴族並みの勢力を誇っている。