残酷な描写あり
8.帰宅
宿屋の奥にある階段から2階へ上がり、先程受け取った鍵を使って大部屋に入る。
部屋は大部屋というだけあってかなり広く、二段ベッドが四つ、奥の窓際に丸テーブルと椅子、洋服掛けが二つ置いてある。
それでもまだスペースには十分な余裕がある広々とした8人部屋だ。
私は部屋に入るとすぐに扉と窓の鍵を掛け、窓のカーテンも閉める。そして椅子に腰かけると、ニーナ達にも楽にするように言葉を掛ける。
ニーナ達がそれぞれ近くのベッドや椅子に腰を下ろしたところで、話を切り出した。
「さて、まずは屋敷に帰るのに何故宿を取ったのか説明しないとね」
ニーナ達も当然そのことが気になっていた。だけど私が「後で説明する」と言ったので、何か考えがあっての行動だということは理解してくれていたので、特に質問をしなかっただけだ。
「元々の予定として広場に集合した後、門を出て人目の無い場所か適当な森の中に行って、『転移魔術』を使って屋敷に帰るはずだったけど、今の現状でそれをするのはリスクは高いの」
私の説明を聞いて、その意味を考えるニーナ、サムス、クワトルの3人。一方ティンクはというと、首をかしげていた。
「……なるほど、そういうことですか」
「サムス、何か分かったの?」
「ええ恐らくですが、中央塔での一件が宿を取ることになった原因、ではないでしょうか?」
「ええ、正解よサムス」
サムスの推理を聞いて、ニーナとクワトルも「なるほど」と理解してくれたようだ。ただティンクだけはまだ理解できてないようで、私とサムスたちの方を交互に見ていた。
「……つまり、どういうことですか?」
「あのねティンク、中央塔に入って何があったかは覚えてる?」
「え~と、入って案内所の受付さんに話を聞いて――」
「その時に私が、その受付の人から魔術的干渉を受けたのは話したわね」
「うん。でもミューダ様がくれたローブで防げたんでしょ?」
「そうよ。でも、それが問題なの」
「????」
ティンクはさらに分からなくなったようで、目が点になってしまった。
「つまりこういうことだよティンク。セレスティア様に干渉しようとしたあの受付嬢、彼女が何者かまでは解りませんが、そんな芸当が出来る以上只者ではないのは確かです。そして、そんな人物が只の受付嬢であるはずがありません。恐らく身分を隠しているのでしょう。例えそうでなくても、誰かの下で働く者というのは何か異状や怪しいことがあった際に上への報告義務があります。ということは、魔術的干渉を防いだセレスティア様、そして一緒にいた僕達の存在は既に貿易都市の上層部に知らされている可能性があります」
「そのような状態で夜中に都市の外に出る。しかも私達の恰好は一目見れば旅人とそんなに違いはありません。夜は盗賊や人を襲う魔物に襲われる可能性が高く、普通は護衛を雇うものでしょう。しかし、その護衛も無しに門を出ようとしたら、門番に危険だと呼び止められてしまうのは確実でしょうね」
私に代わってサムスとクワトルが、ティンクに分かりやすいように噛み砕いて説明してくれる。
二人の言う通りで、もしそんな事をすれば門番は危険な夜に都市を出ようとする私達を止めるだろう。「夜に外に出るのは危ない」と言って。
しかし、集合時間を夜にしていたからそうなることは想定済みで、事前の打ち合わせでは、サムスとクワトルを護衛ということにして乗り切る手はずになっていた。
だが、中央塔の一件で私達に目が付けられている可能性がある中でそんなことをして、もし門番が私達の事を上に報告してしまえば、余計に私達という存在が怪しまれる事になる。
「怪しいと思っていた人物が更に怪しい行動をすれば、誰でも警戒を強めるものよ。そうなれば本当に目を付けられる事になって、貿易都市での今後の活動に影響が出るかもしれないでしょう? だから今は門を出るよりも宿を取って、人目も邪魔も入らないここから屋敷に転移して帰るのが得策なのよ」
そこまで説明してティンクもようやく理解したようで、なる程と頷いていた。
ティンクは理解力や直感は優れているが、考え事は苦手なところがある。「ティンクの考える力をもっと伸ばしてあげないといけないなぁ」と、ティンクの今後の教育方針を考えつつ、私は懐から一枚の大きいスクロールを取り出して床に広げた。
「それじゃあ、帰るとしましょう」
私はそう言って広げたスクロールに魔力を流し込む。すると、スクロールに描かれていた魔法陣に魔力が宿り光を放ち始める。
そして次の瞬間、スクロールが青い炎を上げて燃え出した。青い炎はスクロールだけをキレイに燃やし尽くし、魔法陣だけをその場に残す。
そして残った魔法陣も、直ぐに床の中へ溶けるように見えなくなる。
「よし、これで転移の魔法陣が固定されたわ」
今の魔法陣は、転移魔術の転移先を指定する魔法陣だ。これで屋敷とこの大部屋を転移魔術で行き来できるようになった。
私は次に懐から、さっきの物よりも小さな別のスクロールを取り出す。こっちのスクロールは転移魔術を発動させるスクロールだ。
先程仕掛けた魔法陣の中心に立ち、4人に私の近くに寄るように指示を出す。
そしてスクロールに魔力を流し込む。小さいスクロールも先程と同じように、流した魔力でスクロールに描かれた魔法陣が光を放つ。そして青い炎がスクロールを燃やし尽くして魔法陣だけが空中に残った。
これで転移魔術の発動準備が整った。
「いくわよ。“転移”!」
魔術を発動させると魔法陣は何重にも段を形成しながら増殖し、私達全員を包み込む。
次に魔法陣は目が眩む程の光を放ち、私達諸共部屋全体を支配した。
それと同時に目を瞑った私の体は、突然の浮遊感に襲われる。私はその感覚に抗うことなく身を任せた――。
◆ ◆
「……遅い。まだ帰ってこないのか?」
屋敷の玄関ホールで腕を組みながら、ミューダはアインと一緒にセレスティア達の帰りを待っていた。
「ミューダ様、セレスティア様に連絡をしてからまだ一時間も経っておりませんよ。それにその台詞も既に五回目です。もう少し落ち着いて待たれては如何ですか?」
「いちいちそんな事を数えなくていいし、言わなくてよい! ただ、我はセレスティア達から早く貿易都市の話を聞きたいだけだ!」
屋敷に住んでる中で唯一、過去に貿易都市に行ったことがあるクワトルから、『大陸中の様々な人や物、技術が集まる大都市』と聞いていたミューダは、貿易都市がどんな都市なのかとても興味があった。
そこでセレスティアに例のネックレスを渡して都市の様子を観察していた。……しかしここでネックレスの弱点が露呈した。
セレスティアが見ているものを共有するということは、視点の移動はセレスティアの意思によって決定されるという事だ。
つまり言い換えると、ミューダが見たいと思っている物にセレスティアの目線が合うことが少ないのだ。そしてミューダの意識と関係なく視界が次々と移り変わるせいで感覚のズレが起こる。
その結果、ミューダはまるで乗り物に酔ったかの様に気分を悪くしてしまったのだ。
体調を崩したミューダは、セレスティアが中央塔を出て少しした辺りから研究室に戻って休んでいた。だからその後のセレスティアがどういう行動をしていたのかを把握出来ていなかった。
なのでミューダは早くその空白の時間の話を聞きたかったのだが、セレスティア達が中々帰って来ないものでイライラして落ち着きを無くしていたのである。
(そんなに知りたいなら、ミューダ様も一緒に行けば良かったのに……)
心の中でそんな事を思ったアインだが、口に出せばミューダの機嫌が更に悪くなりその矛先が自分に向くのは分かっているので、あえて口には出さなかった。
――ブォン!
その時、玄関ホールの中心に明るく光りを放つ魔法陣が出現した。
魔法陣の光は段々と強くなり、目を開けることが出来ないくらいの光が玄関ホール全体を包み込んでいく。
ミューダとアインは光を直視しないように目を守り、光が収まるのを待つ……。
やがて光は徐々に光力を失い消失していく。それに合わせてミューダとアインが目を開けると、魔法陣の中心にセレスティア達が姿を現していた。
「おかえりなさいませ、セレスティア様」
「ただいま、アイン」
セレスティアの姿を確認したアインは一歩前に出ると、お辞儀してセレスティアを出迎えた。
セレスティアはアインに返事を返すと、その場にミューダも居ることに気がついた。
「あら、ミューダも出迎えてくれるとは意外ね。てっきり研究室に呼びに行くまで引き籠って研究の続きでもしてるのかと思ってたわ」
「ふん、あまりに帰りが遅いので少し文句を言ってやろうと思って待ってただけだ。それより、もう少し早く帰って来れなかったのか?」
「ごめんなさいね。これでもかなり急いだ方なのよ」
「どうだかな。……大方何か面白いことでもあって、時間を忘れてただけではないか?」
「まあ……ね。そのことは後でちゃんと話すから楽しみにしてて頂戴」
「……自信がありそうだな。なら我は先に食堂で待っているぞ。どんな話を聞けるか楽しみだな!」
そう言ってミューダは食堂の方へと歩いて行った。
ミューダの姿が見えなくなると、アインがセレスティアの耳元に顔を近づけてくる。
「あんな事を言ってますが、かなり心配しているご様子でしたよ。セレスティア様に連絡をしてから、『遅い、まだ帰らないのか!?』とここで待ちながら繰り返し呟いてましたから」
「ふふ、ミューダらしいわね。本当に素直じゃないんだから。――さあ、私達も着替えたら食堂に集合よ。早くしないとミューダの小言が多くなっちゃうからね!」
部屋は大部屋というだけあってかなり広く、二段ベッドが四つ、奥の窓際に丸テーブルと椅子、洋服掛けが二つ置いてある。
それでもまだスペースには十分な余裕がある広々とした8人部屋だ。
私は部屋に入るとすぐに扉と窓の鍵を掛け、窓のカーテンも閉める。そして椅子に腰かけると、ニーナ達にも楽にするように言葉を掛ける。
ニーナ達がそれぞれ近くのベッドや椅子に腰を下ろしたところで、話を切り出した。
「さて、まずは屋敷に帰るのに何故宿を取ったのか説明しないとね」
ニーナ達も当然そのことが気になっていた。だけど私が「後で説明する」と言ったので、何か考えがあっての行動だということは理解してくれていたので、特に質問をしなかっただけだ。
「元々の予定として広場に集合した後、門を出て人目の無い場所か適当な森の中に行って、『転移魔術』を使って屋敷に帰るはずだったけど、今の現状でそれをするのはリスクは高いの」
私の説明を聞いて、その意味を考えるニーナ、サムス、クワトルの3人。一方ティンクはというと、首をかしげていた。
「……なるほど、そういうことですか」
「サムス、何か分かったの?」
「ええ恐らくですが、中央塔での一件が宿を取ることになった原因、ではないでしょうか?」
「ええ、正解よサムス」
サムスの推理を聞いて、ニーナとクワトルも「なるほど」と理解してくれたようだ。ただティンクだけはまだ理解できてないようで、私とサムスたちの方を交互に見ていた。
「……つまり、どういうことですか?」
「あのねティンク、中央塔に入って何があったかは覚えてる?」
「え~と、入って案内所の受付さんに話を聞いて――」
「その時に私が、その受付の人から魔術的干渉を受けたのは話したわね」
「うん。でもミューダ様がくれたローブで防げたんでしょ?」
「そうよ。でも、それが問題なの」
「????」
ティンクはさらに分からなくなったようで、目が点になってしまった。
「つまりこういうことだよティンク。セレスティア様に干渉しようとしたあの受付嬢、彼女が何者かまでは解りませんが、そんな芸当が出来る以上只者ではないのは確かです。そして、そんな人物が只の受付嬢であるはずがありません。恐らく身分を隠しているのでしょう。例えそうでなくても、誰かの下で働く者というのは何か異状や怪しいことがあった際に上への報告義務があります。ということは、魔術的干渉を防いだセレスティア様、そして一緒にいた僕達の存在は既に貿易都市の上層部に知らされている可能性があります」
「そのような状態で夜中に都市の外に出る。しかも私達の恰好は一目見れば旅人とそんなに違いはありません。夜は盗賊や人を襲う魔物に襲われる可能性が高く、普通は護衛を雇うものでしょう。しかし、その護衛も無しに門を出ようとしたら、門番に危険だと呼び止められてしまうのは確実でしょうね」
私に代わってサムスとクワトルが、ティンクに分かりやすいように噛み砕いて説明してくれる。
二人の言う通りで、もしそんな事をすれば門番は危険な夜に都市を出ようとする私達を止めるだろう。「夜に外に出るのは危ない」と言って。
しかし、集合時間を夜にしていたからそうなることは想定済みで、事前の打ち合わせでは、サムスとクワトルを護衛ということにして乗り切る手はずになっていた。
だが、中央塔の一件で私達に目が付けられている可能性がある中でそんなことをして、もし門番が私達の事を上に報告してしまえば、余計に私達という存在が怪しまれる事になる。
「怪しいと思っていた人物が更に怪しい行動をすれば、誰でも警戒を強めるものよ。そうなれば本当に目を付けられる事になって、貿易都市での今後の活動に影響が出るかもしれないでしょう? だから今は門を出るよりも宿を取って、人目も邪魔も入らないここから屋敷に転移して帰るのが得策なのよ」
そこまで説明してティンクもようやく理解したようで、なる程と頷いていた。
ティンクは理解力や直感は優れているが、考え事は苦手なところがある。「ティンクの考える力をもっと伸ばしてあげないといけないなぁ」と、ティンクの今後の教育方針を考えつつ、私は懐から一枚の大きいスクロールを取り出して床に広げた。
「それじゃあ、帰るとしましょう」
私はそう言って広げたスクロールに魔力を流し込む。すると、スクロールに描かれていた魔法陣に魔力が宿り光を放ち始める。
そして次の瞬間、スクロールが青い炎を上げて燃え出した。青い炎はスクロールだけをキレイに燃やし尽くし、魔法陣だけをその場に残す。
そして残った魔法陣も、直ぐに床の中へ溶けるように見えなくなる。
「よし、これで転移の魔法陣が固定されたわ」
今の魔法陣は、転移魔術の転移先を指定する魔法陣だ。これで屋敷とこの大部屋を転移魔術で行き来できるようになった。
私は次に懐から、さっきの物よりも小さな別のスクロールを取り出す。こっちのスクロールは転移魔術を発動させるスクロールだ。
先程仕掛けた魔法陣の中心に立ち、4人に私の近くに寄るように指示を出す。
そしてスクロールに魔力を流し込む。小さいスクロールも先程と同じように、流した魔力でスクロールに描かれた魔法陣が光を放つ。そして青い炎がスクロールを燃やし尽くして魔法陣だけが空中に残った。
これで転移魔術の発動準備が整った。
「いくわよ。“転移”!」
魔術を発動させると魔法陣は何重にも段を形成しながら増殖し、私達全員を包み込む。
次に魔法陣は目が眩む程の光を放ち、私達諸共部屋全体を支配した。
それと同時に目を瞑った私の体は、突然の浮遊感に襲われる。私はその感覚に抗うことなく身を任せた――。
◆ ◆
「……遅い。まだ帰ってこないのか?」
屋敷の玄関ホールで腕を組みながら、ミューダはアインと一緒にセレスティア達の帰りを待っていた。
「ミューダ様、セレスティア様に連絡をしてからまだ一時間も経っておりませんよ。それにその台詞も既に五回目です。もう少し落ち着いて待たれては如何ですか?」
「いちいちそんな事を数えなくていいし、言わなくてよい! ただ、我はセレスティア達から早く貿易都市の話を聞きたいだけだ!」
屋敷に住んでる中で唯一、過去に貿易都市に行ったことがあるクワトルから、『大陸中の様々な人や物、技術が集まる大都市』と聞いていたミューダは、貿易都市がどんな都市なのかとても興味があった。
そこでセレスティアに例のネックレスを渡して都市の様子を観察していた。……しかしここでネックレスの弱点が露呈した。
セレスティアが見ているものを共有するということは、視点の移動はセレスティアの意思によって決定されるという事だ。
つまり言い換えると、ミューダが見たいと思っている物にセレスティアの目線が合うことが少ないのだ。そしてミューダの意識と関係なく視界が次々と移り変わるせいで感覚のズレが起こる。
その結果、ミューダはまるで乗り物に酔ったかの様に気分を悪くしてしまったのだ。
体調を崩したミューダは、セレスティアが中央塔を出て少しした辺りから研究室に戻って休んでいた。だからその後のセレスティアがどういう行動をしていたのかを把握出来ていなかった。
なのでミューダは早くその空白の時間の話を聞きたかったのだが、セレスティア達が中々帰って来ないものでイライラして落ち着きを無くしていたのである。
(そんなに知りたいなら、ミューダ様も一緒に行けば良かったのに……)
心の中でそんな事を思ったアインだが、口に出せばミューダの機嫌が更に悪くなりその矛先が自分に向くのは分かっているので、あえて口には出さなかった。
――ブォン!
その時、玄関ホールの中心に明るく光りを放つ魔法陣が出現した。
魔法陣の光は段々と強くなり、目を開けることが出来ないくらいの光が玄関ホール全体を包み込んでいく。
ミューダとアインは光を直視しないように目を守り、光が収まるのを待つ……。
やがて光は徐々に光力を失い消失していく。それに合わせてミューダとアインが目を開けると、魔法陣の中心にセレスティア達が姿を現していた。
「おかえりなさいませ、セレスティア様」
「ただいま、アイン」
セレスティアの姿を確認したアインは一歩前に出ると、お辞儀してセレスティアを出迎えた。
セレスティアはアインに返事を返すと、その場にミューダも居ることに気がついた。
「あら、ミューダも出迎えてくれるとは意外ね。てっきり研究室に呼びに行くまで引き籠って研究の続きでもしてるのかと思ってたわ」
「ふん、あまりに帰りが遅いので少し文句を言ってやろうと思って待ってただけだ。それより、もう少し早く帰って来れなかったのか?」
「ごめんなさいね。これでもかなり急いだ方なのよ」
「どうだかな。……大方何か面白いことでもあって、時間を忘れてただけではないか?」
「まあ……ね。そのことは後でちゃんと話すから楽しみにしてて頂戴」
「……自信がありそうだな。なら我は先に食堂で待っているぞ。どんな話を聞けるか楽しみだな!」
そう言ってミューダは食堂の方へと歩いて行った。
ミューダの姿が見えなくなると、アインがセレスティアの耳元に顔を近づけてくる。
「あんな事を言ってますが、かなり心配しているご様子でしたよ。セレスティア様に連絡をしてから、『遅い、まだ帰らないのか!?』とここで待ちながら繰り返し呟いてましたから」
「ふふ、ミューダらしいわね。本当に素直じゃないんだから。――さあ、私達も着替えたら食堂に集合よ。早くしないとミューダの小言が多くなっちゃうからね!」