【野球】打率や勝利数は無価値【セイバーメトリクス】
チーム状況に惑わされない〝選手個人の強さ〟を重視する
そのためのセイバーメトリクス
そのためのセイバーメトリクス
ワールド・ベースボール・クラシックが終われば選抜高校野球があり、それが終わればシーズン開幕。日本にとって、野球はもはや日常のひとつなのかもしれない。
野球、すきですか?
わたしはすきです。
バッティングセンターに通い詰めるくらいすきです。
なお車で一時間かかる模様。
日光市にバッティングセンターできないかなぁ。
ボールを投げてバットで打つ。んでベースを走って一点を取る。まとめりゃこんなシンプルなスポーツだけど、その中身はとてもシステマチックで奥が深い。だからこそ、ながーい歴史と研究の粋は『セイバーメトリクス』なる概念が生まれ、みんなこぞって良い指標を求めるようになった。
前回『【統計学】弱小チームのエースを勝たせたい【度数分布票】』で統計学の〝さわり〟をちょろっと紹介したじゃん? セイバーメトリクスは統計学と野球をかけ合わせ選手のパフォーマンス向上を狙った産物です。
データを制するものがビジネスを制すなんて言われてるけど、それは野球でもいっしょ。大谷翔平選手だってセイバーメトリクスを活用してるからこそ偉大な成績を残せた。
現代野球において、これを活用しなければもはや時代遅れ感さえある。今回はそんなセイバーメトリクスを紹介しつつ、初心者にもわかりやすい代表的な指標もいくつか紹介していきましょう。
:セイバーメトリクス誕生から黎明期まで:
セイバーメトリクス。
Sabermetrics.
SABRmetrics.
Socity = 協会
for = のための
American = アメリカ
Baseball = 野球
Research = 研究
Metrics = 尺度
つまり『アメリカ野球研究協会』が開発した尺度のこと。メジャーリーグとは関係ない非営利団体なんだけど、打撃の神様として名高い『テッド・ウィリアムズ』氏が創設メンバーのひとりだったり、わりと重要な団体だったりします。
1971年、野球関係者と統計学者が集まって組織されたもの。その目的は「野球の歴史と統計記録を残したい!」というもの。それを『ビル・ジェームズ』というスポーツライターが「統計的に野球選手を評価する〝セイバーメトリクス〟なんてどうだろう?」的な感じで使いだした流れ。
1970年代の話。ビル・ジェームズさんは、統計データを活用し「どういうピッチャーが盗塁されるんだろ? それを考える際、このデータを参照してみてはいかがだろうか?」と評価するスタイルだった。この時はまだ統計学者たちの〝評論〟としてでしかデータ活用されておらず、野球の現場でデータ活用しようなんて方はおりませんでした。
当時は、というか今も『球界を代表する選手のスタイルやことば』の影響力が強かったから、野球をやったことのないヤツらが描く机上の空論なんて、選手はもちろん運営者たちもスルーしたことでしょう。
ファンが非公式の同人誌やファンゲームを作ってるようなもんです。温かい目で見守りつつも、プロ目線からすればクオリティ不足で「まあ、お遊びだよな」なんて思ってたかもしれません。
が、今の同人界はスゲーぞ?
プロ級の方がごまんといるぞ。
なんだったらプロが同人活動してるぞ。
プロから見ればただのお遊び、道楽のように見えてたセイバーメトリクス。それも時代を経ることで「おや……この指標、もしかして使えるのでは?」と気づく人は出てくるものですよ。1980年代、90年代と続き、セイバーメトリクスが一躍有名になるキッカケが生まれた。
アスレチックス。
2000年代初頭、当時『オークランド・アスレチックス』と呼ばれていたチームは、強い選手を高い給料で呼び込む格差が広がっていた。アスレチックスは資金力が無いチームであり、当然ながら成績も……ん、あれ待って。
2000年はリーグ一位、翌年二位、一位、一位。
どゆこと?
メジャーリーグ屈指の金なし球団だぞ?
なんで強いの?
答えはセイバーメトリクス。当時のゼネラルマネージャー『ビリー・ビーン』がセイバーメトリクスを元に選手を調達。その結果、当時超ド球に予算注ぎ込んでたヤンキースの三分の一レベルの予算なのに百勝達成とかいう異次元の成績を残してくれやがりました。
低予算チームを常勝軍団に導いたセイバーメトリクスとはなんだ? 気になった方はノンフィクション小説『マネー・ボール』で描かれており、映画化もされてるのでぜひご参照。それから他のチームもこぞってセイバーメトリクスを参照するようになって、今じゃセイバーメトリクスを使わないことが考えられない時代になってるね。
以上がセイバーメトリクスが浸透したおおまかな流れ。では次に、セイバーメトリクスで扱われる指標をいくつか紹介していきましょう。
:セイバーメトリクスってなんだ?:
セイバーメトリクスはアメリカ野球研究協会が開発した尺度だって書いたけど、じゃあ具体的な尺度はなんだ? って話。野球のスコアから生データをとって、それらを統計的に処理したものがセイバーメトリクスです。
たとえば『十打席、三安打』というデータ。これを「この選手は優秀か否か?」というテーマに沿って考える場合、どんな指標を作るのがいいかな?
たとえば『ヒットを打つ確率』を考えたら良くない? だってヒットを打たない選手より打つ選手のほうが優秀に決まってんじゃん。ってことで生まれたのが『打率』です。
・打率
安打 ÷ 打数
3安打 ÷ 10打数
打率 = 0.3
リーグのレベルにもよるけど三割打者は通常優秀とされてるね。これが最もシンプルな〝セイバーメトリクスを活用した優秀な選手の探り方〟のひとつ。優秀かどうかを探すため『打率』という指標を生み出したわけだ。
今はそういった『優秀か否かの尺度』を現すための数値がたくさん開発され、今でも開発され続けている。たとえば出塁率、長打率というふたつの指標。
・出塁率
打撃機会ごとの塁に出る確率
(安打+四死球) ÷ (打数+四死球+犠飛)
16安打+2四死球 ÷ 40打数+2四死球+2犠飛
出塁率 = 0.409
・長打率
1打席ごとに〝何塁打〟打つか?
塁打 ÷ 打数
100塁打 ÷ 250打数
長打率 = 0.4
実はという話。現代メジャーリーグでは打率をあまり重要視してない。打率より『アウトになりにくい = 優秀』である出塁率のほうが重要視されており、それに加え長打率の『より得点に近い = 優秀』を足した指標が最重要視されてるんだ。
OPS
On-base = 出塁
plus = 足す
slugging = 長打
出塁率0.409 + 長打率0.4
OPS = 0.809
OPSは文字通り『出塁率 + 長打率』の数値。よりアウトになりにくく、より1点に近い選手ならそりゃつえーだろという発想。この数値が『0.8』を超えるなら優秀。もし『1』を超えるようであれば球界を代表する選手と評価されるでしょう。
どの指標を重視するかはチーム状況による。たとえば前段落で紹介したアスレチックスは、ホームランをバカスカ打つような選手はお給料も高いため、当時あまり重要視なかった出塁率や与四死球の少なさを重視していた。逆にアウトに関わるプレイは徹底して評価を低くし、たとえば自動アウト献上装置である送りバントを否定。盗塁もアウトになる危険性が高いとして否定的であり、ピッチャーの勝利数や打点、得点圏打率などは「状況による結果論」ということであまり評価しない方針でした。当時は球速もあまり評価しなかったようです。
けど今は2026年。時代が進めば研究や生データも増えるし新しいアプローチをする人も増える。球速と空振り率の関係性が明らかになり、より得点に近い方法やホームランを生み出すバレルゾーンなども明らかになった今は「よりホームランを打ち、より速い球を投げ、より奪三振数が多い選手が優秀」とされてるね。だからこそ、選手たちはそれに即した鍛え方をするようになった結果、今のメジャーリーガーは全身ムキムキマッチョマンが多くなった気がしますね。
みなさんはこの流れをどう感じてる?
ムキムキマンこそ至高?
科学をどんどん取り入れるべき?
ライオンは筋トレしない?
スモールベースボールがすき?
野球の試合は公式記録を残すけど、何を公式記録にするかはリーグ運営が決めることになってる。たとえばメジャーリーグではOPSを公式記録に取り入れてますが日本では取り入れられてません、まあ出塁率と長打率があるから計算すればいいだけなんだけどね。
最後に、個人的にチョイスした指標を紹介してみようと思います。キミが監督だったらどの指標を参考にするか、ちょっと考えてみてください。
・K/BB(投手) or BB/K(野手)
投手はコントロール、打者は選球眼能力の指標
両者とも3.5以上が優秀とされる
三振50 ÷ 四球16
K/BB = 3.125
・Whip(Walks plus hits per inning pitched
イニング毎に何人出塁させたかの指標
1.2以下が優秀とされる
(与四球+被安打) ÷ 総イニング数
50+150 ÷ 150
Whip = 1.3
・WAR(Wins above replacement
代替可能選手を〝0〟とした選手の貢献度
高いほど優秀とされる〝公式計算式なし〟の指標
ただし選手の〝総合評価〟可能な指標なので要注目
FangraphsのfWARなどが有名。以下参照サイト
:投手版:
ttps://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?ecd=203&eid=20032
:野手版:
ttps://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?ecd=203&eid=20031
野球、すきですか?
わたしはすきです。
バッティングセンターに通い詰めるくらいすきです。
なお車で一時間かかる模様。
日光市にバッティングセンターできないかなぁ。
ボールを投げてバットで打つ。んでベースを走って一点を取る。まとめりゃこんなシンプルなスポーツだけど、その中身はとてもシステマチックで奥が深い。だからこそ、ながーい歴史と研究の粋は『セイバーメトリクス』なる概念が生まれ、みんなこぞって良い指標を求めるようになった。
前回『【統計学】弱小チームのエースを勝たせたい【度数分布票】』で統計学の〝さわり〟をちょろっと紹介したじゃん? セイバーメトリクスは統計学と野球をかけ合わせ選手のパフォーマンス向上を狙った産物です。
データを制するものがビジネスを制すなんて言われてるけど、それは野球でもいっしょ。大谷翔平選手だってセイバーメトリクスを活用してるからこそ偉大な成績を残せた。
現代野球において、これを活用しなければもはや時代遅れ感さえある。今回はそんなセイバーメトリクスを紹介しつつ、初心者にもわかりやすい代表的な指標もいくつか紹介していきましょう。
:セイバーメトリクス誕生から黎明期まで:
セイバーメトリクス。
Sabermetrics.
SABRmetrics.
Socity = 協会
for = のための
American = アメリカ
Baseball = 野球
Research = 研究
Metrics = 尺度
つまり『アメリカ野球研究協会』が開発した尺度のこと。メジャーリーグとは関係ない非営利団体なんだけど、打撃の神様として名高い『テッド・ウィリアムズ』氏が創設メンバーのひとりだったり、わりと重要な団体だったりします。
1971年、野球関係者と統計学者が集まって組織されたもの。その目的は「野球の歴史と統計記録を残したい!」というもの。それを『ビル・ジェームズ』というスポーツライターが「統計的に野球選手を評価する〝セイバーメトリクス〟なんてどうだろう?」的な感じで使いだした流れ。
1970年代の話。ビル・ジェームズさんは、統計データを活用し「どういうピッチャーが盗塁されるんだろ? それを考える際、このデータを参照してみてはいかがだろうか?」と評価するスタイルだった。この時はまだ統計学者たちの〝評論〟としてでしかデータ活用されておらず、野球の現場でデータ活用しようなんて方はおりませんでした。
当時は、というか今も『球界を代表する選手のスタイルやことば』の影響力が強かったから、野球をやったことのないヤツらが描く机上の空論なんて、選手はもちろん運営者たちもスルーしたことでしょう。
ファンが非公式の同人誌やファンゲームを作ってるようなもんです。温かい目で見守りつつも、プロ目線からすればクオリティ不足で「まあ、お遊びだよな」なんて思ってたかもしれません。
が、今の同人界はスゲーぞ?
プロ級の方がごまんといるぞ。
なんだったらプロが同人活動してるぞ。
プロから見ればただのお遊び、道楽のように見えてたセイバーメトリクス。それも時代を経ることで「おや……この指標、もしかして使えるのでは?」と気づく人は出てくるものですよ。1980年代、90年代と続き、セイバーメトリクスが一躍有名になるキッカケが生まれた。
アスレチックス。
2000年代初頭、当時『オークランド・アスレチックス』と呼ばれていたチームは、強い選手を高い給料で呼び込む格差が広がっていた。アスレチックスは資金力が無いチームであり、当然ながら成績も……ん、あれ待って。
2000年はリーグ一位、翌年二位、一位、一位。
どゆこと?
メジャーリーグ屈指の金なし球団だぞ?
なんで強いの?
答えはセイバーメトリクス。当時のゼネラルマネージャー『ビリー・ビーン』がセイバーメトリクスを元に選手を調達。その結果、当時超ド球に予算注ぎ込んでたヤンキースの三分の一レベルの予算なのに百勝達成とかいう異次元の成績を残してくれやがりました。
低予算チームを常勝軍団に導いたセイバーメトリクスとはなんだ? 気になった方はノンフィクション小説『マネー・ボール』で描かれており、映画化もされてるのでぜひご参照。それから他のチームもこぞってセイバーメトリクスを参照するようになって、今じゃセイバーメトリクスを使わないことが考えられない時代になってるね。
以上がセイバーメトリクスが浸透したおおまかな流れ。では次に、セイバーメトリクスで扱われる指標をいくつか紹介していきましょう。
:セイバーメトリクスってなんだ?:
セイバーメトリクスはアメリカ野球研究協会が開発した尺度だって書いたけど、じゃあ具体的な尺度はなんだ? って話。野球のスコアから生データをとって、それらを統計的に処理したものがセイバーメトリクスです。
たとえば『十打席、三安打』というデータ。これを「この選手は優秀か否か?」というテーマに沿って考える場合、どんな指標を作るのがいいかな?
たとえば『ヒットを打つ確率』を考えたら良くない? だってヒットを打たない選手より打つ選手のほうが優秀に決まってんじゃん。ってことで生まれたのが『打率』です。
・打率
安打 ÷ 打数
3安打 ÷ 10打数
打率 = 0.3
リーグのレベルにもよるけど三割打者は通常優秀とされてるね。これが最もシンプルな〝セイバーメトリクスを活用した優秀な選手の探り方〟のひとつ。優秀かどうかを探すため『打率』という指標を生み出したわけだ。
今はそういった『優秀か否かの尺度』を現すための数値がたくさん開発され、今でも開発され続けている。たとえば出塁率、長打率というふたつの指標。
・出塁率
打撃機会ごとの塁に出る確率
(安打+四死球) ÷ (打数+四死球+犠飛)
16安打+2四死球 ÷ 40打数+2四死球+2犠飛
出塁率 = 0.409
・長打率
1打席ごとに〝何塁打〟打つか?
塁打 ÷ 打数
100塁打 ÷ 250打数
長打率 = 0.4
実はという話。現代メジャーリーグでは打率をあまり重要視してない。打率より『アウトになりにくい = 優秀』である出塁率のほうが重要視されており、それに加え長打率の『より得点に近い = 優秀』を足した指標が最重要視されてるんだ。
OPS
On-base = 出塁
plus = 足す
slugging = 長打
出塁率0.409 + 長打率0.4
OPS = 0.809
OPSは文字通り『出塁率 + 長打率』の数値。よりアウトになりにくく、より1点に近い選手ならそりゃつえーだろという発想。この数値が『0.8』を超えるなら優秀。もし『1』を超えるようであれば球界を代表する選手と評価されるでしょう。
どの指標を重視するかはチーム状況による。たとえば前段落で紹介したアスレチックスは、ホームランをバカスカ打つような選手はお給料も高いため、当時あまり重要視なかった出塁率や与四死球の少なさを重視していた。逆にアウトに関わるプレイは徹底して評価を低くし、たとえば自動アウト献上装置である送りバントを否定。盗塁もアウトになる危険性が高いとして否定的であり、ピッチャーの勝利数や打点、得点圏打率などは「状況による結果論」ということであまり評価しない方針でした。当時は球速もあまり評価しなかったようです。
けど今は2026年。時代が進めば研究や生データも増えるし新しいアプローチをする人も増える。球速と空振り率の関係性が明らかになり、より得点に近い方法やホームランを生み出すバレルゾーンなども明らかになった今は「よりホームランを打ち、より速い球を投げ、より奪三振数が多い選手が優秀」とされてるね。だからこそ、選手たちはそれに即した鍛え方をするようになった結果、今のメジャーリーガーは全身ムキムキマッチョマンが多くなった気がしますね。
みなさんはこの流れをどう感じてる?
ムキムキマンこそ至高?
科学をどんどん取り入れるべき?
ライオンは筋トレしない?
スモールベースボールがすき?
野球の試合は公式記録を残すけど、何を公式記録にするかはリーグ運営が決めることになってる。たとえばメジャーリーグではOPSを公式記録に取り入れてますが日本では取り入れられてません、まあ出塁率と長打率があるから計算すればいいだけなんだけどね。
最後に、個人的にチョイスした指標を紹介してみようと思います。キミが監督だったらどの指標を参考にするか、ちょっと考えてみてください。
・K/BB(投手) or BB/K(野手)
投手はコントロール、打者は選球眼能力の指標
両者とも3.5以上が優秀とされる
三振50 ÷ 四球16
K/BB = 3.125
・Whip(Walks plus hits per inning pitched
イニング毎に何人出塁させたかの指標
1.2以下が優秀とされる
(与四球+被安打) ÷ 総イニング数
50+150 ÷ 150
Whip = 1.3
・WAR(Wins above replacement
代替可能選手を〝0〟とした選手の貢献度
高いほど優秀とされる〝公式計算式なし〟の指標
ただし選手の〝総合評価〟可能な指標なので要注目
FangraphsのfWARなどが有名。以下参照サイト
:投手版:
ttps://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?ecd=203&eid=20032
:野手版:
ttps://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?ecd=203&eid=20031