なぜ犯罪者は更生できないのか?
反省しろ
更生しろ
更生しろ
犯罪ってなんでなくならないんだろうね。
なんてぼーっと空を眺めながら思う。人は〝社会〟を形成する生き物で、社会を維持するには『みんなが共通認識してるルール』を尊重することが重要で、それをわかっていても、人は過ちを犯してしまう。
だからこそ、人はルールを破った人に罰を与えたり、ルール通りに生きてもらうよう更生させるための施設をつくったりする。
それでも犯罪はなくならない。それどころか、犯罪を繰り返してしまうような人もたくさんいるんだ。
なんでだろう?
なんでだろうね。
今回はそんな人たちの心理を紹介していこう。
:完全なる悪はいない:
罪を繰り返す人たちを『累犯者』と呼ぶ。法務省が発刊する『犯罪白書』には再犯に関する項目もあり、令和6年の刑法犯の再犯者率、つまり検挙歴があった人は46.2%に及んだという事実が提示されておりました。この数は多いととるべきか、それとも少ないととるべきか。個人的には多いと思うけどみなさまはどう思いましたか?
:犯罪白書 令和7年版:
ttps://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/mokuji.html
充分に反省し罪を償ったとされていてもその約はんぶんはまた犯罪を犯してしまう。その理由は心理学者などの専門家があれこれ研究してて、犯罪者がどのような性格(パーソナリティー)をもっているのか? というのも対象になってる。
些細なことでも激高してモノに当たってしまったり、何事も過剰に受け止め相手への誹謗中傷を繰り返すようになったり……古典的にはシュナイダーの精神病質者分類、今ではDSMなどにそういった『性格に極端な隔たりがある人』を定義する項目があります。
パーソナリティー障害。ある程度一般生活にも浸透してることばなので、見覚えある方もいるかもしれないね。これをはじめ、犯罪研究では『犯罪を犯しやすい人』に関する研究が深まっていて、やれ犯罪者の心理がどうこうとか、犯罪を犯してもバレにくい場所がどうとかいう研究ばかりなんだけど、再犯者に関してはこれらに当てはまりきらない事情があるんだよね。
たとえばそうねぇ、うーん……たとえばキミが会社の面接官だったとき、ふたりの希望者がいて能力性別そのほかもろもろすべてが同じで、片方が前科者だった時どっちを選ぶか? って話よ。
法律上、釈放された人は『罪を償った』ことになる。けど前科者のレッテルは想像以上にキビしくて、出所後の再就職ができないことが大きな問題となってる。協力雇用主など犯罪者の再就職を支援する制度はあれど、その業種が隔っていたり実際の運用率がごくわずかであったりなど課題しかない。就職できず経済的に追い込まれ、周囲から受けるレッテルとストレスでどんどん蝕まれていく。国が「この人は罪を償いました」と保証してるんだけどね。
いやいや待てと、こいつは実際に罪を犯したわけでその罪は一生消えないだろという意見はあるでしょう。本当に更生したかどうかわからないという不安ももっともです。が、そういった不信感によって追い詰められ再犯。それを見た人は「ほら見ろ! やっぱりアイツは悪いヤツなんだ」とレッテルを強めていく。行き着く果ては一度でも犯罪を犯すとたとえ反省し更生したとしても許されない窮屈な世の中。まあ、それを望むというのなら止めはしませんがね。
しっかりメシを食えて生活できるだけ稼げる。たったそれだけで、人はだれでも善人になれると思うのですよ。
:再犯者をなくすには?:
日本は世界的にも再犯率が高い。そのため出所後の支援が急務になってるんだけど、一方で「再犯率が低い国」はどんな対策をしてるのだろうと目を向けてみる。そうするとわかって来るのは、日本が文字通りそれ以前の問題だったんだということだ。
たとえばノルウェー。数十年前までは再犯率70%とかいう魔境でしたが、現代においては20%程度ととんでもない変貌を遂げております。もちろん、日本の再犯者率と計算方法が違うなどいろいろあるでしょうがそれをもってしてもこの下げ幅は驚きですよね。
いったいどんな対策したん?
厳罰化?
いっそ軽犯罪でも死刑にしちゃう?
いいえ、ちがいます。
ノルウェーが行ったのは以下ふたつ。
① 修復的司法
罰から修復へのシフト
② 開放型刑務所
セキュリティレベルの低い刑務所
①に関して。これまで多くの国が〝罪を犯した人に対し罰を与える〟ことを重視していた。しかしノルウェーは違った。この国は罪に対し罰を与えるという単純な思想でなく『罪によって生まれた被害を修復すること』を目的としたのです。
修復ってなんだよ? ――加害者が犯してしまった罪がある。罪によって生まれた損害がある。その損害を加害者と被害者双方で向き合ってもらい、よりよい未来へ至るにはどうすれば良いか? を語り合う機会のこと。
たとえば損壊。となりの家の人の壁をぶっ壊しちゃったとしよう。加害者と被害者が調停者を交え向き合って、その行為によってどのような被害が生まれたかを話し合う。もちろん、物理的な被害だけでなく恐怖など精神的なもの、その後の生活での不便性などもしっかり話し合ってもらう。
加害者は何をすれば良いだろう? 壁の修繕費を支払うことは当然だが、被害者に対し他にできることはあるだろうか? 壁を破壊したことで周囲にカケラが散らばり、今もその残骸が残されているとしたら、その掃除もやろう。被害者のこころのケアをどうやって実現させよう。事件を起こしてしまった後悔を打ち明けたり、隣人だったのにあまり互いのことを知らなかったね、なんて話に発展するかもしれない。
この制度のすごいところは、加害者被害者その他モロモロ含め〝修復〟しようとする試みだ。こういう事例があると、加害者は罰を受け多くの面で制裁を受けてしまうつまり社会への再入場が困難になってしまうが、修復的司法では被害者やその他多くの人とつながり罪と向き合うため社会に戻りやすくなる。被害者もしっかり加害者に思いのうちを吐き出し、自身の被害を訴え補償されることで、経済ほかモロモロの心配をする必要がなくなる。他にも国主体の手厚い補償制度がございますのでね。上記の例だと、まず被害者の壁修繕費用と国が負担し、その費用を加害者へ請求する仕組みになってる……加害者に罪でなく『行為によって生まれた被害』をしっかり見つめさせる良い試みだと思います。
②は知ってる方もいるでしょう。俗に言う『塀のない刑務所』とかいうアレです。言うて完全フリー施設というわけじゃなく、まあ簡易的なフェンスなどは設けられてる形。それと同じというワケじゃないけど日本にもあって、気になった方はとりあえず『今治市 大井造船作業場』で調べていただければ幸い。
ノルウェーの刑務所はトレーニング施設、図書館、リラクゼーショングッズなどがあり、しかもゲームやり放題とかいう「ここは天国ですか?」と思えるような世界。やっべちょっとノルウェーで犯罪してk(ry ――いや、冗談でもそんなことしないよノルウェー人に申しわけなさすぎる。
刑期を終える段階の囚人は、社会復帰のため相応の環境を用意される。資格取得支援もあるしそれ専用に職務経験を積むことだってできる。すべては加害者の社会復帰のため。ノルウェーという国にとって、刑務所は罰を与える施設でなく『社会復帰のための訓練施設』なのだ。
この制度が実際に効果をあげ、ノルウェーの再犯者は劇的に少なくなっている模様。実は、この制度は欧米にも広く導入される流れであり、日本でも塀のない刑務所をはじめ、囚人に反省を促すでなく更生、社会復帰を重視しようとシフトチェンジしていってる。
が、世の中は厳罰化の声が根強いんだよなぁ……果てさて、日本はどの方向に進んでいくのでしょうか。
人が人らしく生きるにはどうすればいいんだろう?
頭叩いて、ケツ叩いて「やれ!」と無理強いさせるのか。
話し合い、合意の上で「こうやろう」と納得させていくのか。
ハッキリした答えなんてないんだろうな。ただ、少なくとも罪を犯せない社会は健全とは言えないと思う。
健全な社会であれば、そもそも罪を犯そうかどうかなんて考えないはずだから。
なんてぼーっと空を眺めながら思う。人は〝社会〟を形成する生き物で、社会を維持するには『みんなが共通認識してるルール』を尊重することが重要で、それをわかっていても、人は過ちを犯してしまう。
だからこそ、人はルールを破った人に罰を与えたり、ルール通りに生きてもらうよう更生させるための施設をつくったりする。
それでも犯罪はなくならない。それどころか、犯罪を繰り返してしまうような人もたくさんいるんだ。
なんでだろう?
なんでだろうね。
今回はそんな人たちの心理を紹介していこう。
:完全なる悪はいない:
罪を繰り返す人たちを『累犯者』と呼ぶ。法務省が発刊する『犯罪白書』には再犯に関する項目もあり、令和6年の刑法犯の再犯者率、つまり検挙歴があった人は46.2%に及んだという事実が提示されておりました。この数は多いととるべきか、それとも少ないととるべきか。個人的には多いと思うけどみなさまはどう思いましたか?
:犯罪白書 令和7年版:
ttps://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/mokuji.html
充分に反省し罪を償ったとされていてもその約はんぶんはまた犯罪を犯してしまう。その理由は心理学者などの専門家があれこれ研究してて、犯罪者がどのような性格(パーソナリティー)をもっているのか? というのも対象になってる。
些細なことでも激高してモノに当たってしまったり、何事も過剰に受け止め相手への誹謗中傷を繰り返すようになったり……古典的にはシュナイダーの精神病質者分類、今ではDSMなどにそういった『性格に極端な隔たりがある人』を定義する項目があります。
パーソナリティー障害。ある程度一般生活にも浸透してることばなので、見覚えある方もいるかもしれないね。これをはじめ、犯罪研究では『犯罪を犯しやすい人』に関する研究が深まっていて、やれ犯罪者の心理がどうこうとか、犯罪を犯してもバレにくい場所がどうとかいう研究ばかりなんだけど、再犯者に関してはこれらに当てはまりきらない事情があるんだよね。
たとえばそうねぇ、うーん……たとえばキミが会社の面接官だったとき、ふたりの希望者がいて能力性別そのほかもろもろすべてが同じで、片方が前科者だった時どっちを選ぶか? って話よ。
法律上、釈放された人は『罪を償った』ことになる。けど前科者のレッテルは想像以上にキビしくて、出所後の再就職ができないことが大きな問題となってる。協力雇用主など犯罪者の再就職を支援する制度はあれど、その業種が隔っていたり実際の運用率がごくわずかであったりなど課題しかない。就職できず経済的に追い込まれ、周囲から受けるレッテルとストレスでどんどん蝕まれていく。国が「この人は罪を償いました」と保証してるんだけどね。
いやいや待てと、こいつは実際に罪を犯したわけでその罪は一生消えないだろという意見はあるでしょう。本当に更生したかどうかわからないという不安ももっともです。が、そういった不信感によって追い詰められ再犯。それを見た人は「ほら見ろ! やっぱりアイツは悪いヤツなんだ」とレッテルを強めていく。行き着く果ては一度でも犯罪を犯すとたとえ反省し更生したとしても許されない窮屈な世の中。まあ、それを望むというのなら止めはしませんがね。
しっかりメシを食えて生活できるだけ稼げる。たったそれだけで、人はだれでも善人になれると思うのですよ。
:再犯者をなくすには?:
日本は世界的にも再犯率が高い。そのため出所後の支援が急務になってるんだけど、一方で「再犯率が低い国」はどんな対策をしてるのだろうと目を向けてみる。そうするとわかって来るのは、日本が文字通りそれ以前の問題だったんだということだ。
たとえばノルウェー。数十年前までは再犯率70%とかいう魔境でしたが、現代においては20%程度ととんでもない変貌を遂げております。もちろん、日本の再犯者率と計算方法が違うなどいろいろあるでしょうがそれをもってしてもこの下げ幅は驚きですよね。
いったいどんな対策したん?
厳罰化?
いっそ軽犯罪でも死刑にしちゃう?
いいえ、ちがいます。
ノルウェーが行ったのは以下ふたつ。
① 修復的司法
罰から修復へのシフト
② 開放型刑務所
セキュリティレベルの低い刑務所
①に関して。これまで多くの国が〝罪を犯した人に対し罰を与える〟ことを重視していた。しかしノルウェーは違った。この国は罪に対し罰を与えるという単純な思想でなく『罪によって生まれた被害を修復すること』を目的としたのです。
修復ってなんだよ? ――加害者が犯してしまった罪がある。罪によって生まれた損害がある。その損害を加害者と被害者双方で向き合ってもらい、よりよい未来へ至るにはどうすれば良いか? を語り合う機会のこと。
たとえば損壊。となりの家の人の壁をぶっ壊しちゃったとしよう。加害者と被害者が調停者を交え向き合って、その行為によってどのような被害が生まれたかを話し合う。もちろん、物理的な被害だけでなく恐怖など精神的なもの、その後の生活での不便性などもしっかり話し合ってもらう。
加害者は何をすれば良いだろう? 壁の修繕費を支払うことは当然だが、被害者に対し他にできることはあるだろうか? 壁を破壊したことで周囲にカケラが散らばり、今もその残骸が残されているとしたら、その掃除もやろう。被害者のこころのケアをどうやって実現させよう。事件を起こしてしまった後悔を打ち明けたり、隣人だったのにあまり互いのことを知らなかったね、なんて話に発展するかもしれない。
この制度のすごいところは、加害者被害者その他モロモロ含め〝修復〟しようとする試みだ。こういう事例があると、加害者は罰を受け多くの面で制裁を受けてしまうつまり社会への再入場が困難になってしまうが、修復的司法では被害者やその他多くの人とつながり罪と向き合うため社会に戻りやすくなる。被害者もしっかり加害者に思いのうちを吐き出し、自身の被害を訴え補償されることで、経済ほかモロモロの心配をする必要がなくなる。他にも国主体の手厚い補償制度がございますのでね。上記の例だと、まず被害者の壁修繕費用と国が負担し、その費用を加害者へ請求する仕組みになってる……加害者に罪でなく『行為によって生まれた被害』をしっかり見つめさせる良い試みだと思います。
②は知ってる方もいるでしょう。俗に言う『塀のない刑務所』とかいうアレです。言うて完全フリー施設というわけじゃなく、まあ簡易的なフェンスなどは設けられてる形。それと同じというワケじゃないけど日本にもあって、気になった方はとりあえず『今治市 大井造船作業場』で調べていただければ幸い。
ノルウェーの刑務所はトレーニング施設、図書館、リラクゼーショングッズなどがあり、しかもゲームやり放題とかいう「ここは天国ですか?」と思えるような世界。やっべちょっとノルウェーで犯罪してk(ry ――いや、冗談でもそんなことしないよノルウェー人に申しわけなさすぎる。
刑期を終える段階の囚人は、社会復帰のため相応の環境を用意される。資格取得支援もあるしそれ専用に職務経験を積むことだってできる。すべては加害者の社会復帰のため。ノルウェーという国にとって、刑務所は罰を与える施設でなく『社会復帰のための訓練施設』なのだ。
この制度が実際に効果をあげ、ノルウェーの再犯者は劇的に少なくなっている模様。実は、この制度は欧米にも広く導入される流れであり、日本でも塀のない刑務所をはじめ、囚人に反省を促すでなく更生、社会復帰を重視しようとシフトチェンジしていってる。
が、世の中は厳罰化の声が根強いんだよなぁ……果てさて、日本はどの方向に進んでいくのでしょうか。
人が人らしく生きるにはどうすればいいんだろう?
頭叩いて、ケツ叩いて「やれ!」と無理強いさせるのか。
話し合い、合意の上で「こうやろう」と納得させていくのか。
ハッキリした答えなんてないんだろうな。ただ、少なくとも罪を犯せない社会は健全とは言えないと思う。
健全な社会であれば、そもそも罪を犯そうかどうかなんて考えないはずだから。