【生物】DNAってなによ?【生命の起源】
学校の授業で「生物はDNAから作られるよ」って教わったじゃん?
じゃあ実際どうやって身体が作られてるの? って話
じゃあ実際どうやって身体が作られてるの? って話
DNAは『生命の設計図』です。小学生のころからさんざんっぱら教科書や図鑑で見せつけられましたね
二重らせん構造をしてて、そこからいろんな情報を読み取ってわたしたちの身体すべてができあがります。文字通りすべてです。わたしたちの細胞の中心にいるDNA。こんな小さな存在でアナタという身体が作られてると思うとめっさ不思議じゃないですか? ――それには地球誕生の歴史から現代まで壮大なストーリーがあったんですよ
遠い昔、地球はまっかっかなマグマ燃え盛る大地でした
海なんてものはひとつもなかったの。そこに大量の隕石がこんにちはしてきて、生命に必要となる水素、酸素、炭素、窒素などの元素が注入。数億年かけて"原初の海"が誕生しました
アナタがイメージするような海じゃないです。強酸性なので海水浴しようものなら身体は焼けただれてイッてしまわれるし、塩分も金属もたっぷりなので生命の"せ"の字すらないような世界。そっからどうやって生物が誕生するんだ? って話だよね~
まあ、いろいろあったんだよ。そのヘンの話は本題と逸れるので端折っちゃうとして、とりあえず『海が蒸発して雨になって、雨といっしょに地上のイロイロな物が海に流れ込んでうまい反応をして現在の海になってきた』とざっくりご理解ください
今回のテーマは「DNAってなんだ?」的な話を、生命誕生のストーリーを通して書いていこうと思います
:生命はRNAから始まった説:
原初の生命はどうやって誕生したか? ――それは多くの説が議論されていますが、そのなかでも有力とされる説に『RNAワールド仮説』ってのがあります
ん? DNAじゃなくてRNAとな? なんじゃそれは? って感じだよね
DNAばかり有名ですが、わたしたちの身体をつくる根底はこのRNAです
・RNA = リボ核酸[ Ribonucleic acid ]
こやつらは『アデニン・シトシン・グアニン・チミン』というよっつの"塩基"から成り、その組み合わせによっていろいろな『アミノ酸』を作り出します
元素はなんでもかんでも合体できるワケじゃありません。ジグソーパズルのように、特定の形をしたもの同士じゃないとくっつくことはできず、しかも、場合によっちゃせっかく合体したものを他のブツによって分解させられたりします。鉄が錆びるのは、鉄に酸素がくっついて酸化鉄ができるからってのは学校で習いましたよね?
じゃあ塩基ってなんぞや? これは生物選考とかじゃないと詳しく勉強しないよね。まあ難しくないから今のうちに知っときましょう
たとえば『水』ってあるじゃん? あれは元素というか分子を書くと[H2O]になるでしょ? じゃあそれをいちいち「あ、ちょっとコップにえいちつーおー注いで持ってきてくれる?」なんてイッてたら会話が長くなるしめんどくさい。ってことで、生物界では"ある一定の組み合わせをした元素の塊"を『基(Base)』と呼んでいます
たとえば「水素と炭素と酸素がこう合わさった形の――」っていちいち説明するのめんどくさいから『Ch3Co- = アセチル基(Ac)』と呼ばれています
わたしはやったことないのですが、巷で有名なゲームに[ Fate ]シリーズってのがあるでしょ? あれに塩基じゃなくて"霊基"なる単語があるじゃん? あれ多分こういう基を霊力的な何かに置き換えて表現した創作なんだと思いますいや知らんからなんとも言えんけどね
閑話休題。まあとにかく、基ってのはそういうモノです。で、塩基ってのは基の中でも以下のような性質をもちます
・水素イオンを受け取る
・電子対を与える
これらの性質があるので、水素を共有(水素結合)することで塩基同士が合体することができます。RNAの場合以下の4つの塩基によって構成されています
・アデニン[ C5,H5,N5 ]
・グアニン[ C5,H5,N5,O ]
・シトシン[ C4,H5,N3,O ]
・ウラシル[ C4,H4,N2,O2 ]
※ C=炭素:H=水素:N=窒素:O=酸素
わりと似たもの同士がくっついてるのね。DNAが二重らせん構造であるのに対し、RNAは一本鎖でデザインされています
この形が生命の原初です。生命っていうかぁ……ぶひん? 実際、これをもとにアミノ酸が作られて、それが合体してみんな大好きたんぱく質になって、それらがさらに合体密集して動物の身体になっていくのだけど……ちょっとまって
なんかDNA登場してなくない? いつになったらDNAさん出てくるの? ――ってことに書きながら気づきました。このままだと文字数がアレなのでスピードアップして、次は地球で生命が誕生する歴史を書いていこうと思います
:地球に生命なんていなかった:
RNAワールド仮説などを元にいろいろ考えた結果、学者たちは「原初の生命は"間欠泉"の地下で始まったんじゃね?」という結果にたどり着きました。温泉とかにあるアレね。そこに大量にあった鉱物が水と反応して、生命になるために必要な部品が誕生していくの
間欠泉にたくさん水が溜まって、そこにある鉱物(ウラン)と反応を起こした結果、アミノ酸や塩基などいろんな生命の材料(生命構成単位)が合成されます。それがそれが間欠泉のブシャー! によって地表に追い出されて、潮の満ち引きで酸素と合体して、また間欠泉の中に流れ込む無限ループを繰り返した結果、さらに複雑な分子に合体していく。その果てに生まれたのが先程紹介したRNAです
ただし、こいつらは酸素にとっても反応しやすいです。鉄がサビるように、RNAをはじめとした分子たちはすーぐ酸素と反応してぶっこわれちゃうの。だから酸化しないよう護ってくれる存在が必要なんだけど――だれかたすけて!
脂肪酸「呼んだ?」
いたよ救世主が。脂肪酸はわたしたちの細胞の周囲にある膜ですね。こやつがいるお陰で細胞という単位があります
ってことで分子の合体がどんどんすすみ、RNAくんは間欠泉のなかで誕生してた酵素っぽい、つまり分子が合体するのを助けてくれるっぽい仲間たちを自身の身体に合体させてった結果、なんと自己複製機能をもつ『リボザイム』に進化したではありませんか!
B連打でキャンセルできませんのでご了承ください。今のポケモンもBボタンで進化キャンセルできるの? まあいいや
RNAさんはめでたく自己複製機能を手に入れました。じゃあ、それが酸から身を守ってくれる脂肪に包まれたらどうなるか? ――はい、そりゃあもう増殖しまくりんぐです
ってことで、地球誕生からだいたい5億年後に、原初生命というか、まあその部品というか土壌というかそんなのが揃ったわけです
:なんでDNAになったの?:
DNAとは『生命の設計図』です。ここに生物に関するすべての情報が記載されています
RNAが一本鎖であるのに対し、DNAは二重らせん構造をしています。これは小学生のときから散々教科書や図鑑などで見せられたでしょう。日本語にすると『デオキシリボ核酸( Deoxyribonucleic acid )』。英語だとめっさなげーのな
RNAが登場して自己増殖できるようになってから、しばらくはずぅーっとRNAが天下とってました。が、こいつにはちょっとした弱点があったのです
RNAは一本鎖であるためとっても反応しやすい存在でした。ちょっとだれかとくっついたらすぐ反応しちゃってぶっ壊れたり別のナニカになっちゃったりとまあやられたい放題。つまり存在そのものがヒジョーに弱いってことになります
対してDNAは強固な二重らせん構造。そうすることで安定性が増し、自らの状態を"メッチャ絡まった状態"にできる一方、条件により"ゆるーくなった状態"にして反応しやすい状況にコントロールすることができるようになりました
こうすることで、自らの情報を自由自在に「ちょっとこの部品作っといてくれる?」と大工さんたちにリクエストできるようになりました。だからこそ、わたしたちは細胞に『身体の全部品の設計図が組み込まれている設計図』を持っているにも関わらず、手には手の部品、足は足、ツメはツメ、骨、内蔵、それぞれあるべき場所にあるべき部品が存在しているのです
なんでRNAからDNAになったのか? ――地球ってのは数億年の間に何度も環境が変化してってね、せっかく生まれたRNAたちなんだけど、自然界にある放射線とか大陸の地殻変動とかまだまだ毒性が強かった海水など、まあイロイロあってRNAくんにとってはキビシイ世界だったんです
キビシイ環境の変化に生き残った子たちは、やがて太陽のエネルギーを利用したり、周囲の環境とうまく共存する方法を編み出したりとまあ工夫しまくっていったんです。そういった試練を乗り越えた子たちが「アカン、どんどん環境がキビしくなっとる……せや! ワイらがもっと頑丈な設計図をもてばええにゃ!」っと思ったかどうか知りませんが、ある時RNAが革命を迎えることになります
不安定だったRNAは、自然原子炉がより安定した構造の形成を促します。つまり電離放射線がRNAをイジメまくって、より安定したDNAに進化するよう促したんですね
もともと、RNAは脆くて変化しやすい性質をもっていたのですが、それは変化に富み進化や突然変異を引き起こしやすいと書き換えることもできます。あっちこっちでRNAを脅かすというかイジメてくるような環境があったからこそ、RNAはふとしたきっかけでDNAという新たな段階へ進むことができたのでしょう
:DNAってなんだ?:
DNAは二重らせん、つまり鎖がふたつあって、それがはしごによって繋がれた形をしていますが、その1本1本はRNAと同じような形をしています。部品もRNAとほぼいっしょ
・アデニン[ C5,H5,N5 ]
・グアニン[ C5,H5,N5,O ]
・シトシン[ C4,H5,N3,O ]
・チミン [ C5,H6,N2,O2 ]
※ C=炭素:H=水素:N=窒素:O=酸素
ウラシルの代わりに、炭素がひとつ、水素がふたつ増えたチミンくんが構成材料になっているだけです。それらがいい感じに合体してはしごをつくり、それがねじれて二重らせん構造となったものです。さて、DNAを聞いてイメージするあの画像。そのらせんのドコに上記4つの塩基があるでしょう?
じつははしごに位置する場所に上記4塩基が存在します。はしごの右はんぶんと左はんぶんを別の塩基が担当してるのですが、実はどういう組み合わせかってのもしっかり決まってます。
・アデニン-チミン
・シトシン-グアニン
で、両端はそれらを組み合わせておくための格子として『五炭糖(炭素5つが合体した単糖)』と『リン酸』が担っています
なんでそんな構造してるのか? っと問われたら厳密に答えられないけど、地球の環境変化、それらを乗り越えて身近にあった材料などを考えるとこの形がいちばんそれっぽく説明できるってのが現状です
原初がどうだったのか? というのは生物に限らず、すべてのジャンルで『今の状態から昔を考察するしかない』のですよ
:DNAってなにしてんの?:
しつこく書きますが、DNAは『生命の設計図』です。これ自体はただの地図でしかありません。しかも、これ正確に書くと生命じゃなくて『アミノ酸の設計図』だったりします
DNA自体が生命の部品をつくるワケじゃありません。身体の部品の材料をつくるのは大工さん――つまりRNAになります。どういうこっちゃ?
DNAは細胞の中心にある『核』にありますね。通常、DNAくんはとあるたんぱく質に巻き付いて「イヤだ! ゼッタイコピーさせたくない!」言うて引きこもってるんですが、たまーに緩くなってフリーな状態の場所があるんです
そこに、DNAのコピーをするための物質がくっつきます。するとDNAはらせん状態を解除され、はしごも分断され1本鎖の状態にさせられます。そこにコピー用の部品がいろいろくっついて、最終的にDNAの情報をコピーした1本の鎖、つまりRNAが誕生するのです
この過程をいちから説明すると文字数がアレなので、くわしくは『セントラルドグマ』でググってみてください。なんなら今後紹介するのでコメントいただければ早めに投稿しますわよ
完成したRNAは、さらに『ほんとうに必要となる情報』だけを取捨選択し核の外へ脱出。そのRNAをもとに、やっとこさ色々な部品 = アミノ酸が作られていきます。なかなかややこしい道のりですねぇ
でもまあ、生命がそういう選択をしたのだからしゃーない。アナタが生物のテストでうんうん唸るハメになるのはだいたい地球のせいです
生命の神秘は地球の神秘と深く結びついています。もし、わたしたちの他に生命が存在する星があるのであれば、それはその星独自の進化を遂げ、独自の生命体であるでしょう。なにもDNAやRNAでやりくりしてる必要はありません
もしかしたら、わたしたちより効率的なエネルギー生産方法をもつ生命体や、金属主体の生命体、なんならトランスフォーマー的な生物? もいるかもしれません。生命の起源を頭に入れておくと、アナタならではのオリジナル惑星だったりファンタジーな設定を生み出す手助けになるかもしれませんね
なお、DNAは生命の設計図と書きましたが、実際生命の設計図になる部分はたったの2%程度です。これについても後々紹介できればと思いますが、今回はここまでにしておきましょう
ここで紹介したアレコレが、アナタの人生をより豊かにしたり、創作物に新たな風を吹き込む要素になれたのなら幸いです
二重らせん構造をしてて、そこからいろんな情報を読み取ってわたしたちの身体すべてができあがります。文字通りすべてです。わたしたちの細胞の中心にいるDNA。こんな小さな存在でアナタという身体が作られてると思うとめっさ不思議じゃないですか? ――それには地球誕生の歴史から現代まで壮大なストーリーがあったんですよ
遠い昔、地球はまっかっかなマグマ燃え盛る大地でした
海なんてものはひとつもなかったの。そこに大量の隕石がこんにちはしてきて、生命に必要となる水素、酸素、炭素、窒素などの元素が注入。数億年かけて"原初の海"が誕生しました
アナタがイメージするような海じゃないです。強酸性なので海水浴しようものなら身体は焼けただれてイッてしまわれるし、塩分も金属もたっぷりなので生命の"せ"の字すらないような世界。そっからどうやって生物が誕生するんだ? って話だよね~
まあ、いろいろあったんだよ。そのヘンの話は本題と逸れるので端折っちゃうとして、とりあえず『海が蒸発して雨になって、雨といっしょに地上のイロイロな物が海に流れ込んでうまい反応をして現在の海になってきた』とざっくりご理解ください
今回のテーマは「DNAってなんだ?」的な話を、生命誕生のストーリーを通して書いていこうと思います
:生命はRNAから始まった説:
原初の生命はどうやって誕生したか? ――それは多くの説が議論されていますが、そのなかでも有力とされる説に『RNAワールド仮説』ってのがあります
ん? DNAじゃなくてRNAとな? なんじゃそれは? って感じだよね
DNAばかり有名ですが、わたしたちの身体をつくる根底はこのRNAです
・RNA = リボ核酸[ Ribonucleic acid ]
こやつらは『アデニン・シトシン・グアニン・チミン』というよっつの"塩基"から成り、その組み合わせによっていろいろな『アミノ酸』を作り出します
元素はなんでもかんでも合体できるワケじゃありません。ジグソーパズルのように、特定の形をしたもの同士じゃないとくっつくことはできず、しかも、場合によっちゃせっかく合体したものを他のブツによって分解させられたりします。鉄が錆びるのは、鉄に酸素がくっついて酸化鉄ができるからってのは学校で習いましたよね?
じゃあ塩基ってなんぞや? これは生物選考とかじゃないと詳しく勉強しないよね。まあ難しくないから今のうちに知っときましょう
たとえば『水』ってあるじゃん? あれは元素というか分子を書くと[H2O]になるでしょ? じゃあそれをいちいち「あ、ちょっとコップにえいちつーおー注いで持ってきてくれる?」なんてイッてたら会話が長くなるしめんどくさい。ってことで、生物界では"ある一定の組み合わせをした元素の塊"を『基(Base)』と呼んでいます
たとえば「水素と炭素と酸素がこう合わさった形の――」っていちいち説明するのめんどくさいから『Ch3Co- = アセチル基(Ac)』と呼ばれています
わたしはやったことないのですが、巷で有名なゲームに[ Fate ]シリーズってのがあるでしょ? あれに塩基じゃなくて"霊基"なる単語があるじゃん? あれ多分こういう基を霊力的な何かに置き換えて表現した創作なんだと思いますいや知らんからなんとも言えんけどね
閑話休題。まあとにかく、基ってのはそういうモノです。で、塩基ってのは基の中でも以下のような性質をもちます
・水素イオンを受け取る
・電子対を与える
これらの性質があるので、水素を共有(水素結合)することで塩基同士が合体することができます。RNAの場合以下の4つの塩基によって構成されています
・アデニン[ C5,H5,N5 ]
・グアニン[ C5,H5,N5,O ]
・シトシン[ C4,H5,N3,O ]
・ウラシル[ C4,H4,N2,O2 ]
※ C=炭素:H=水素:N=窒素:O=酸素
わりと似たもの同士がくっついてるのね。DNAが二重らせん構造であるのに対し、RNAは一本鎖でデザインされています
この形が生命の原初です。生命っていうかぁ……ぶひん? 実際、これをもとにアミノ酸が作られて、それが合体してみんな大好きたんぱく質になって、それらがさらに合体密集して動物の身体になっていくのだけど……ちょっとまって
なんかDNA登場してなくない? いつになったらDNAさん出てくるの? ――ってことに書きながら気づきました。このままだと文字数がアレなのでスピードアップして、次は地球で生命が誕生する歴史を書いていこうと思います
:地球に生命なんていなかった:
RNAワールド仮説などを元にいろいろ考えた結果、学者たちは「原初の生命は"間欠泉"の地下で始まったんじゃね?」という結果にたどり着きました。温泉とかにあるアレね。そこに大量にあった鉱物が水と反応して、生命になるために必要な部品が誕生していくの
間欠泉にたくさん水が溜まって、そこにある鉱物(ウラン)と反応を起こした結果、アミノ酸や塩基などいろんな生命の材料(生命構成単位)が合成されます。それがそれが間欠泉のブシャー! によって地表に追い出されて、潮の満ち引きで酸素と合体して、また間欠泉の中に流れ込む無限ループを繰り返した結果、さらに複雑な分子に合体していく。その果てに生まれたのが先程紹介したRNAです
ただし、こいつらは酸素にとっても反応しやすいです。鉄がサビるように、RNAをはじめとした分子たちはすーぐ酸素と反応してぶっこわれちゃうの。だから酸化しないよう護ってくれる存在が必要なんだけど――だれかたすけて!
脂肪酸「呼んだ?」
いたよ救世主が。脂肪酸はわたしたちの細胞の周囲にある膜ですね。こやつがいるお陰で細胞という単位があります
ってことで分子の合体がどんどんすすみ、RNAくんは間欠泉のなかで誕生してた酵素っぽい、つまり分子が合体するのを助けてくれるっぽい仲間たちを自身の身体に合体させてった結果、なんと自己複製機能をもつ『リボザイム』に進化したではありませんか!
B連打でキャンセルできませんのでご了承ください。今のポケモンもBボタンで進化キャンセルできるの? まあいいや
RNAさんはめでたく自己複製機能を手に入れました。じゃあ、それが酸から身を守ってくれる脂肪に包まれたらどうなるか? ――はい、そりゃあもう増殖しまくりんぐです
ってことで、地球誕生からだいたい5億年後に、原初生命というか、まあその部品というか土壌というかそんなのが揃ったわけです
:なんでDNAになったの?:
DNAとは『生命の設計図』です。ここに生物に関するすべての情報が記載されています
RNAが一本鎖であるのに対し、DNAは二重らせん構造をしています。これは小学生のときから散々教科書や図鑑などで見せられたでしょう。日本語にすると『デオキシリボ核酸( Deoxyribonucleic acid )』。英語だとめっさなげーのな
RNAが登場して自己増殖できるようになってから、しばらくはずぅーっとRNAが天下とってました。が、こいつにはちょっとした弱点があったのです
RNAは一本鎖であるためとっても反応しやすい存在でした。ちょっとだれかとくっついたらすぐ反応しちゃってぶっ壊れたり別のナニカになっちゃったりとまあやられたい放題。つまり存在そのものがヒジョーに弱いってことになります
対してDNAは強固な二重らせん構造。そうすることで安定性が増し、自らの状態を"メッチャ絡まった状態"にできる一方、条件により"ゆるーくなった状態"にして反応しやすい状況にコントロールすることができるようになりました
こうすることで、自らの情報を自由自在に「ちょっとこの部品作っといてくれる?」と大工さんたちにリクエストできるようになりました。だからこそ、わたしたちは細胞に『身体の全部品の設計図が組み込まれている設計図』を持っているにも関わらず、手には手の部品、足は足、ツメはツメ、骨、内蔵、それぞれあるべき場所にあるべき部品が存在しているのです
なんでRNAからDNAになったのか? ――地球ってのは数億年の間に何度も環境が変化してってね、せっかく生まれたRNAたちなんだけど、自然界にある放射線とか大陸の地殻変動とかまだまだ毒性が強かった海水など、まあイロイロあってRNAくんにとってはキビシイ世界だったんです
キビシイ環境の変化に生き残った子たちは、やがて太陽のエネルギーを利用したり、周囲の環境とうまく共存する方法を編み出したりとまあ工夫しまくっていったんです。そういった試練を乗り越えた子たちが「アカン、どんどん環境がキビしくなっとる……せや! ワイらがもっと頑丈な設計図をもてばええにゃ!」っと思ったかどうか知りませんが、ある時RNAが革命を迎えることになります
不安定だったRNAは、自然原子炉がより安定した構造の形成を促します。つまり電離放射線がRNAをイジメまくって、より安定したDNAに進化するよう促したんですね
もともと、RNAは脆くて変化しやすい性質をもっていたのですが、それは変化に富み進化や突然変異を引き起こしやすいと書き換えることもできます。あっちこっちでRNAを脅かすというかイジメてくるような環境があったからこそ、RNAはふとしたきっかけでDNAという新たな段階へ進むことができたのでしょう
:DNAってなんだ?:
DNAは二重らせん、つまり鎖がふたつあって、それがはしごによって繋がれた形をしていますが、その1本1本はRNAと同じような形をしています。部品もRNAとほぼいっしょ
・アデニン[ C5,H5,N5 ]
・グアニン[ C5,H5,N5,O ]
・シトシン[ C4,H5,N3,O ]
・チミン [ C5,H6,N2,O2 ]
※ C=炭素:H=水素:N=窒素:O=酸素
ウラシルの代わりに、炭素がひとつ、水素がふたつ増えたチミンくんが構成材料になっているだけです。それらがいい感じに合体してはしごをつくり、それがねじれて二重らせん構造となったものです。さて、DNAを聞いてイメージするあの画像。そのらせんのドコに上記4つの塩基があるでしょう?
じつははしごに位置する場所に上記4塩基が存在します。はしごの右はんぶんと左はんぶんを別の塩基が担当してるのですが、実はどういう組み合わせかってのもしっかり決まってます。
・アデニン-チミン
・シトシン-グアニン
で、両端はそれらを組み合わせておくための格子として『五炭糖(炭素5つが合体した単糖)』と『リン酸』が担っています
なんでそんな構造してるのか? っと問われたら厳密に答えられないけど、地球の環境変化、それらを乗り越えて身近にあった材料などを考えるとこの形がいちばんそれっぽく説明できるってのが現状です
原初がどうだったのか? というのは生物に限らず、すべてのジャンルで『今の状態から昔を考察するしかない』のですよ
:DNAってなにしてんの?:
しつこく書きますが、DNAは『生命の設計図』です。これ自体はただの地図でしかありません。しかも、これ正確に書くと生命じゃなくて『アミノ酸の設計図』だったりします
DNA自体が生命の部品をつくるワケじゃありません。身体の部品の材料をつくるのは大工さん――つまりRNAになります。どういうこっちゃ?
DNAは細胞の中心にある『核』にありますね。通常、DNAくんはとあるたんぱく質に巻き付いて「イヤだ! ゼッタイコピーさせたくない!」言うて引きこもってるんですが、たまーに緩くなってフリーな状態の場所があるんです
そこに、DNAのコピーをするための物質がくっつきます。するとDNAはらせん状態を解除され、はしごも分断され1本鎖の状態にさせられます。そこにコピー用の部品がいろいろくっついて、最終的にDNAの情報をコピーした1本の鎖、つまりRNAが誕生するのです
この過程をいちから説明すると文字数がアレなので、くわしくは『セントラルドグマ』でググってみてください。なんなら今後紹介するのでコメントいただければ早めに投稿しますわよ
完成したRNAは、さらに『ほんとうに必要となる情報』だけを取捨選択し核の外へ脱出。そのRNAをもとに、やっとこさ色々な部品 = アミノ酸が作られていきます。なかなかややこしい道のりですねぇ
でもまあ、生命がそういう選択をしたのだからしゃーない。アナタが生物のテストでうんうん唸るハメになるのはだいたい地球のせいです
生命の神秘は地球の神秘と深く結びついています。もし、わたしたちの他に生命が存在する星があるのであれば、それはその星独自の進化を遂げ、独自の生命体であるでしょう。なにもDNAやRNAでやりくりしてる必要はありません
もしかしたら、わたしたちより効率的なエネルギー生産方法をもつ生命体や、金属主体の生命体、なんならトランスフォーマー的な生物? もいるかもしれません。生命の起源を頭に入れておくと、アナタならではのオリジナル惑星だったりファンタジーな設定を生み出す手助けになるかもしれませんね
なお、DNAは生命の設計図と書きましたが、実際生命の設計図になる部分はたったの2%程度です。これについても後々紹介できればと思いますが、今回はここまでにしておきましょう
ここで紹介したアレコレが、アナタの人生をより豊かにしたり、創作物に新たな風を吹き込む要素になれたのなら幸いです