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作者: 杉山英零
【第一話】8時半、色々パニック
とある日曜日。呑気にテレビを見ていた俺は…。
 朝起きると、時計は8時15分を指していた。随分寝坊してしまったな、と思う。ただ、朝から有意義に時間を過ごす訳では無い。ただパソコンを起動し、電子掲示板に変な書き込みをし、レスバトルし、大学のある日に買いだめしておいたレトルト食品で昼を調達。午後からはまたレスバトルし、夕食もレトルト食品。

 とくに外出はしない男だった。外に出ても、やることが全く見当たらない。その上、人がたくさんいて謎の恐怖感に包まれる。そればかりか、外出先で同級生と出会い、目が合うとすごい恥ずかしい。だから、大学の講義がある毎週水曜日以外は、家に籠もっていた。

 …彼女いない歴イコール年齢。そんな大学4回生の俺は、テレビでいい感じの番組がないか探していた。日曜の朝8時25分。起床してから僅か10分。既に朝食はとってある。こんな時間に、俺の好みの番組なんてやっていない。ニュースか変なドキュメンタリー番組しかやっていないものである。つまらねえな、と思いながら、チャンネルを変える。1ch、2ch、3ch、4ch…

「これはなんだ?」

見つけたのは、とあるアニメ。なになに、魔法か。特段面白いわけでは無いんだろうな。そのアニメは、丁度オープニングテーマが流れ出したところだった。俺は、この他に面白そうな番組がなかったので、このアニメを見ることにした。これは…第何話だ。ちょっと分からない。ただ、聞き慣れないタイトルとオープニングテーマ。俺は、この番組は今年始まったものだと予測した。そして、その曲もサビに差し掛かった。エレキギターの音が響く。丁度その時だった。テレビの画面が少し明るくなった。そればかりか、何かが出てきた。帽子か…?いや、角だろうか…。…帽子だ。その次には、髪の毛と思しきものが見えた。

「おいおいおいおい、これは一体何だよぉ。俺、知らねえぞ。こんな演出なのか?最近アニメを見ずに漫画ばかり読んでいたり、ネットサーフィンばかりしまくっていたりしたから分からないなぁ。やっぱり、1000年代(※:1000年〜1999年)最後の年のアニメはすごい。すごすぎる。」

俺は感心していた。そうして、その出てきたものの全貌が明らかとなった人間だ。少女だ。結構可愛い。俺のタイプだ。ついつい興奮してしまったた俺がいた。

「うう…。なっ、何が起こったんだろう…ってココドコーーーーーッ!ここは魔法界ではなさそうだわ!きっとここは『ニンゲンカイ』だわ。…で、これは『ヒラガナ』だ!つまりここは、『ニンゲンカイ』の『イルボン』という国なのね。…ヤッタァ!魔法が成功したんだ!ヤッタァ!ニンゲンカイだ!」

その娘は、パニック状態(?)に陥っていた。俺は彼女に声を掛ける。

「あ、どうも。俺は、白国圭介(しらくにけいすけ)と言います。よろしくお願いします。ところで君はなぜテレビから…?」

「ええっ、私、テレビから出てきたの?あの『禁じられた魔法』を使って、ニンゲンカイへ行き、テレビから出てくることができたのね!やっぱり秘密の練習の成果があらわれたんだ!!」

話がそんなに噛み合わない。

「『禁じられた魔法』?『秘密の練習』?あなたは一体…。」

「ああ、わからないのね。そりゃあそうだわ。私はね、ヨルンデ=エースパイアというの。魔法界に住んでいた、それなりに裕福な魔法少女。私、魔法少女と自称してるのよ。」

「ええっ、君、魔法少女なんですか?」

「ええ、そうよ。あと、『ケイゴ』で話すのはやめてね。ヨルンデって読んでちょ。」

「ああ、分かった、ヨルンデ。ところで君は何で『ニンゲンカイ』へ来ようと思ったの?」

「親がすごいキレたのよ。私、至って普通の学校、この世界で言うと『コートーガッコー』だね、それに通っているの。そこでテストが行われたんだけど、そのテストの成績がそんなに良くなかったの。ちゃんと勉強せず、ニンゲンカイに憧れを抱いて、ニンゲンカイについて調べまくった罰が当たったのね。それで、親は『魔法携帯マフォーン』を取り上げたの。マフォーンが無いと、ニンゲンカイについて調べられない。だから、もうニンゲンカイへ行ってしまおうということになったの。私は、独自に本を取り寄せ、ニンゲンカイに行くための魔法を習得した。」

「じゃあ、何でよりによって俺の家に…」

「それは気まぐれなのよ。どこに行けるかは分からない。中国や韓国、アメリカなどに行っていた可能性も高いし、『キタチョウセン』というミサイルを発射しまくるあのお国に行っていたかもしれない。」

「ああ、つまり、俺の家にやってきたのは本当に奇跡と言えるのか。」

「そうだね。」

「だが、すまないね。魔法界へ帰ってくれないか。俺は今、決して裕福ではない。」

「帰れと言われれば帰りたいよ。けどね、私『禁じられた魔法』を使ってしまったから、およそ4ヶ月くらい魔法が使えないの。要するに…」

「魔法界へ帰れない。じゃあ、どうするんだよ。魔法が使えなければ、魔法界へ戻れない。ただ、戸籍が無いから、地球の人間として働くことも難しい。」
【あとがき】
利用規約の改訂により実現しませんでしたが、可能だったら韓国語で執筆したかったですね、はい。
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