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過去の言い伝え……前編
泪はグレイフェズとメーメルと話をしながら再確認をしていたが……。
 ここは宿屋の私とメーメルの部屋。
 
 私は椅子に座りグレイとメーメルと話をしていた。
 
「再確認をする。……と、その前に……。ルイ、言い忘れてたが。プレートをみられるとまずい。異空間に収納しておいた方がいいだろう」
 
「そうなんだね。だけど、なんでみられると駄目なの?」
 
「それは、お前のプレートのステータスなどの表記が違うのと……身元がバレないようにだ」
 
 それを聞き私は「なるほど」と納得する。
 
「そういう事かぁ。でも、どう違うの?」
 
 そう私が聞くとグレイは、自分のプレートをバッグから取り出す。そして、そのプレートを私は受け取る。
 
 そこには……。
 
 
 ★名前:グレイフェズ・サイアル ★年齢:21 ★職業:騎士
 
 ★LV:95 ★HP:800000 ★MP:8000
 
 ★攻撃力:150000 ★防御力:300000 ★魔法攻撃力:75000 ★○○……――――
 
 
 と記載されていた。
 
「これって、特殊能力とTPターゲットポイントの表示がない!?」
 
「ああ、これでこの世界の者かどうか判断できる」
 
「ほう、それは初めて聞いた。そんな方法で判断ができたのじゃな」
 
 そう言いながらメーメルは、プレートを食い入るようにみている。
 
「そういう事なら、グレイの言う通り異空間に仕舞っておいた方がいいね」
 
 私は左手首の腕輪の魔石に右手を添えた。すると、光を放ち魔法陣が展開されていく。その後、宙にヒビが入る。
 
 それを確認するとバッグからプレートを取り出し異空間の中に入れた。
 
「なるほど、その腕輪がないと異空間に収納できない訳か」
 
「そうみたいじゃな」
 
 グレイとメーメルはそう言いながら、私が異空間にプレートを入れ終わるまでジーっとみている。
 
「そんなに珍しいの?」
 
「いや、その腕輪はただのアクセサリーじゃなかったんだな……と思ってみてた」
 
「うむ。妾は……その腕輪がないと異空間に収納できぬのか、不便じゃなぁ……と思ってみておった」
 
 それを聞き私は首を傾げた。
 
「もしかしてこの世界の人って……こんな便利な能力を、みんな持ってるの?」
 
「みんな……恐らくそうだと思うが、断言できない」
 
「そうじゃなぁ、確かに断言できぬが。妾は以前、聞いたことがある。婆やが言っておった。遥か昔に、この世界に訪れた異世界の者が残していった能力だと」
 
 そう言うとメーメルは、窓の方に視線を向けどこか遠くをみつめている。
 
「それって、異世界の聖女なのか?」
 
「グレイ、それは違う。聖女とは言っていなかった。確か……勇者、英雄と言っておったかのう」
 
 それを聞き私は目を輝かせた。この世界に召喚された人たちの中に勇者、英雄と言われる者もいたからだ。
 
「勇者、英雄? それはどういう事だ! 俺は聞いたことがない」
 
「ふむ、まさか知らぬとはな。聖女のことは、知っておるようじゃが」
 
「ああ、だが……なぜ聖女のことしか言い伝えられてない。そもそも、そのことをなぜ魔族が知っている?」
 
 そう問われメーメルは、深い溜息をついた。
 
「何度も繰り返すのじゃな……人間は……。同じ過ちを……」
 
「メーメル。何が言いたい? その様子じゃ、何か知ってるみたいだな」
 
「そうじゃな……言っても良いが。知りたいことじゃないかも知れぬ、が」
 
 そう言いながらメーメルは私とグレイを順にみる。
 
「ああ、今はどんな情報でも欲しい」
 
 グレイは身を乗り出し、メーメルの肩を揺さぶった。
 
「う……まぁそう焦るでない。そうじゃなぁ、そこまで言うのであれば語るかのう」
 
 その後メーメルは、そのことについて語り始める。そして私とグレイは、その話に耳を傾けたのだった。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

『暑い……ね』by泪
『そうだな……魔法を使うにも属性がなぁ』byグレイフェズ
『属性って、一つしかないの?』by泪
『ああ、覚えられるのは一つだ』byグレイ
『そっかぁ。って、グレイは炎かぁ』by泪
『だが、無属性の補助系は覚えられる』byグレイフェズ
『じゃあ、私は氷属性にする!』by泪
『んー、異世界の者に関しては違うかもな』byグレイフェズ
『えー、ヤダ!自分で調べる〜』by泪
『そうしてくれると助かる』byグレイフェズ
『(ㆆ_ㆆ)ジトー……』by泪

と、いう事で次話もよろしくお願いします(*^▽^*)
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