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過去の言い伝え……後編
泪とグレイフェズとメーメルは勇者のことについて話をしていたが……。
「そういう事か。……まさか、そんな勇者にまつわる過去が。だが、俺がその勇者の立場だったら同じことをしたかもな」
 
 グレイは真剣な面持ちで考え込んでいる。
 
「そうだね。だけど今の話だと、その勇者と聖女二人がその後どうなったか分からないんだよね?」
 
「うむ、そうじゃな」
 
「だが、なんで魔族がこんなことを知っている?」
 
 そうグレイが問うとメーメルは、遠くをみるように目を細め口を開く。
 
「なぜか……。それはのう。その件を知り魔族の王は、探したのじゃ」
 
「探した……なぜだ。もしかしてその能力、欲しさにか?」
 
「欲しさに……それも、あったのかもしれぬ。しかし魔族の王は、悔いていたらしい。もっと何か方法が、他にあったのではないのかと……」
 
 それを聞き私は不思議に思った。
 
「何で魔王がそう思ったの? 私の知ってる魔王のイメージと、なんか違う気がする」
 
「なるほどのう。どういうイメージを抱いているかは知らぬが。強い能力を持つ者にしか分からぬ苦悩。それを魔族の王は知っておったということじゃ」
 
「強き能力を持つ者。もし勇者の能力を恐れた者たちが現れたとしたら」
 
 それを聞いたメーメルは、コクリと頷く。
 
「グレイ、その通りじゃ。勇者は魔族のように討伐……駆除対象になるじゃろう」
 
「そんな……ことって、いくらなんでも、あり得ないんじゃ?」
 
 信じられなかった。私は、そんなことがあって欲しくない……そう思う。
 
「いや、あり得ないことはない。自分たちの脅威になる者を排除したいと考えるのが、普通だろうからな」
 
 私は悲しくなった。確かにグレイの言う通りだと思う。だけど、本当ならその勇者だってそんなことしたくなかったはずだ。
 
 そう思っていたら涙がでてきた。
 
「ルイ、泣いてるのか?」
 
「だって、そうだったとしたら……その勇者、可哀そうすぎるよ。グスン……」
 
「そうじゃな。魔族の王はその後、勇者の安否が気になり配下の者たちに探させたらしい。でも、みつからなかったようじゃ」
 
 メーメルは悲しい表情になる。
 
「じゃ、死んだか生きてるか……元の世界に帰ったのかも分からないのか」
 
「そういう事じゃ。まぁ、どこかにはそのことを知る者がいるかもじゃがな」
 
「だが、断言できないんだよな」
 
 そう言うとグレイは、キッとメーメルをみた。
 
「断言できぬ。しかし、知る者がいないとも言えぬ」
 
「グスン……そうだね。旅してれば、どこかで……」
 
 私がそう言うと二人は、コクリと頷く。
 
「そうだな。希望がない訳じゃない。それに俺が知りたいことも、何か分かるかもしれない」
 
「うん、私が知りたいこともね」
 
「そうなるのう。妾は、色々な場所に行ければよい」
 
 そう言いメーメルは、ニコリと笑みを浮かべた。
 
 グレイは私を不安な表情でみている。
 
 この時グレイがなんでこんな表情をしていたのか……私は、それほど気にしていなかった。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

『俺が、俺が……。ルイ、お前に何かあったら……俺が、絶対に守る!!』…byグレイフェズ
『グレイ、ルイはおらぬようじゃが。一人で、何を言っているのかのう』…byメーメル
『……!? メーメル、いつからそこに……それに、どこから聞いていた?』…byグレイフェズ
『うむ、全部じゃ。しかし、なぜハッキリ言わぬ? 本人の前で言えば良いと思うがのう』…byメーメル
『そ、それは……(///ω///)ボッ!! ……﹏(❤︎﹏❤︎꒷꒦⎞﹏』…byグレイフェズ

と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
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