▼詳細検索を開く
個々の思い
泪はメーメルと依頼人の泊まる宿屋に来ていた。そしてその後、二人は……。

その頃、清美とサクリスはバールドア城の地下にある用水路を壁づたいに歩きながら……。
 ここは商店街にある宿屋。そして商人の泊まる部屋である。
 
 私とメーメルは、依頼人に娘さんを引き渡した。その後その部屋のテーブルを挟み私とメーメルは、依頼人の真向かいのソファーに座っている。
 
 そして事情を話すと私とメーメルは、部屋をあとにし宿屋から商店街に出た。
 
「これで、依頼の方は大丈夫だね。あとは、グレイの居場所を探すだけ……」
 
 私はそう言いながら辺りをキョロキョロする。
 
「うむ、でもどこに居るか分からぬ。ただ草原と書いてあるだけじゃ」
 
「そうだね。だけど……」
 
 そう思い遠くをみつめた。
 
「……転移すれば可能じゃ。しかし、闇雲に探してものう」
 
「転移、できるの?」
 
「できる。できるのじゃが……」
 
 メーメルは明らかに嫌な顔をしている。
 
「できるなら……ここに居るより」
 
「そうなのじゃが……本来の姿にならないと駄目なのじゃ」
 
「それって、魔族の姿?」
 
 そう問うとメーメルは、コクリと頷き私を見据えた。
 
「ここで魔族になる訳にもいかぬ」
 
「そうだね。でも、どこか目立たない所なら大丈夫なんじゃ?」
 
「そうじゃな。でも、間に合うかじゃ」
 
 そう言われ私は、確かに闇雲に転移しながら探したとしても間に合わないと思う。
 
「だけど……それでも……」
 
 そう思うも諦めきれない。
 
「うーむ。仕方ない、やってみるかのう」
 
 メーメルは観念しそう言うと、ニヤリと笑みを浮かべる。
 
「メーメル、ありがとう」
 
 感謝しそう言い私は頭を下げた。
 
 その後、私とメーメルはこの場から離れる。
 
 
 グレイ、大丈夫だよね? 私が行って何ができるか分からない。だけど……傍に居たいの。
 こんな気持ちになったのは初めて。これって、なんなんだろう。凄く胸が苦しいよ。
 
 
 私はそう思いながら、メーメルと駆けずり回り目立たない場所を探し歩いた。
 
 
 
 ――場所は変わり、バールドア城の地下にある用水路――
 
 
 清美とサクリスは、慎重に先へ先へと進む。
 
 曲がり角の壁に寄りかかりながらサクリスは、警備が居ないかを確認する。
 
「今なら大丈夫、行こう」
 
 そう言われ清美は、サクリスの後ろで「うん」と小声で言った。
 
 その後、二人は周囲を警戒しながら左に曲がり更に先へと進み歩く。
 
 サクリスは曲がり角がある場所で静止する。
 
 誰も居ないことをサクリスは確認した。その後、清美に「こい」と促す。そして曲がらずに、目の前の橋を渡り先に進む。
 
(ここまで、なんとかみつからずにこれたけど……大丈夫かな。本当に……泪の所に、無事に辿り着けるの?
 ううん、今はそんなことを考えている場合じゃない。辿り着けるのじゃなくて、辿り着かないとね)
 
 そう思いながら清美は、サクリスのあとを追った。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

『ねぇ、そういえば。メーメルの本来の姿ってどんな感じなの?』…by泪
『どんなと言われても……今は話したくないのじゃ』…byメーメル
『メーメル様の本当の姿ですか? それはもう……かわい……(゜o´(┗┐ヽ(><)ノ……』…byムドル
『ムドル、何を言っておるのじゃ?』…byメーメル
『Σ(°д°ノ)ノ……メ、メーメル。って、ムドルさん大丈夫かな?』…by泪
『⊂⌒~⊃。Д。)⊃ピクピク……』…byムドル

と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
Twitter