残酷な描写あり
第14回 絶望を知る 希望を悟る:6-1
「セディは寝てるの?」
ジョイドが鼻先に舞い降りてきた。
「あ、小屋は俺が持ってんのか。渡しとけばよかったね」
「火除けはどうした?」
「借りられなかった。というか、貸したってどうせ間に合わないだろって」
「……雨乞いをできるようになっとくべきだなあ」
ついそう言ったものの、雨を呼んで火を消してしまえば、別の方法で殺しに来ただけだろう。燃えているように見せかけながらこっそり防ぐ方がやはりよかったはずだ。ついでに、実は焦げ一つついていないことを朝になってから見せつけて、向こうの肝を冷やしてやれれば申し分なかったのだが。
「あの獅子に習えばよかったねえ」
「過激な冗談言うなあ。それよか、お姫さんをうまく起こして、小屋の方で寝させてくれよ。朝まで寝床になっちゃいられん」
はいはい、とそちらへ回りかけて、ふとジョイドは足を止めた。
「無事でよかったよ」
「おうよ」
大袈裟だなどと茶化すことなく、トシュはそうとだけ応じた。
ジョイドが鼻先に舞い降りてきた。
「あ、小屋は俺が持ってんのか。渡しとけばよかったね」
「火除けはどうした?」
「借りられなかった。というか、貸したってどうせ間に合わないだろって」
「……雨乞いをできるようになっとくべきだなあ」
ついそう言ったものの、雨を呼んで火を消してしまえば、別の方法で殺しに来ただけだろう。燃えているように見せかけながらこっそり防ぐ方がやはりよかったはずだ。ついでに、実は焦げ一つついていないことを朝になってから見せつけて、向こうの肝を冷やしてやれれば申し分なかったのだが。
「あの獅子に習えばよかったねえ」
「過激な冗談言うなあ。それよか、お姫さんをうまく起こして、小屋の方で寝させてくれよ。朝まで寝床になっちゃいられん」
はいはい、とそちらへ回りかけて、ふとジョイドは足を止めた。
「無事でよかったよ」
「おうよ」
大袈裟だなどと茶化すことなく、トシュはそうとだけ応じた。