#4
『ヒーローに、ならなきゃ。』
愛里のお見舞いに行った後、快は夕方からのバイトの準備をするためなるべく急いで帰宅した。
すると玄関を開けた瞬間に美宇が涙目で駆け込んで来る。
「はぁよかった、本当に心配だったんだから……!」
抱きついて来ようとする姉を鬱陶しく感じ突っぱねると快はそのまま自室に入りバイトの準備に入った。
そして時間になったためバイトに向かおうとするとまた姉に声を掛けられる。
「あ、今日バイトだっけ……?」
やはり心配そうな顔をしている美宇。
「バイト先そんな遠くないから大丈夫だって」
「でも心配が過ぎるよ、今日くらい休めない?」
「前も罪獣騒ぎで抜け出しちゃったからさ、これ以上穴開ける訳にはいかないんだって……」
「やっぱ罪獣怖がってるじゃん、快も心配なんでしょ……⁈」
快が心配しているのは身の安全よりもヒーローになれないかもしれないという事だ。
咄嗟に吐いた嘘がこのように裏目に出てしまうとは思わなかった。
「俺もいつまでも子供じゃないんだ、自分の事くらい自分で責任取れるよ!!」
そう強く言ってしまい家を飛び出した。
とにかく姉に従いたくなかったのだ。
後悔と姉への鬱陶しさが同じくらい押し寄せ複雑な感情のままバイトへ向かう。
「(責任か……)」
愛里の見舞いでは全く責任など取れなかった。
自分がまだまだ一人では立てない未熟者であるという事を実感してしまい辛かったのだ。
☆
家を飛び出したため割と早めに出勤が出来た。
余裕を持って準備をし仕事を黙々と進める。
「…………」
共にバイトをしている先輩と純希はそんな快を心配そうに見ていた。
「アイツいつにも増して暗いな……」
「あんな事件ありましたからねぇ」
まるで他人事のような言い方をする純希に先輩は違和感を覚える。
「お前も巻き込まれたじゃん、大丈夫なのか?」
「大した怪我も無かったですし寝てる暇あるなら母ちゃんのために働くってのが俺にとって一番のメンタルケアですから」
笑顔を見せた純希はそのまま快の方へ歩み寄り仕事を手伝おうとした。
「ほら、一緒にやろうぜ」
快が器具を床に落としてしまったのを拾って手を差し伸べる。
「別にいいけど……」
その手を取らずに快は一人で立ち上がり純希が手伝う事は了承した。
「はは、バイト来れてよかったよ」
チキンの処理をしながら純希は少しでも場を明るくしようと声をかける。
「姉に逆らいたかった、心配ばっかするからさ……」
それでも快は暗いまま答えた。
「俺はヒーローになりたいのにそのチャンスすら奪われたらどうしようもないだろ……?」
美宇が心配ばかりして外出をするのにも制限をかける事に苛立っていると話す。
「でもお姉さんだって心配してくれてんだろ?」
「俺はもう子供じゃない、自分の事くらい自分で出来るのに……」
そう言って反論する快だが純希は今の快の仕事ぶりを見て言い返す。
「自分の事は自分で出来る?でも今お前仕事ゆっくりだしミスも目立つぞ?」
そう言って快の作りかけのチキンを指差してミスを指摘する。
「時間かかりすぎだし形も崩れてる。あんま強がるのはやめた方がいいぜ?」
割と真剣に指摘された事に余計に気が滅入る。
「ごめん……」
「別に謝る事じゃねぇ、あんま気負いすぎんなって事。出来る事から始めていきゃ良い」
優しさからそう言ってくれる純希。
しかしその発言は死ぬ間際の英美のものと似ていたため少し複雑な心境になる。
「出来る事か……」
あのとき快がヒーローを出来る事にしたいと言ったら英美はこう言った。
『今はリク君のヒーローになってあげて』
しかし快を突き動かしたものは恐怖。
その後ゼノメサイアに変身しても上手くやれていない。
英美は自分に夢を託してくれたらしいがとてもそれが成せているとは思えなかった。
「俺に出来る事なんてないよ、色々任されたり託されたりしたけど結局全部ダメになる……」
しかしそれに対して純希は反論をした。
「だから気負い過ぎんなって言ったろ?何でもすぐに出来なきゃいけないって訳じゃないんだから」
その言葉に一瞬悪い思考が止まる。
「え……?」
思わず聞き返すともっと詳しく語ってくれた。
「お前出来る事ってプロ並みに出来る事って意味じゃねーぞ?」
優しい笑顔を見せてしっかりと教えてくれる。
「下手くそでも良いから兎に角やれって意味さ。少しずつ繰り返して上手くなってけば良いんだよ」
その言葉を聞いて英美の言う"出来る事"という言葉の意味が分かった気がする。
「もちろん最終的に能力差とかは出ちまうけどな?それまでは出来る立場の事は何でもやってけって事、その中で本当に自分が得意な事を見つけていけば良い」
自分の経験をそこで話してみる。
「俺だってレスキュー隊なるための勉強してるけど最初は分かんない事だらけで本当になれるのかって心配になったくらいだし、お前も良い所は見つけられるぜ?」
そして純希は快の揚げたチキンを指差して言った。
「お前のチキン、形は不細工だけど派手に失敗する事は無いからそこを強みにしていけよ」
快の肩に軽くパンチをした。
「……あぁ、そうなのかもな」
やっと少しだけ分かった気がする。
「分かったらさっさと残りの仕事も片付けちまうぞ!」
急かすように言って純希は仕事に戻った。
それに着いて行くように快も仕事を続けるのだった。
「(やっぱり純希は愛される器の人だ……)」
☆
一方その頃とある街中では。
人間態のルシフェルが汚い路地裏にいた。
先日のTWELVEから受けた傷が癒えたためまた街でひと暴れしようとしている。
「この間は不意を突かれただけだ、最初から準備してりゃ負ける事はねぇ……!」
そう言いながら視線を移すと椅子に縛り付けられた男性が一人。
今度は愛里や純希のように簡易的ではなくしっかりと縄を準備してキツく縛り上げている。
「ひっ、ひぃぃ……」
そして男性の声など聞かずにルシフェルは彼の胸に手を当てる。
「なんせ俺は大天使様だからなぁ!!!」
するとルシフェルの身体は輝き出し男性の身体に入り込んでいった。
「あががががっ……ヒヒィッ」
ルシフェルに"憑依"された男性の意識は閉ざされ不敵な笑みを浮かべる。
「俺は俺の夢を叶えるぜ……っ!!」
そして心から罪の闇を溢れさせ身に纏う。
巨大化し先日と同じような異形の存在となった。
「グガァァァァッ!!!!」
雄叫びが街中に響く。
再び人々の心は恐怖に落とされるのであった。
☆
Connect ONE本部ではルシフェルの出現を探知し警報が鳴った。
「ルシフェル再度出現!」
オペレーターである蘭子の声で実動部隊TWELVEの隊員たちが司令室に集合した。
そこにいる新生長官の前に整列する。
「みんな、今回は前のような奇襲は望めない。正面から戦う事になるが覚悟はいい?」
優しくも強い目をして新生は問う。
その問いにTWELVE隊員たちはすぐに答えた。
「やっと分かったんすもん、俺に出来る事はコレだって」
ニカっと笑う竜司。
「自分の存在意義のために僕たちは戦います」
そして震えながらも言い切る陽。
「うむ」
名倉隊長も頷いた。
「やるしかないじゃん」
蘭子も腕を組みながら少し偉そうに言う。
「ならば君たちの存在意義を示してくるんだ。TWELVE、出動!!」
「「「了解っ!!!」」」
元気よく返事をするTWELVE。
しかしその様子を見ていた一般の職員たちは彼らが司令室を出て行く際に捨て台詞を残した。
「自分じゃなくて人々を守るために戦えよ……」
その言葉はハッキリと陽の耳に入る。
「っ……」
思わず立ち止まってしまうが竜司が励ました。
「大丈夫、少しずつ見せつけて行けばいいだろ?いつかアイツらを黙らせてやろうぜ」
「う、うん……!」
そして彼らは各々の機体のコックピットに乗り込むのだった。
☆
ここは兵器格納庫、作業員たちが出撃の準備をしている。
「ウィング・クロウ、コックピット装填完了」
「ライド・スネーク、コックピット装填完了」
「タンク・タイタン、コックピット装填完了」
機体に乗り込んだ隊員たちはそれぞれ覚悟を決めている。
「ふぅ」
新しい棒キャンディの包みを開けて口に含む竜司。
「……」
名倉隊長は腕を組み無言で構えている。
そして弱気な陽はと言うと。
「行くよアモン……へへへっ」
眼鏡を取りポケットから取り出したサングラスを代わりに掛ける。
すると目付きが変わり性格が豹変した。
「俺の出番かぁ!」
不敵な笑みを浮かべた陽は出撃したくてウズウズしていた。
すると作業は次の工程へ。
「ライフ・シュトロームへのドッキングを開始します」
その声と共にパイロットの着用している隊服の背中にある突起に機械が接続された。
その途端パイロット達は苦しみ出す。
「ぅぐぐぐっ⁈」
「まだ……慣れんなっ」
「へへっ、この痛みだぁ……!」
それぞれ痛みに対して反応を見せる。
そしてドッキングが完了すると機体に緑色の光るラインが表れ起動する。
「固定ギミック解除」
「カタパルトへの移動を開始」
三機は移動し同じ地点に集まる。
すると頭上には蘭子の乗る母艦、キャリー・マザーが待ち構えていた。
「三機、キャリー・マザーへの接続完了」
「ハッチオープン、全システムオールグリーン」
完全に出撃する準備が完了した。
改めて新生が無線で語りかけて来る。
「では、出撃」
その声と共に三機を乗せたキャリー・マザーが勢いよく出撃した。
ルシフェルの待つ街へ一気に向かって飛び立つ。
ここから決戦が始まるのだった。
つづく
すると玄関を開けた瞬間に美宇が涙目で駆け込んで来る。
「はぁよかった、本当に心配だったんだから……!」
抱きついて来ようとする姉を鬱陶しく感じ突っぱねると快はそのまま自室に入りバイトの準備に入った。
そして時間になったためバイトに向かおうとするとまた姉に声を掛けられる。
「あ、今日バイトだっけ……?」
やはり心配そうな顔をしている美宇。
「バイト先そんな遠くないから大丈夫だって」
「でも心配が過ぎるよ、今日くらい休めない?」
「前も罪獣騒ぎで抜け出しちゃったからさ、これ以上穴開ける訳にはいかないんだって……」
「やっぱ罪獣怖がってるじゃん、快も心配なんでしょ……⁈」
快が心配しているのは身の安全よりもヒーローになれないかもしれないという事だ。
咄嗟に吐いた嘘がこのように裏目に出てしまうとは思わなかった。
「俺もいつまでも子供じゃないんだ、自分の事くらい自分で責任取れるよ!!」
そう強く言ってしまい家を飛び出した。
とにかく姉に従いたくなかったのだ。
後悔と姉への鬱陶しさが同じくらい押し寄せ複雑な感情のままバイトへ向かう。
「(責任か……)」
愛里の見舞いでは全く責任など取れなかった。
自分がまだまだ一人では立てない未熟者であるという事を実感してしまい辛かったのだ。
☆
家を飛び出したため割と早めに出勤が出来た。
余裕を持って準備をし仕事を黙々と進める。
「…………」
共にバイトをしている先輩と純希はそんな快を心配そうに見ていた。
「アイツいつにも増して暗いな……」
「あんな事件ありましたからねぇ」
まるで他人事のような言い方をする純希に先輩は違和感を覚える。
「お前も巻き込まれたじゃん、大丈夫なのか?」
「大した怪我も無かったですし寝てる暇あるなら母ちゃんのために働くってのが俺にとって一番のメンタルケアですから」
笑顔を見せた純希はそのまま快の方へ歩み寄り仕事を手伝おうとした。
「ほら、一緒にやろうぜ」
快が器具を床に落としてしまったのを拾って手を差し伸べる。
「別にいいけど……」
その手を取らずに快は一人で立ち上がり純希が手伝う事は了承した。
「はは、バイト来れてよかったよ」
チキンの処理をしながら純希は少しでも場を明るくしようと声をかける。
「姉に逆らいたかった、心配ばっかするからさ……」
それでも快は暗いまま答えた。
「俺はヒーローになりたいのにそのチャンスすら奪われたらどうしようもないだろ……?」
美宇が心配ばかりして外出をするのにも制限をかける事に苛立っていると話す。
「でもお姉さんだって心配してくれてんだろ?」
「俺はもう子供じゃない、自分の事くらい自分で出来るのに……」
そう言って反論する快だが純希は今の快の仕事ぶりを見て言い返す。
「自分の事は自分で出来る?でも今お前仕事ゆっくりだしミスも目立つぞ?」
そう言って快の作りかけのチキンを指差してミスを指摘する。
「時間かかりすぎだし形も崩れてる。あんま強がるのはやめた方がいいぜ?」
割と真剣に指摘された事に余計に気が滅入る。
「ごめん……」
「別に謝る事じゃねぇ、あんま気負いすぎんなって事。出来る事から始めていきゃ良い」
優しさからそう言ってくれる純希。
しかしその発言は死ぬ間際の英美のものと似ていたため少し複雑な心境になる。
「出来る事か……」
あのとき快がヒーローを出来る事にしたいと言ったら英美はこう言った。
『今はリク君のヒーローになってあげて』
しかし快を突き動かしたものは恐怖。
その後ゼノメサイアに変身しても上手くやれていない。
英美は自分に夢を託してくれたらしいがとてもそれが成せているとは思えなかった。
「俺に出来る事なんてないよ、色々任されたり託されたりしたけど結局全部ダメになる……」
しかしそれに対して純希は反論をした。
「だから気負い過ぎんなって言ったろ?何でもすぐに出来なきゃいけないって訳じゃないんだから」
その言葉に一瞬悪い思考が止まる。
「え……?」
思わず聞き返すともっと詳しく語ってくれた。
「お前出来る事ってプロ並みに出来る事って意味じゃねーぞ?」
優しい笑顔を見せてしっかりと教えてくれる。
「下手くそでも良いから兎に角やれって意味さ。少しずつ繰り返して上手くなってけば良いんだよ」
その言葉を聞いて英美の言う"出来る事"という言葉の意味が分かった気がする。
「もちろん最終的に能力差とかは出ちまうけどな?それまでは出来る立場の事は何でもやってけって事、その中で本当に自分が得意な事を見つけていけば良い」
自分の経験をそこで話してみる。
「俺だってレスキュー隊なるための勉強してるけど最初は分かんない事だらけで本当になれるのかって心配になったくらいだし、お前も良い所は見つけられるぜ?」
そして純希は快の揚げたチキンを指差して言った。
「お前のチキン、形は不細工だけど派手に失敗する事は無いからそこを強みにしていけよ」
快の肩に軽くパンチをした。
「……あぁ、そうなのかもな」
やっと少しだけ分かった気がする。
「分かったらさっさと残りの仕事も片付けちまうぞ!」
急かすように言って純希は仕事に戻った。
それに着いて行くように快も仕事を続けるのだった。
「(やっぱり純希は愛される器の人だ……)」
☆
一方その頃とある街中では。
人間態のルシフェルが汚い路地裏にいた。
先日のTWELVEから受けた傷が癒えたためまた街でひと暴れしようとしている。
「この間は不意を突かれただけだ、最初から準備してりゃ負ける事はねぇ……!」
そう言いながら視線を移すと椅子に縛り付けられた男性が一人。
今度は愛里や純希のように簡易的ではなくしっかりと縄を準備してキツく縛り上げている。
「ひっ、ひぃぃ……」
そして男性の声など聞かずにルシフェルは彼の胸に手を当てる。
「なんせ俺は大天使様だからなぁ!!!」
するとルシフェルの身体は輝き出し男性の身体に入り込んでいった。
「あががががっ……ヒヒィッ」
ルシフェルに"憑依"された男性の意識は閉ざされ不敵な笑みを浮かべる。
「俺は俺の夢を叶えるぜ……っ!!」
そして心から罪の闇を溢れさせ身に纏う。
巨大化し先日と同じような異形の存在となった。
「グガァァァァッ!!!!」
雄叫びが街中に響く。
再び人々の心は恐怖に落とされるのであった。
☆
Connect ONE本部ではルシフェルの出現を探知し警報が鳴った。
「ルシフェル再度出現!」
オペレーターである蘭子の声で実動部隊TWELVEの隊員たちが司令室に集合した。
そこにいる新生長官の前に整列する。
「みんな、今回は前のような奇襲は望めない。正面から戦う事になるが覚悟はいい?」
優しくも強い目をして新生は問う。
その問いにTWELVE隊員たちはすぐに答えた。
「やっと分かったんすもん、俺に出来る事はコレだって」
ニカっと笑う竜司。
「自分の存在意義のために僕たちは戦います」
そして震えながらも言い切る陽。
「うむ」
名倉隊長も頷いた。
「やるしかないじゃん」
蘭子も腕を組みながら少し偉そうに言う。
「ならば君たちの存在意義を示してくるんだ。TWELVE、出動!!」
「「「了解っ!!!」」」
元気よく返事をするTWELVE。
しかしその様子を見ていた一般の職員たちは彼らが司令室を出て行く際に捨て台詞を残した。
「自分じゃなくて人々を守るために戦えよ……」
その言葉はハッキリと陽の耳に入る。
「っ……」
思わず立ち止まってしまうが竜司が励ました。
「大丈夫、少しずつ見せつけて行けばいいだろ?いつかアイツらを黙らせてやろうぜ」
「う、うん……!」
そして彼らは各々の機体のコックピットに乗り込むのだった。
☆
ここは兵器格納庫、作業員たちが出撃の準備をしている。
「ウィング・クロウ、コックピット装填完了」
「ライド・スネーク、コックピット装填完了」
「タンク・タイタン、コックピット装填完了」
機体に乗り込んだ隊員たちはそれぞれ覚悟を決めている。
「ふぅ」
新しい棒キャンディの包みを開けて口に含む竜司。
「……」
名倉隊長は腕を組み無言で構えている。
そして弱気な陽はと言うと。
「行くよアモン……へへへっ」
眼鏡を取りポケットから取り出したサングラスを代わりに掛ける。
すると目付きが変わり性格が豹変した。
「俺の出番かぁ!」
不敵な笑みを浮かべた陽は出撃したくてウズウズしていた。
すると作業は次の工程へ。
「ライフ・シュトロームへのドッキングを開始します」
その声と共にパイロットの着用している隊服の背中にある突起に機械が接続された。
その途端パイロット達は苦しみ出す。
「ぅぐぐぐっ⁈」
「まだ……慣れんなっ」
「へへっ、この痛みだぁ……!」
それぞれ痛みに対して反応を見せる。
そしてドッキングが完了すると機体に緑色の光るラインが表れ起動する。
「固定ギミック解除」
「カタパルトへの移動を開始」
三機は移動し同じ地点に集まる。
すると頭上には蘭子の乗る母艦、キャリー・マザーが待ち構えていた。
「三機、キャリー・マザーへの接続完了」
「ハッチオープン、全システムオールグリーン」
完全に出撃する準備が完了した。
改めて新生が無線で語りかけて来る。
「では、出撃」
その声と共に三機を乗せたキャリー・マザーが勢いよく出撃した。
ルシフェルの待つ街へ一気に向かって飛び立つ。
ここから決戦が始まるのだった。
つづく
つづきます。