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グリニッジ標準時4月3日21時(東京時間4月2日3時)
エウロパを出て6時間、ナイアガラ号はカイパーベルトに向けて進んでいた。この間ナイアガラ号は当直のクルーを除いて休養に入っていて、セシリアも緊急の場合でなければそのまま休むこととなった。
寝入りばなだったセシリアのいる艦長室の通信端末が鳴り、内容を確認して急いで正装を着て艦橋へ向かう。
「お休み中のところ申し訳ありません、緊急事態です」
「当直ご苦労様です、詳細を聞かせてください」
当直のクルーによると、付近で救難信号を検知したという。現在地はカイパーベルトの真ん中で、ここには系外惑星開拓時代の廃船もあり、救助活動のために船を止めるかどうか判断を仰ぎたいということだった。
「いつのものかはわかりませんし、海賊の典型的な罠の可能性もあります。艦内に警戒態勢を発令、艦を寄せず装載艇で乗りこんで調査をお願いします。船内での白兵戦に備えてスタンロットを携行してください。もし戦闘になっても跳弾の危険があるので銃はできるだけ使わないようにお願いします」
艦内に警報と命令を伝える放送がかかり、移乗部隊が宇宙服を着て格納庫の装載艇に集まった。
「休んでいるところを申し訳ありません、救難信号の調査のために集まっていただきました。現在当艦より50キロの距離に救難信号を発信している船を捕捉しました。海賊の罠の可能性もあるためここからは装載艇で移乗し調査をお願いします。私は付近に海賊船があった際の戦闘に備えて艦橋から指揮を執ります。周辺の警戒に今回は803戦術飛行隊も出てくれるそうです」
「我が803戦術飛行隊はナイアガラ号の旗下で行動します。貴艦の瑞雲Ⅱの周辺警戒に同伴し、不審な船が無いか偵察と、場合によっては制圧します」
セシリアの右隣にいたコリントが一歩前に出て向かい合わせに並んだナイアガラ号の移乗組のクルーに告げた。
「今回私が決定した際に彼らが志願してくれました」
かくして急造の調査隊はナイアガラ号を発進した。
エウロパを出て6時間、ナイアガラ号はカイパーベルトに向けて進んでいた。この間ナイアガラ号は当直のクルーを除いて休養に入っていて、セシリアも緊急の場合でなければそのまま休むこととなった。
寝入りばなだったセシリアのいる艦長室の通信端末が鳴り、内容を確認して急いで正装を着て艦橋へ向かう。
「お休み中のところ申し訳ありません、緊急事態です」
「当直ご苦労様です、詳細を聞かせてください」
当直のクルーによると、付近で救難信号を検知したという。現在地はカイパーベルトの真ん中で、ここには系外惑星開拓時代の廃船もあり、救助活動のために船を止めるかどうか判断を仰ぎたいということだった。
「いつのものかはわかりませんし、海賊の典型的な罠の可能性もあります。艦内に警戒態勢を発令、艦を寄せず装載艇で乗りこんで調査をお願いします。船内での白兵戦に備えてスタンロットを携行してください。もし戦闘になっても跳弾の危険があるので銃はできるだけ使わないようにお願いします」
艦内に警報と命令を伝える放送がかかり、移乗部隊が宇宙服を着て格納庫の装載艇に集まった。
「休んでいるところを申し訳ありません、救難信号の調査のために集まっていただきました。現在当艦より50キロの距離に救難信号を発信している船を捕捉しました。海賊の罠の可能性もあるためここからは装載艇で移乗し調査をお願いします。私は付近に海賊船があった際の戦闘に備えて艦橋から指揮を執ります。周辺の警戒に今回は803戦術飛行隊も出てくれるそうです」
「我が803戦術飛行隊はナイアガラ号の旗下で行動します。貴艦の瑞雲Ⅱの周辺警戒に同伴し、不審な船が無いか偵察と、場合によっては制圧します」
セシリアの右隣にいたコリントが一歩前に出て向かい合わせに並んだナイアガラ号の移乗組のクルーに告げた。
「今回私が決定した際に彼らが志願してくれました」
かくして急造の調査隊はナイアガラ号を発進した。