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美鈴、思いもよらない事を告げられます
リムは美鈴が寝ている休憩所へくると美鈴を起こしエリュードの症状について話をする。すると……。
 ここは、レインライムの街にある、ギルドで働く従業員のための休憩所。
 
 美鈴はベッドで気持ち良く眠っていた。
 
「ん〜。す、すみません! はい、大至急手配し直してきます……」
 
 いや、気持ち良さそうではなく。もとの世界での夢を見ていたようだ。
 
 だがこの様子だと、また何かとんでもない失敗をしたのだろう。
 
 まぁ、それはさておき。――
 
 
 リムは、美鈴が眠っている休憩所に入ってきた。中に入るなり、美鈴が眠るベッドのそばまでくる。
 
「ミスズさん。気持ち良さそうに? じゃないようですが。何か寝言を言ってますね」
 
 そう言いリムは、美鈴を起こそうとした。だが、寝言が気になり耳を傾ける。
 
 (なぜか、ひたすら謝っているみたいですが。何か、失敗したのでしょうか?)
 
 そう思いリムは、美鈴が今までどんな暮らしをしていたのか気になり始めた。
 
「このまま聞いてたいけど。さすがに、ずっとって訳にもいきませんし。ふぅ〜、起こしますかぁ」
 
 そう言うと眠っている美鈴の体を軽く揺さぶる。
 
「ミスズさん! 話したい事がありますので、起きてください」
 
 美鈴はリムに起こされ、「う、う〜ん」とうなりながら体と頭を左右に動かし背伸びをした。
 
 そして徐々に目を開ける。と同時に目の前のリムに視線を向けた。
 
「あれ? リムさん。ここはどこ?」
 
 そう言いながら美鈴は上体を起こす。
 
「ここは、ギルドで働く人たちの休憩所です。ミスズさんが、ゾラさんの看病をしながら眠ってしまったので。ここで寝て頂きました」
 
「そっかぁ。ありがとうございます。それで、目を覚ます前。なんか話したい事が、って聞こえた気がしたけど」
 
「はい。その事なんですが……」
 
 リムは真剣な表情になり、美鈴にエリュードの症状について説明し始める。
 
「なるほど。ゾラの症状は恋の病。それって、誰かの事が好きって事だよね。でも、いったい誰を?」
 
 そう言いうも美鈴は、なぜかガッカリした表情をみせる。
 
 だがリムは、そんな美鈴のちょっとしたしぐさも見逃さなかった。
 
「その前に、確認しておきたいと思います。ミスズさんはゾラさんをどう思われていますか?」
 
「えっ! ゾラの事をどうって。んー、そうだなぁ。気になるけど。ウチとゾラとでは、住む世界が違うし。それに……」
 
 美鈴は一瞬、ドキッとした。だが、すぐに表情を曇らせる。
 
 そうそれは、自分とエリュードの住んでいる世界が違うからである。それと、自分の事を好きになってくれる訳がないと思っていたからだ。
 
「住む世界が違うとは。種族の問題でしょうか? それとも身分の事ですか?」
 
「そうだね。種族が違うからもあるけど。そもそもウチの事なんか、好きになってくれる人がいるわけがないって思うから」
 
 美鈴はそう言い思い詰めた顔をする。
 
「そういう事ですか。ミスズさんは、単に自信がないという訳ですね。ですが、それ抜きでお答えください。好きか嫌いかを」
 
「リムさんが、なんでそんな事を聞くか分からないけど。そうだなぁ。どっちかといえば多分、好きなんだと思う」
 
 そう言ったと同時に、美鈴の顔がリンゴのように赤く染まった。
 
「なるほど。それならば、大丈夫かもしれません。ゾラさんの事でミスズさんに、お願いしたい事があるのですが」
 
「ウチに?」
 
 リムにそう言われ不思議に思い聞き返す。
 
「はい。ゾラさんが恋をしている相手なのですが。実はミスズさんらしいのです」
 
「えっ? エ、エエェェェ〜!? ちょっと待って。それって冗談だよね。まさか、そんな事って。いや、絶対あり得ない!」
 
 そう言い美鈴は、さらに顔を赤らめる。そして、恥ずかしくなってしまい顔を掛け布団に押し当てた。
 
「いえ、これは事実です。ですがゾラさん自身、その事について気づけないでいるらしく」
 
 リムは困ったような表情になる。
 
「それが、もし本当だとして。ウチがゾラのために何ができるの? かえって、こじれないか不安だけど」
 
「それは大丈夫かと。ただ、ミスズさん次第にはなると思いますが」
 
 不適な笑みをみせリムは、その方法を美鈴に話し始める。
 
 そしてその後リムと美鈴は、休憩所をあとにすると、エリュードがいる医務室へと向かったのだった。
 
 (本当に大丈夫なのかな? 思いっきり不安なんだけど)
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)

『大丈夫かな? リムさんの勘違いって事は……』by美鈴
『なんの事だ。それよりも、雰囲気が変わったようにみえるんだが?』byエリュード
『あっ! さっきリムさんが、髪型を変えてくれたんだ。どう?』by美鈴
『まぁ、いいんじゃねぇの』byエリュード
『ねぇ! みていないのに、分かるの?』by美鈴
『悪い。次回の楽しみが減る』byエリュード

――という夢を美鈴はみていた。

(ん〜もうエリュードのバカァ〜! ……ムニャムニャ(´-﹃-`)……) ――

と、いう事で……では次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
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