残酷な描写あり
第百八話「揺るぎない誓い」
任務 ロスト・ゼロ作戦の成功
遂行者 黒神大蛇、白神亜玲澄、エレイナ・ヴィーナス、武刀正義、カルマ、エイジ、ミスリア・セリウス、クロム・セリウス
……熱い。身体が溶けるように熱い。あの時を思い出してしまうな。2回目の死に際に飲まされたあの薬を。
あぁ、まずい。あの遊園地を思い出してしまう。濃い霧に包まれた遊園地が脳内で完成してしまう。自然と身体が麻痺してしまう。
こんな思いをして死ぬなんて真っ平御免なんだけどな。もうこればっかりは変えられないのだろうか。人間如きの俺じゃ変えようが無い固定概念のようなものなのだろうか。
……まだ剣血喝祭が始まってまだ2週間も経っていないが、どうやら俺はここまでみたいだ。後はクロムに任せるとしよう。
『……また壁にぶつかっちゃったんだね、おっ君』
……智優美さん。俺の身体はもう原形をとどめていないと思う。骨すらもカペラの爆裂魔法によって四散して、ハウステンボスごと焼き尽くされたんだ。助けようとしても、もうこの有様だから助からないぞ。
だから壁にぶつかったのではなく、行き止まりに着いてしまったんだ。
『……生きる事に行き止まりなんて無いと思うな。生きてるうちはずっと人生っていう道を歩いてるし、死んだ後だってこうして私みたいに後世を生きる君を見守ってるんだから。
だからね、今おっ君は私の所に来ちゃダメだよ。だってまだ死ぬまでの道をゴールしてないんだもん。私はおっ君に生きていてほしい。初めから決めつけられた運命なんかに負けてほしくない。だから、立って――』
……。
…………動かない。身体が動こうとしない。あぁそうだった、もう感覚が無いんだった。だから何度立てと言われても立てないんだ。運命に抗うための身体がもう無いんだ。
俺――黒神大蛇に残された道は諦めしか無い。誰も助けてくれないのだから当然か。
俺の人生はここで終わりか……
『――大蛇さん』
その時、闇よりも深い視界に一筋の光が差し込むと同時に聞き覚えのある声が聞こえた。その後、声の主は背後からゆっくりと……そしてしっかりと俺を抱きしめた。
『前にも言ったでしょう、私は何度だって貴方を生まれ変わらせるって』
あぁそうさ、君は言った。鮮明に覚えているとも。でもこの身体でどうやって……
『大丈夫、私に任せて。だって私は――』
――『星の魔女』の星神朱音。そして君が守ろうとしている恋人なんだから。
俺はその声を聞くことも無く、少女の魔法に原形無き身体を預けていた。
暗い視界が光に包まれる。駆け抜けるように視界が動き出す。光が四散した俺の身体を無数の線で繋いでは接続されていく。体温が戻っていく。感覚を取り戻していく。心臓の鼓動を感じる。そして目を覚ます。
「……俺はもう決心した。仲間を、人類を、君を守るために――」
――俺は死神にでもなってやる。生徒会をも恐怖に陥れる死神にな。
その誓いを刻むべく、俺は魔剣の柄を強く握っては立ち上がった。
遂行者 黒神大蛇、白神亜玲澄、エレイナ・ヴィーナス、武刀正義、カルマ、エイジ、ミスリア・セリウス、クロム・セリウス
……熱い。身体が溶けるように熱い。あの時を思い出してしまうな。2回目の死に際に飲まされたあの薬を。
あぁ、まずい。あの遊園地を思い出してしまう。濃い霧に包まれた遊園地が脳内で完成してしまう。自然と身体が麻痺してしまう。
こんな思いをして死ぬなんて真っ平御免なんだけどな。もうこればっかりは変えられないのだろうか。人間如きの俺じゃ変えようが無い固定概念のようなものなのだろうか。
……まだ剣血喝祭が始まってまだ2週間も経っていないが、どうやら俺はここまでみたいだ。後はクロムに任せるとしよう。
『……また壁にぶつかっちゃったんだね、おっ君』
……智優美さん。俺の身体はもう原形をとどめていないと思う。骨すらもカペラの爆裂魔法によって四散して、ハウステンボスごと焼き尽くされたんだ。助けようとしても、もうこの有様だから助からないぞ。
だから壁にぶつかったのではなく、行き止まりに着いてしまったんだ。
『……生きる事に行き止まりなんて無いと思うな。生きてるうちはずっと人生っていう道を歩いてるし、死んだ後だってこうして私みたいに後世を生きる君を見守ってるんだから。
だからね、今おっ君は私の所に来ちゃダメだよ。だってまだ死ぬまでの道をゴールしてないんだもん。私はおっ君に生きていてほしい。初めから決めつけられた運命なんかに負けてほしくない。だから、立って――』
……。
…………動かない。身体が動こうとしない。あぁそうだった、もう感覚が無いんだった。だから何度立てと言われても立てないんだ。運命に抗うための身体がもう無いんだ。
俺――黒神大蛇に残された道は諦めしか無い。誰も助けてくれないのだから当然か。
俺の人生はここで終わりか……
『――大蛇さん』
その時、闇よりも深い視界に一筋の光が差し込むと同時に聞き覚えのある声が聞こえた。その後、声の主は背後からゆっくりと……そしてしっかりと俺を抱きしめた。
『前にも言ったでしょう、私は何度だって貴方を生まれ変わらせるって』
あぁそうさ、君は言った。鮮明に覚えているとも。でもこの身体でどうやって……
『大丈夫、私に任せて。だって私は――』
――『星の魔女』の星神朱音。そして君が守ろうとしている恋人なんだから。
俺はその声を聞くことも無く、少女の魔法に原形無き身体を預けていた。
暗い視界が光に包まれる。駆け抜けるように視界が動き出す。光が四散した俺の身体を無数の線で繋いでは接続されていく。体温が戻っていく。感覚を取り戻していく。心臓の鼓動を感じる。そして目を覚ます。
「……俺はもう決心した。仲間を、人類を、君を守るために――」
――俺は死神にでもなってやる。生徒会をも恐怖に陥れる死神にな。
その誓いを刻むべく、俺は魔剣の柄を強く握っては立ち上がった。