入部条件
入部テストから二日後の放課後。全体練習が行われる中、伸哉は一人黙々とグランドを走っていた。
一応入部とは言え、まさか保留になるなんて……。
予想もしない自体に伸哉はため息を吐いた。
伸哉が一球目を投じた直後、薗部からは笑顔で合格を言い渡された。
彰久から三振を奪った実力を疑っていた部員も、伸哉の球をみるやいなや、その疑念は跡形も無く消え、伸哉の入部を認めていた。
しかし、一人だけ人が変わったかのように激怒し異議を唱えるものがいた。
それが、野球部の元エースであった大島幸長だった。
「落ち着け幸長! 監督が言ったんだ。合格だと」
彰久がなんとかなだめようとするも、幸長は一向に落ち着く様子を見せない。
「うるさいなアッキー! 彼はただ投球練習をしたまでじゃないか! 僕は彼が実践で抑えるまで納得しないからね!!」
幸長の怒りは激しさを増していく。これには薗部も困り果て、二十分間幸長と話し合った。
その結果、二週間後の練習試合で九イニングをゼロに、つまり完封すれば入部を認めると言う、無茶苦茶な条件で幸長は折れた。
「本当に申し訳ない。予定は決まって無いがこの辺での相手だから恐らく、佐倉高校か佐倉松陰、もしくは徳羽工業になると思う。君の実力なら十分に抑えられると思う。無責任な言葉で済まないが頑張ってくれ」
薗部は伸哉にそう声をかけていた。
一応入部とは言え、まさか保留になるなんて……。
予想もしない自体に伸哉はため息を吐いた。
伸哉が一球目を投じた直後、薗部からは笑顔で合格を言い渡された。
彰久から三振を奪った実力を疑っていた部員も、伸哉の球をみるやいなや、その疑念は跡形も無く消え、伸哉の入部を認めていた。
しかし、一人だけ人が変わったかのように激怒し異議を唱えるものがいた。
それが、野球部の元エースであった大島幸長だった。
「落ち着け幸長! 監督が言ったんだ。合格だと」
彰久がなんとかなだめようとするも、幸長は一向に落ち着く様子を見せない。
「うるさいなアッキー! 彼はただ投球練習をしたまでじゃないか! 僕は彼が実践で抑えるまで納得しないからね!!」
幸長の怒りは激しさを増していく。これには薗部も困り果て、二十分間幸長と話し合った。
その結果、二週間後の練習試合で九イニングをゼロに、つまり完封すれば入部を認めると言う、無茶苦茶な条件で幸長は折れた。
「本当に申し訳ない。予定は決まって無いがこの辺での相手だから恐らく、佐倉高校か佐倉松陰、もしくは徳羽工業になると思う。君の実力なら十分に抑えられると思う。無責任な言葉で済まないが頑張ってくれ」
薗部は伸哉にそう声をかけていた。