残酷な描写あり
R-15
部員が増えた
全ての授業が終わり、終礼の鐘と共に走って教室を出た。
向かう先はもちろん部室。
後ろからいちゃもんを付けてくるハウルの事は放っておき、全力ダッシュで学園を駆け抜けていく。
部室棟まで走り切り、部室の扉に手をかざす。
しかし、施錠をしている紋章が出現せず、レンは困り果ててしまう。
もしかしてと思い、ドアノブを引くと開くことに成功した。
そう、開錠していたのだった。
部室の扉を開け、中に入るとメリルとリコが椅子に座っていた。
「先生、早いですね!それにリコさんまでどうしたんですか?」
「うむ。リコから昨日の件でお礼がしたいと言ってきてな、今後の相談も兼ねて話をしていたのだよ」
「あの、昨日は助けていただき、ありがとうございます。何かお礼をしたいと思っているのですが、何が良いでしょうか?」
リコは深々とお辞儀し、レンは困ってしまう。
咄嗟の判断とはいえリコを巻き込んでしまっていた為である。
「お礼なんてそんな……。リコさんがいなかったら今頃骨になってただろうし」
「待て、リコが魔獣を倒したのか?」
「そう……ですが……?」
レンはリコが倒した事を告げると険しい顔をしたメリルがリコの方へ顔を向ける。
「リコ、なぜ早くに言わないんだ?私はてっきりレンが倒したのかと思っていたぞ?」
「いえ、魔道具を作っていただけなければ私は魔法を扱うことすら出来ないです。彼のお手柄です」
「魔道具を作った……!?レン、本当にできたのか!?」
「あ、はい……。木の棒と壊れた【爆裂】の魔道具の残骸と風の紋章を【結合】で引っ付けました。上手くいくかわからなかったので賭けでしたが……。あ、一回使ったら壊れてしまいました」
「ん……?レン、その魔道具の作り方は違うのではないか?」
メリルの指摘にレンは目をまん丸にして首を傾げる。
「魔道具は紋章を封じ込めるものではないのだよ。封じ込めるのはあくまで魔法そのもの。規模と効果が一定なのはそういうこと」
「あの、私が使った魔道具は恐らく紋章魔法と呼ばれているものかと……。魔道具に魔力を込めて『詠唱』を行ったので」
「あ、確かに紋章魔法です……!リコさんが使ったとき、とても大きい紋章が空中に浮かび上がったんです!威力も地面が抉れるほどの風魔法でした」
レンとリコの発言に頭を抱えるメリル。
しかし、すぐに考えることを辞め、レンの肩に手を乗せる。
「お前はもしかしたらポチおの知らない魔道具の作り方を編み出したのかもしれない。その作り方に関しては私が後でポチおに聴くとしよう。まあ、この事はもう良いだろう。本題だ」
レンとリコは次の話題に移る体制となる。
それを確認したメリルは一枚の紙をリコに渡す。
「レン、喜ぶといい。リコが部活に入部するのだ。これからは二人で切磋琢磨して盛り上げていってほしい」
「えっ!?……リコさん、いいの?」
「はい。良いですよ?他の部活動のヒトよりもあなたの方が信用できます」
「なんでそんなに硬いの……?」
「私はいつもこの調子だと思いますが……変でしょうか?」
「いや……!そのままでいいよ!うん。そのまま"が"いい」
「わかりました」
「お前たちは中々気が合いそうな感じだな。よし、今日は二人とも紋章魔法を使っていくところからしていこう。ポチおの書物からして、【結合】の魔法が使えないことには魔道具作りは出来ないそうだからな。レンは一昨日と同じように、武具の結合からやっていこう。リコは紋章魔法から特別講義をする。二人とも良いな?」
「「はい!」」
元気の良い返事が部室の外にも響くが、競技系の部活動の掛け声の前には押し負けてしまうのであった。
レンは一昨日と同じように【結合】魔法で短剣と短剣を結着していた。
そこで一つの発見をする。
床や地面、机などに物理的に描いた紋章は効力を失わない事である。
描いた部分に対し魔力を流し込むだけで再び活性化状態になる。
これは空中に描くよりも数倍楽に連続的に魔法が使えるという事。
もちろん使い続けると擦り切れたり、欠損したりして発動できなくなってしまうが、その時は新しく描いてあげるだけで良いため一先ず紙に描いていき、それを束ねて書物のようにする。
レンはそれを持ち、メリルの所へ持っていく。
「先生!こんなのはどうですか?」
「……?見てみようかね?」
レンは本のページを次々とめくっていき、思い立ったページで止める。
内容を見たレンは部室に置いてある掃除用の桶を用意し、手をかざす。
「『声明を司る水よ。我の渇きを癒す水を与えたまえ』」
詠唱を終え、魔力を込めると桶の中にコップ三杯分の水がバチャッと雑に入る。
「ほう!【飲水】の魔法か。本のようにして紋章魔法を扱うという発想は悪く無いな」
「でしょでしょ!机に書いた紋章が消えなかったし、何回でも使えたから良い手だと思ったんだ!これなら速さの問題も解決できるんじゃないかな?」
「残念ながら、上手くいかないものなのだよ。その手はポチおが既に試している。欠点としては紋章が小さい事から威力が控えめである事と生まれ持った魔法と対峙する時は速さと威力に雲泥の差があるんだよ。だが、普通に生活する分にはとても良いものと言えるから、レンの発想は正しい。よくやった」
欠点はあったものの、レンはポチおと同じ考えに行き着いていたという事を知り、嬉しそうにしていた。
すると、リコがレンの作った本を持ち、ページを捲っていく。
「あなたは他人の扱う紋章が分かるのですか?」
「え?魔法を発動する瞬間に出てくる紋章だよね?」
「……リコ。お前の疑問は正しい。レン、お前は魔法を発動する瞬間に紋章が見えるとはどういう事だ?」
「た、例えば先生が骨を直してくれた時に一瞬だけ『剣とハート』が重なった感じの紋章が浮かび上がってて……」
メリルは口に手を当てて眉間にシワを寄せる。
レンは何か間違って言ってしまったのか気になり、不安な表情となる。
メリルはそんなレンに気付き、表情を柔らかくして頭を撫でる。
「何も悪いことではないよ?ただ、レンの言っている事が本当なのだとすると、お前は【特殊技能】を持って生まれたという事になるんだ」
「……??」
メリルの言葉にレンは疑問符しか浮かび上がらないのであった。
向かう先はもちろん部室。
後ろからいちゃもんを付けてくるハウルの事は放っておき、全力ダッシュで学園を駆け抜けていく。
部室棟まで走り切り、部室の扉に手をかざす。
しかし、施錠をしている紋章が出現せず、レンは困り果ててしまう。
もしかしてと思い、ドアノブを引くと開くことに成功した。
そう、開錠していたのだった。
部室の扉を開け、中に入るとメリルとリコが椅子に座っていた。
「先生、早いですね!それにリコさんまでどうしたんですか?」
「うむ。リコから昨日の件でお礼がしたいと言ってきてな、今後の相談も兼ねて話をしていたのだよ」
「あの、昨日は助けていただき、ありがとうございます。何かお礼をしたいと思っているのですが、何が良いでしょうか?」
リコは深々とお辞儀し、レンは困ってしまう。
咄嗟の判断とはいえリコを巻き込んでしまっていた為である。
「お礼なんてそんな……。リコさんがいなかったら今頃骨になってただろうし」
「待て、リコが魔獣を倒したのか?」
「そう……ですが……?」
レンはリコが倒した事を告げると険しい顔をしたメリルがリコの方へ顔を向ける。
「リコ、なぜ早くに言わないんだ?私はてっきりレンが倒したのかと思っていたぞ?」
「いえ、魔道具を作っていただけなければ私は魔法を扱うことすら出来ないです。彼のお手柄です」
「魔道具を作った……!?レン、本当にできたのか!?」
「あ、はい……。木の棒と壊れた【爆裂】の魔道具の残骸と風の紋章を【結合】で引っ付けました。上手くいくかわからなかったので賭けでしたが……。あ、一回使ったら壊れてしまいました」
「ん……?レン、その魔道具の作り方は違うのではないか?」
メリルの指摘にレンは目をまん丸にして首を傾げる。
「魔道具は紋章を封じ込めるものではないのだよ。封じ込めるのはあくまで魔法そのもの。規模と効果が一定なのはそういうこと」
「あの、私が使った魔道具は恐らく紋章魔法と呼ばれているものかと……。魔道具に魔力を込めて『詠唱』を行ったので」
「あ、確かに紋章魔法です……!リコさんが使ったとき、とても大きい紋章が空中に浮かび上がったんです!威力も地面が抉れるほどの風魔法でした」
レンとリコの発言に頭を抱えるメリル。
しかし、すぐに考えることを辞め、レンの肩に手を乗せる。
「お前はもしかしたらポチおの知らない魔道具の作り方を編み出したのかもしれない。その作り方に関しては私が後でポチおに聴くとしよう。まあ、この事はもう良いだろう。本題だ」
レンとリコは次の話題に移る体制となる。
それを確認したメリルは一枚の紙をリコに渡す。
「レン、喜ぶといい。リコが部活に入部するのだ。これからは二人で切磋琢磨して盛り上げていってほしい」
「えっ!?……リコさん、いいの?」
「はい。良いですよ?他の部活動のヒトよりもあなたの方が信用できます」
「なんでそんなに硬いの……?」
「私はいつもこの調子だと思いますが……変でしょうか?」
「いや……!そのままでいいよ!うん。そのまま"が"いい」
「わかりました」
「お前たちは中々気が合いそうな感じだな。よし、今日は二人とも紋章魔法を使っていくところからしていこう。ポチおの書物からして、【結合】の魔法が使えないことには魔道具作りは出来ないそうだからな。レンは一昨日と同じように、武具の結合からやっていこう。リコは紋章魔法から特別講義をする。二人とも良いな?」
「「はい!」」
元気の良い返事が部室の外にも響くが、競技系の部活動の掛け声の前には押し負けてしまうのであった。
レンは一昨日と同じように【結合】魔法で短剣と短剣を結着していた。
そこで一つの発見をする。
床や地面、机などに物理的に描いた紋章は効力を失わない事である。
描いた部分に対し魔力を流し込むだけで再び活性化状態になる。
これは空中に描くよりも数倍楽に連続的に魔法が使えるという事。
もちろん使い続けると擦り切れたり、欠損したりして発動できなくなってしまうが、その時は新しく描いてあげるだけで良いため一先ず紙に描いていき、それを束ねて書物のようにする。
レンはそれを持ち、メリルの所へ持っていく。
「先生!こんなのはどうですか?」
「……?見てみようかね?」
レンは本のページを次々とめくっていき、思い立ったページで止める。
内容を見たレンは部室に置いてある掃除用の桶を用意し、手をかざす。
「『声明を司る水よ。我の渇きを癒す水を与えたまえ』」
詠唱を終え、魔力を込めると桶の中にコップ三杯分の水がバチャッと雑に入る。
「ほう!【飲水】の魔法か。本のようにして紋章魔法を扱うという発想は悪く無いな」
「でしょでしょ!机に書いた紋章が消えなかったし、何回でも使えたから良い手だと思ったんだ!これなら速さの問題も解決できるんじゃないかな?」
「残念ながら、上手くいかないものなのだよ。その手はポチおが既に試している。欠点としては紋章が小さい事から威力が控えめである事と生まれ持った魔法と対峙する時は速さと威力に雲泥の差があるんだよ。だが、普通に生活する分にはとても良いものと言えるから、レンの発想は正しい。よくやった」
欠点はあったものの、レンはポチおと同じ考えに行き着いていたという事を知り、嬉しそうにしていた。
すると、リコがレンの作った本を持ち、ページを捲っていく。
「あなたは他人の扱う紋章が分かるのですか?」
「え?魔法を発動する瞬間に出てくる紋章だよね?」
「……リコ。お前の疑問は正しい。レン、お前は魔法を発動する瞬間に紋章が見えるとはどういう事だ?」
「た、例えば先生が骨を直してくれた時に一瞬だけ『剣とハート』が重なった感じの紋章が浮かび上がってて……」
メリルは口に手を当てて眉間にシワを寄せる。
レンは何か間違って言ってしまったのか気になり、不安な表情となる。
メリルはそんなレンに気付き、表情を柔らかくして頭を撫でる。
「何も悪いことではないよ?ただ、レンの言っている事が本当なのだとすると、お前は【特殊技能】を持って生まれたという事になるんだ」
「……??」
メリルの言葉にレンは疑問符しか浮かび上がらないのであった。