残酷な描写あり
妖精郷
サイラムとサリオンに連れられ、扉の向こうに足を踏み入れるとそこは幽界だった。幽界は地上と天界、冥界の間にある世界であり、地上よりも変化が早く、遅い場所でもある。また、地上に存在するものの鏡面とも言える場所である。このためか地上では失われたものが幽界には存在しているということもある。たとえば、過日の戦役で失われた黒土国の王都が遠目に見えるように。
妖精郷はそんな幽界の中にあるのだ。
森が見えるところでは妖精たちが舞っている。赤、青、黄色、緑、白と様々な光を纏うその妖精たちはアイヴァンの目から見ても美しく感じられた。ただ、少しずつ妖精たちの姿が減っているようにも感じる。すでに妖精郷に足を踏み入れているというのに。
「過日のドワーフ領における戦役で、多くの怨みを抱いた魂が幽界を通り冥界へと旅立った」
「怨みから発せられる瘴気を恐れ、妖精たちは姿を隠し始めた」
「以前はもっと多くの妖精たちが舞い、時には幽界を出て地上へ遊びに行っていたものだったのだがな」
「ただ……、あの規模の戦いが繰り広げられた割にこちらに流れてきた瘴気は少なかった」
道中、サイラムとサリオンがアイヴァンに語る。
「それは……、冥王が吸収したと言っていました」
アイヴァンのサイラムとサリオンはなんとも言えない気分になる。瘴気が消えるのはいいことではあるが、冥王の力となることは歓迎できないからだ。
「そうか。詳しくことは妖精王さまに申し上げるように」
「ここが湖畔の城ラコス・カスタルムだ」
湖の水をそのまま結晶になったような水晶で造られた城がアイヴァンの目の前に現れ、アイヴァンに入れと言わんばかりに城門が開かれるのだった……。
妖精郷はそんな幽界の中にあるのだ。
森が見えるところでは妖精たちが舞っている。赤、青、黄色、緑、白と様々な光を纏うその妖精たちはアイヴァンの目から見ても美しく感じられた。ただ、少しずつ妖精たちの姿が減っているようにも感じる。すでに妖精郷に足を踏み入れているというのに。
「過日のドワーフ領における戦役で、多くの怨みを抱いた魂が幽界を通り冥界へと旅立った」
「怨みから発せられる瘴気を恐れ、妖精たちは姿を隠し始めた」
「以前はもっと多くの妖精たちが舞い、時には幽界を出て地上へ遊びに行っていたものだったのだがな」
「ただ……、あの規模の戦いが繰り広げられた割にこちらに流れてきた瘴気は少なかった」
道中、サイラムとサリオンがアイヴァンに語る。
「それは……、冥王が吸収したと言っていました」
アイヴァンのサイラムとサリオンはなんとも言えない気分になる。瘴気が消えるのはいいことではあるが、冥王の力となることは歓迎できないからだ。
「そうか。詳しくことは妖精王さまに申し上げるように」
「ここが湖畔の城ラコス・カスタルムだ」
湖の水をそのまま結晶になったような水晶で造られた城がアイヴァンの目の前に現れ、アイヴァンに入れと言わんばかりに城門が開かれるのだった……。
アイヴァンが妖精郷を訪れるエピソードは当初の予定になかったものです。
そのため、妖精王ニヴィアンと話をして、すぐ終わらせるつもりで書いていたのですが、帰郷する上で抑えるポイントを考えていたら、想定よりも長くなってしまいました。
このエピソードが終わったら、冥王さまが妖精郷にやって来る話とゼニスの修行について書いていこうと思っています。
次回も読んで頂けると嬉しいです!
そのため、妖精王ニヴィアンと話をして、すぐ終わらせるつもりで書いていたのですが、帰郷する上で抑えるポイントを考えていたら、想定よりも長くなってしまいました。
このエピソードが終わったら、冥王さまが妖精郷にやって来る話とゼニスの修行について書いていこうと思っています。
次回も読んで頂けると嬉しいです!