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作者: 犬物語
【初心者向け】筋トレの重要な基本概念とテクニック【筋肉】
きんにくをきたえたいかー!! ――ハッ!
 わたしたちは"動物"です

 です。じゃあどうやって動いてるかってと筋肉で関節を動かして動いてます

 わたしたちが動くには『筋肉』が必要です。歩く、走る、なにかを掴んだり投げたり、それだけでなく話すときには口やノドの筋肉を自在に操り、喜怒哀楽を表現するときは表情筋を使い、起きている間、わたしたちは筋肉を使ってありとあらゆる"うごき"をしていきます

 寝る時でさえ呼吸や心臓を動かすための筋肉が働いてるんだよ! ってことで、筋肉という存在はニンゲンに限らず、多くの動物にとってゼッタイ必須の組織となっております。でね、世の中には好事家というか、この筋肉という存在に魅力を感じる方がたくさんおりまして、その魅力を引き出そうとして筋肉をより大きく、より美しく見せていこうと奮闘する方々がいらっしゃるのです

 人々は彼らを『ボディビルダー』と呼びました

 全身ムッキムキのだるまボディー。顔周辺の筋肉さえ鍛えられているように見えて、筋肉を誇示する彼らの笑顔にはどこか狂気じみたモノさえ伺えます。本来は動く、時として相手を打ち負かすための筋肉を、彼らはただ『魅せる』ためだけに鍛えている。世の中のスポーツ競技において、これほど平和的なものはないでしょう

 だれも傷つかず、鍛え上げられた身体を披露しあい、観客は熱狂して涙を流す。スポーツですからたしかに『勝者』は必要でしょう。しかし、この場に真の意味での"敗者"は存在しません。言ってしまえば彼らすべてが勝者であり閑話休題

 ――いや、これ以上書くとずっと筋肉賛美の歌になりそうだったのでやめときます。まあニンゲンは筋肉ってのがあって、筋肉をトレーニングする文化があって、今までの研究で『どうすればより効果的に筋トレできるか?』的なことがわかってきてるんだよって話をしたかったのです

 ってことで、今回は筋トレをする前に知っておきたい! 知らなきゃソンをする! ってかコレ知っとくとメチャクチャ鍛えられるよ!! 的な『筋トレの原理原則』に関する話をしていきましょう





:ルーの3原則とトレーニングの3原理:

 筋トレの基本的な考え方は以下のみっつです

・筋肉は使えばより発達する
・運動し過ぎると筋肉は疲労する
・運動しないと筋肉は萎縮していく

 これは『ルーの3原則』という形で知られています。少しだけ解説すると、ドイツに『ヴィルヘルム・ルー』という生理学者がいたんです。彼は筋肉じゃなく生物学的に「細胞って"より使うモノ"のほうがたくさん分裂して作られていくよね」ってことに気づいて細胞とか胚方面で上記の節を説いたのですが、筋トレ界隈ではこの考え方が輸入されそのまま使われてる感じです

 まあ実際筋肉という組織は使えば鍛えられるし、使わなければ萎んでくし、ヤリ過ぎるとぶっ壊れるので上記原則は『筋トレをする人なら知ってて当たり前の基本ルール』となっております

 で、今では上記に加え以下のような3原理があります

・過負荷の原理 (Progressive overload)
  日常生活以上の負荷を与えることで
   筋肉を鍛えられる
・特異性の原理 (SAID)
  行った部位は鍛えられるが、それ以外の
   筋肉への効果は期待できない
  英語でのフルネームは
   Specific Adaptation to Imposed Demands
・可逆性の原理 (reversibility principle)
  トレーニングを中止すれば
   その筋肉は萎縮していく

 筋トレやってる方にとっちゃもはや常識だよね。けど世の中にゃ「楽して筋肉鍛えたぁ~い」とか言っちゃう人の多いこと多いこと。いちおうね、研究が進んでるおかげでそういうの・・・・・もあるっちゃあるけど、少なくとも現代の考え方では上記のように「鍛えなきゃ筋肉は萎んでっちゃうよ?」というふうになっております

 上記は筋トレどころかスポーツ、勉学、その他モロモロに通じる基礎中の基礎ですね。これらの基本を押さえたところで次の段階にいってみましょう





:5つの原則:

 筋力トレーニングには「筋肉を大きくしたい!」とか「スポーツに活かせる筋肉をつくりたい!」とか「健康増進のためやりたい!」など様々な理由がありますが、筋トレは筋肉に刺激を与えて「アカン、もっと強くならな!」とたんぱく質の合成を促すサインとなります。筋肉がどんどん合成してくれるのはいいのですが、たった1日でボディビルダーみたいになれるわけではないので、これから紹介する5つの原則を守って日常に取り込んでいきましょう

・継続の原則

 いわゆる『継続は力なり』。筋トレの刺激によって筋合成を促す言うて、じゃあ筋肉が1日でマッスルボディーまで合成してくれるワケないじゃん?

 ってことで、筋肉の代謝を促進するため継続的に筋トレしましょう。部位にもよりますが、筋肉は代謝によって180日ですべて入れ替わるようです

・漸進性の原則

 ちょっとずつ負荷や難易度を上げていきましょうねってことです。ダンベル5kg上げるのがやっとだって方にいきなり20kgやらせたらケガしちゃうからね

 おなじ筋トレをし続けてると筋肉がその刺激に慣れちゃって"刺激"にならなくなってしまいます。たまーに種目や手法を変えていい感じに刺激を与え続けていきましょう

・全面性の原則

 バランスよくトレーニングしようねという話。筋肉は鍛えない部位はまったく成長しません。おなじ腕立て伏せでもウデを広げたり狭めたりすると大胸筋の外側内側と細かく刺激を分けられるので工夫してみましょう

 筋トレは筋力のほか持久力、柔軟性、俊敏性など多くの要素を鍛えられるメニューが用意されています。ゆっくり、あるいは素早く筋トレするなどもバリエーションになりますよ!

・個別性の原則

 アナタに合ったトレーニングがあるということです。年齢性別、体質、それまでのスポーツ経験などによって得意不得意があります

 自分がナニが得意なのか、的な疑問は実際に試さないことにはわかりません。ってことで「とりあえずやってみよう」の意識でスタートして、その後以下に紹介する原則をもとに発展させていきましょう

・意識性の原則

 スポーツ、健康などどういった『目的』でトレーニングしてるのかを考えましょう。どの部位をどう鍛えてるのかも意識すれば最大限の効率を生むことができます

 トレーニング中、筋肉に力が加わってる実感を得ましょう(マインド・マッスル・コネクション)。メニューがどの筋肉を鍛える種目なのか、実際にその筋肉を刺激できてる実感があるかを意識できるようになれば、アナタもきっとステキなボデーを手に入れられるはず!!



 ――これらは筋肉界隈では常識ですが、一般の方々でもコレを意識しはじめたとたんにグンッ!!! と効果をアップさせることができます。グン、じゃなくてグンッ!!! ね

 アナタはどんな目的で筋トレをしますか? その目的のためどの部位を鍛えれば良いですか? その部位を鍛えるためのメニューはなんでしょう? そう考えていくと、自然にアナタ専用の筋トレメニューが完成します

 あとはもう『やるだけ』ですよええ――アナタの筋肉に幸あれ!!
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