残酷な描写あり
第47話 めまぐるしく
まず、悪竜はユジリア城内に落ちて広がった、
全体がどのようになっているのかを調べるように、
血管の一つ一つから情報を取り込んでいった。
次に、悪竜は心臓をどこにするかを探していた。
「つまらんな」
その声を訊き受けて、悪竜は石積みの隙間に染み込んで、
次々と反響するように広がっていった。
抵抗力があった、右に左に好奇心があって広がることを拒むようでもあった。
ガリガリガリガリガリガリガリガリ
ひとつひとつを穿つように石積みが音をたてる
「ねずみかな?」
兵士はあたりを警戒してまわるが、異常らしい異常は見当たらない、「気のせいか」
魔力が走る道をそこらじゅうに通してある石積みの城では、
ところどころに魔法の印がつけられ、この印に触れたり、すれ違えばそれとなく何者か侵入があったことを知れるものだが、
魔法使いでさえ見落とす、石積みの中のことである。
水路がはしり、通気口がはしり、それぞれがすべて悪竜の身体となる。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
すでに魔法は悪竜の身体にして、確かな力の一部となりつつある。「何かがおかしいぞ?」
魔法使いが気付いた時すでに遅し、
「警戒網が解かれている? 誰かの侵入があったのか」
「第二班、敵の侵入に備えろ! まずいぞ!」
魔導の力を炉に込めた巨大な魔導炉が都市全体の魔法力を循環させており、灯りから火までこれが賄っている。
「魔導炉は燃えている、安全な状態だが」
「なにかがおかしい、再点検をおこなう」
魔力が拡大している拡散している。
「炉に異常が! 急ぎ対策班につなげ!」
「これは一体何が!? 炉に何か近づいてるぞ!?」
悪竜の心臓がその血管を伸ばして、魔導炉に血脈を巡らせ始めた。 都市の心臓部自体が悪竜となるのだ。
「馬鹿な!?」
超大国ユジリアはその姿を徐々に変え始めて悪竜と成り代わりつつあった。
「止めなさい!命令よ!」
「止まるとまらぬという問題ではない、悪竜の子種を持ち込んだのが貴様らの運の尽きだ」
「なにをっ!?うっ」
牢獄はひび割れて崩れ落ちた。
トンベンマガスガトリクト四世がユジリアの都市を飲み込んで誕生した。
全体がどのようになっているのかを調べるように、
血管の一つ一つから情報を取り込んでいった。
次に、悪竜は心臓をどこにするかを探していた。
「つまらんな」
その声を訊き受けて、悪竜は石積みの隙間に染み込んで、
次々と反響するように広がっていった。
抵抗力があった、右に左に好奇心があって広がることを拒むようでもあった。
ガリガリガリガリガリガリガリガリ
ひとつひとつを穿つように石積みが音をたてる
「ねずみかな?」
兵士はあたりを警戒してまわるが、異常らしい異常は見当たらない、「気のせいか」
魔力が走る道をそこらじゅうに通してある石積みの城では、
ところどころに魔法の印がつけられ、この印に触れたり、すれ違えばそれとなく何者か侵入があったことを知れるものだが、
魔法使いでさえ見落とす、石積みの中のことである。
水路がはしり、通気口がはしり、それぞれがすべて悪竜の身体となる。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
すでに魔法は悪竜の身体にして、確かな力の一部となりつつある。「何かがおかしいぞ?」
魔法使いが気付いた時すでに遅し、
「警戒網が解かれている? 誰かの侵入があったのか」
「第二班、敵の侵入に備えろ! まずいぞ!」
魔導の力を炉に込めた巨大な魔導炉が都市全体の魔法力を循環させており、灯りから火までこれが賄っている。
「魔導炉は燃えている、安全な状態だが」
「なにかがおかしい、再点検をおこなう」
魔力が拡大している拡散している。
「炉に異常が! 急ぎ対策班につなげ!」
「これは一体何が!? 炉に何か近づいてるぞ!?」
悪竜の心臓がその血管を伸ばして、魔導炉に血脈を巡らせ始めた。 都市の心臓部自体が悪竜となるのだ。
「馬鹿な!?」
超大国ユジリアはその姿を徐々に変え始めて悪竜と成り代わりつつあった。
「止めなさい!命令よ!」
「止まるとまらぬという問題ではない、悪竜の子種を持ち込んだのが貴様らの運の尽きだ」
「なにをっ!?うっ」
牢獄はひび割れて崩れ落ちた。
トンベンマガスガトリクト四世がユジリアの都市を飲み込んで誕生した。