残酷な描写あり
第63話 北の大地ヘビュート
ユジリアより北の大地ヘビュート地方には、
謎の暗雲が立ち込め、すでに都市1つが闇に覆われ、
その実情や中に住む人の安否が分からぬ状態である。
暗黒の闇は深く、中に、悪魔や魔族など生きれるものが少ない環境で、闇の眷属のみが、支配する世界へと変わり始めていた。
「もともとは人が始めた争い、そこに我らを呼び出すから悪いのだ」
「まあ、暗黒に全てが成り代われば、その争いとやらも無くなるだろうがな」
魔族たちは闇の中にあっても生きれるように感覚が発達している。
それに引き替え人類は闇の中では、自らの安全さえ守ることが出来ない始末である。
そう考えればなにもかもが、暗黒に包まれてしまえば、自然と、この世は魔の統べる世界へと変わってしまうということになるか。
「そうであっても文士は変わらず記録を取ることになるのだがな」
やっとのおもいで辿りついた北の大地ヘビュート地方だ、我々は悪竜と私は、
「ここに根城を探さねばならない、闇を照らすのはわずかなランタンのみだ」
ランタンで灯りを取りながら、周りの道を確実に進むのは難しいが、
北の国の内情が徐々に照らされることによって、この世界自体がここに収束するのだと、物語のひとつも紡いでみたくなってきた。
「悪竜式はともかくとして、やってみるか式を」
大暗黒に包まれた世を統べるものは何者か、地上の全てを吸収して拡大する暗雲は、原初の光りを産み出すごときの勢いで回り続け、速度を上げていく、それを見ていたスウィヌアは一緒にこれとまわり続けて加速し、やがて、世界の基盤となる力を得て、新たに世界を作りだす、また一つ、また一つ世界を作りだして、百とした世界が、拡張していく未来を表わしている。 魔物という魔物が世界の中に取り込まれ、何度となく舞台を変えて踊り続けている時、スウィヌアもまた踊っている。繰り返し、繰り返し、何もかもを取り込んで出来た世界達の間を。
「うるさいな、何をそう忙しく言葉を無理から出してるのさ」
「こいつ人間か? 気のふれた奴だ、わけのわからないことを言って」
「同じようなのが何人かいたっけな、皆閉じこもってでてきやしないが」
「お前は誰だ何者だ?」
「わたしは一等文士だ」
「文士? ほうなるほど、あの文字書きどもの仲間か」
「まさかここに現れるとは、おどろいたよ、てっきりこもりきりかと」
「文字を書くのならもっと違う場所があるとは違うのか?」
「地に文を書く必要が闇の眷属には分からぬか、教えてやろうか?」
「おうおう魔族に教師がいるのかよ、かわった考えの持ち主だな」
「では地に文を書く理由とやら教えてもらおうじゃないか」
まず我々が、地の文とよぶものは、我々を取り囲んでるもろもろの事象の事を指す、
時に明快に時に曖昧に描かれたその文字列は、読者の興味に分かれ、
読まれる場所と読まれない場所が存在し、その狭間で、
つまるつまらないといった話にもなる。
だが物事を進行し出来事を記すのも地の文ならば、
すべての事象を過ぎるままに黙々と描くも当然であり、
今現在、魔族に取り囲まれた我を描けばその通りとなる。
「まあその通りになったわな、それで?おまえがヘンテコな文章を綴る理由は?」
この舞台からより高見に行けるようにと望む故に、
数多くのものの前に立ち、ここに現れたヘビュートの暗雲をより深め、
より大きなものとすることを約束するために、地の文を書くものなり、
「なるほど、お前は魔族の味方ということだな、はははっこれはいいや」
「お前と同じような文士は他にもいくらでもいたが、わざわざ歩いてここまで?」
「そんなもの変わりなやつはお前がはじめてだよ」
集え!集え!文士よ、此処に書き記すべきすべての事象が詰まっている。
魔族たちという魔族が集い、その眷属たちが物事を語らっている現状がある。
ここに、すべての意味がここに集結しつつある。
いまここに魔族たちが偉大なる一歩を歩みはじめた、自らの国を土地を欲する彼らの望みを大地は訊きいれた、ここをおさめるものはその道を譲った。
故に魔族の大地こそが文士にもっとも開かれた土地となることは至極当然である。
闇の中にこそ、文士の本領が存在している。集え集え文士よ!
ここがそなたたちの第二の故郷にして文民の防衛戦である、いかなる同盟も、いかなる連盟、連合であっても叶わぬ強固なる魔族の砦がここにある、何人も侵すことの出来ない、完全の城がここに建つだろう! 魔族の力をとくと描き、魔族に永遠の忠誠を誓うのだ! 集え集え文士たちよ!!
「おー何を始めるかと思えば、仲間を呼び出したぞこいつ」
「まあ勝手にやらせておくか、何を言ったところで全ての現象が暗闇の中さ」
「起こるべきことがなんなのかもわからないままでまあとりあえず出てくりゃいい」
「はっはっは、魔族の方々はそこで見られているがいい今にここが第一の国となる」
「そいつはご苦労なこって、だってさ」
「ハーハハハハッハアハッハハハハハハッハハハハハハハハハハ!!!!」
「ヘヘヘヘヘヒヒヒヒヒヒヒヘヘヘヘハハハハヒヒイイヒヒヒヒ!!!!」
「おかしな野郎だごきげんにいかれてるなら、なんとでもなれだとよ」
「まあ、わるかねえ、そのまま励め」
「はっ魔族の方々はごきげんうるわしゅう」
魔族の何人も一派も端くれも、ただ闇の中で潜むことに長けたものも、すべて救われる、ここより魔族がはじまるのだ!!
「いや、うるさくて、かなわぬ、ゆるさぬ、とりあえずそいつを捕えるのだ」
「文士どもと同じ牢にぶちこんでおきますか?」
「ああ、そのようにしろ、我は何人にも指図はされたくはないのでな」
「では、そのように」
魔族ここにあり、魔族ここにあり!
謎の暗雲が立ち込め、すでに都市1つが闇に覆われ、
その実情や中に住む人の安否が分からぬ状態である。
暗黒の闇は深く、中に、悪魔や魔族など生きれるものが少ない環境で、闇の眷属のみが、支配する世界へと変わり始めていた。
「もともとは人が始めた争い、そこに我らを呼び出すから悪いのだ」
「まあ、暗黒に全てが成り代われば、その争いとやらも無くなるだろうがな」
魔族たちは闇の中にあっても生きれるように感覚が発達している。
それに引き替え人類は闇の中では、自らの安全さえ守ることが出来ない始末である。
そう考えればなにもかもが、暗黒に包まれてしまえば、自然と、この世は魔の統べる世界へと変わってしまうということになるか。
「そうであっても文士は変わらず記録を取ることになるのだがな」
やっとのおもいで辿りついた北の大地ヘビュート地方だ、我々は悪竜と私は、
「ここに根城を探さねばならない、闇を照らすのはわずかなランタンのみだ」
ランタンで灯りを取りながら、周りの道を確実に進むのは難しいが、
北の国の内情が徐々に照らされることによって、この世界自体がここに収束するのだと、物語のひとつも紡いでみたくなってきた。
「悪竜式はともかくとして、やってみるか式を」
大暗黒に包まれた世を統べるものは何者か、地上の全てを吸収して拡大する暗雲は、原初の光りを産み出すごときの勢いで回り続け、速度を上げていく、それを見ていたスウィヌアは一緒にこれとまわり続けて加速し、やがて、世界の基盤となる力を得て、新たに世界を作りだす、また一つ、また一つ世界を作りだして、百とした世界が、拡張していく未来を表わしている。 魔物という魔物が世界の中に取り込まれ、何度となく舞台を変えて踊り続けている時、スウィヌアもまた踊っている。繰り返し、繰り返し、何もかもを取り込んで出来た世界達の間を。
「うるさいな、何をそう忙しく言葉を無理から出してるのさ」
「こいつ人間か? 気のふれた奴だ、わけのわからないことを言って」
「同じようなのが何人かいたっけな、皆閉じこもってでてきやしないが」
「お前は誰だ何者だ?」
「わたしは一等文士だ」
「文士? ほうなるほど、あの文字書きどもの仲間か」
「まさかここに現れるとは、おどろいたよ、てっきりこもりきりかと」
「文字を書くのならもっと違う場所があるとは違うのか?」
「地に文を書く必要が闇の眷属には分からぬか、教えてやろうか?」
「おうおう魔族に教師がいるのかよ、かわった考えの持ち主だな」
「では地に文を書く理由とやら教えてもらおうじゃないか」
まず我々が、地の文とよぶものは、我々を取り囲んでるもろもろの事象の事を指す、
時に明快に時に曖昧に描かれたその文字列は、読者の興味に分かれ、
読まれる場所と読まれない場所が存在し、その狭間で、
つまるつまらないといった話にもなる。
だが物事を進行し出来事を記すのも地の文ならば、
すべての事象を過ぎるままに黙々と描くも当然であり、
今現在、魔族に取り囲まれた我を描けばその通りとなる。
「まあその通りになったわな、それで?おまえがヘンテコな文章を綴る理由は?」
この舞台からより高見に行けるようにと望む故に、
数多くのものの前に立ち、ここに現れたヘビュートの暗雲をより深め、
より大きなものとすることを約束するために、地の文を書くものなり、
「なるほど、お前は魔族の味方ということだな、はははっこれはいいや」
「お前と同じような文士は他にもいくらでもいたが、わざわざ歩いてここまで?」
「そんなもの変わりなやつはお前がはじめてだよ」
集え!集え!文士よ、此処に書き記すべきすべての事象が詰まっている。
魔族たちという魔族が集い、その眷属たちが物事を語らっている現状がある。
ここに、すべての意味がここに集結しつつある。
いまここに魔族たちが偉大なる一歩を歩みはじめた、自らの国を土地を欲する彼らの望みを大地は訊きいれた、ここをおさめるものはその道を譲った。
故に魔族の大地こそが文士にもっとも開かれた土地となることは至極当然である。
闇の中にこそ、文士の本領が存在している。集え集え文士よ!
ここがそなたたちの第二の故郷にして文民の防衛戦である、いかなる同盟も、いかなる連盟、連合であっても叶わぬ強固なる魔族の砦がここにある、何人も侵すことの出来ない、完全の城がここに建つだろう! 魔族の力をとくと描き、魔族に永遠の忠誠を誓うのだ! 集え集え文士たちよ!!
「おー何を始めるかと思えば、仲間を呼び出したぞこいつ」
「まあ勝手にやらせておくか、何を言ったところで全ての現象が暗闇の中さ」
「起こるべきことがなんなのかもわからないままでまあとりあえず出てくりゃいい」
「はっはっは、魔族の方々はそこで見られているがいい今にここが第一の国となる」
「そいつはご苦労なこって、だってさ」
「ハーハハハハッハアハッハハハハハハッハハハハハハハハハハ!!!!」
「ヘヘヘヘヘヒヒヒヒヒヒヒヘヘヘヘハハハハヒヒイイヒヒヒヒ!!!!」
「おかしな野郎だごきげんにいかれてるなら、なんとでもなれだとよ」
「まあ、わるかねえ、そのまま励め」
「はっ魔族の方々はごきげんうるわしゅう」
魔族の何人も一派も端くれも、ただ闇の中で潜むことに長けたものも、すべて救われる、ここより魔族がはじまるのだ!!
「いや、うるさくて、かなわぬ、ゆるさぬ、とりあえずそいつを捕えるのだ」
「文士どもと同じ牢にぶちこんでおきますか?」
「ああ、そのようにしろ、我は何人にも指図はされたくはないのでな」
「では、そのように」
魔族ここにあり、魔族ここにあり!