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グリニッジ標準時5月22日0時
ヤマト艦隊司令の先導のもと、艦隊は宇宙港に到着した。
普段の仕事なら民間の宇宙港に入港するが、今回はギルドの軍事行動の途中であり、軍事物資の補給もあるため再び軍港への入港となった。
入港するとすぐに整備と補給が始まった。港に降りると立ち入りが禁止されている場所以外は自由に出入りしていいということで、クルーにも休むように指示して自分も幹部用に整えられた兵員宿舎で休むことにした。
訓練で何日も休めないことは慣れているとはいえ、初仕事としては予想していたよりもずっと大変な仕事になった。
振り返れば父から仕事を任されて二か月、いろいろなことがあった。
成り行きで海賊と戦い、ルイーサと出会い、緊張の高まったギルドと旧アダルヘイムの戦争に参加し…
本当なら父に正式に仕事を終えた報告をしたい、この二か月は一年くらいに感じられるほど長かった。
明後日にはギルドからの方針が告げられるが、戦況は好転した、ヤマト本国進攻への橋頭保になる予定だったハチカンを押さえたことで派兵に難色を示していたユニオン連邦自治政府も軍を発する可能性が出た、そうすれば戦況はギルドと新アダルヘイムに追い風となるだろう。
公式発表はグリニッジ標準時の翌々日、それまで軍港で羽休めとなった。
休みの1日目は艦内の掃除に充てた。船は整備のために動かせないし、軍港なので最小限の娯楽しかないのでやることがなかったことと、いつも頑張ってくれているナイアガラ号への労いも兼ねた重要な作業だ。特にルナが張り切って指揮を執っていて、ユカはキッチン周りを清掃しながら休憩に来るクルーのためにお茶や焼き菓子を用意していた。いつも思うがユカのキッチンでの器用さはすごい。この前のうっかり白湯ラーメンといい、機転に優れていると思う。セシリアは先に自室になっている艦長室を掃除し終えて、ユカに手伝いを申し出たところ、軍が食事を出してくれるからその手間がない分いつもより楽ができているから他のところの見回りに行ってあげてと言われた。
ルナに状況を聞くと、艦長に雑用をさせるわけにはいかないということで丁寧に断られてしまった。その代わりに機関部が手こずっているようだから発破をかけに行ってほしいと言われた。
機関部は重要な設備が密集しているので手がかかるのは無理からぬことで、行ってみると応急長をはじめとする応急隊が酸素リサイクラーのフィルターを丁寧に手入れしていた。
「いやぁ、ライフラインの整備は器用なやつにやってもらうに限る」
ヤマモト機関長がガハハと笑いながらエンジンの配管を研磨剤を含ませたウェスで磨いている。アウレリオもそれに倣って高いところの設備を磨く。他の機関要員もあちらこちらで作業していて、人手はとりあえず足りているようだ。
そんな束の間の平穏がいつまでも続けばと思うものの、この平和は部屋に戻ってニュースの速報を見た時に終わった。
ヤマト艦隊司令の先導のもと、艦隊は宇宙港に到着した。
普段の仕事なら民間の宇宙港に入港するが、今回はギルドの軍事行動の途中であり、軍事物資の補給もあるため再び軍港への入港となった。
入港するとすぐに整備と補給が始まった。港に降りると立ち入りが禁止されている場所以外は自由に出入りしていいということで、クルーにも休むように指示して自分も幹部用に整えられた兵員宿舎で休むことにした。
訓練で何日も休めないことは慣れているとはいえ、初仕事としては予想していたよりもずっと大変な仕事になった。
振り返れば父から仕事を任されて二か月、いろいろなことがあった。
成り行きで海賊と戦い、ルイーサと出会い、緊張の高まったギルドと旧アダルヘイムの戦争に参加し…
本当なら父に正式に仕事を終えた報告をしたい、この二か月は一年くらいに感じられるほど長かった。
明後日にはギルドからの方針が告げられるが、戦況は好転した、ヤマト本国進攻への橋頭保になる予定だったハチカンを押さえたことで派兵に難色を示していたユニオン連邦自治政府も軍を発する可能性が出た、そうすれば戦況はギルドと新アダルヘイムに追い風となるだろう。
公式発表はグリニッジ標準時の翌々日、それまで軍港で羽休めとなった。
休みの1日目は艦内の掃除に充てた。船は整備のために動かせないし、軍港なので最小限の娯楽しかないのでやることがなかったことと、いつも頑張ってくれているナイアガラ号への労いも兼ねた重要な作業だ。特にルナが張り切って指揮を執っていて、ユカはキッチン周りを清掃しながら休憩に来るクルーのためにお茶や焼き菓子を用意していた。いつも思うがユカのキッチンでの器用さはすごい。この前のうっかり白湯ラーメンといい、機転に優れていると思う。セシリアは先に自室になっている艦長室を掃除し終えて、ユカに手伝いを申し出たところ、軍が食事を出してくれるからその手間がない分いつもより楽ができているから他のところの見回りに行ってあげてと言われた。
ルナに状況を聞くと、艦長に雑用をさせるわけにはいかないということで丁寧に断られてしまった。その代わりに機関部が手こずっているようだから発破をかけに行ってほしいと言われた。
機関部は重要な設備が密集しているので手がかかるのは無理からぬことで、行ってみると応急長をはじめとする応急隊が酸素リサイクラーのフィルターを丁寧に手入れしていた。
「いやぁ、ライフラインの整備は器用なやつにやってもらうに限る」
ヤマモト機関長がガハハと笑いながらエンジンの配管を研磨剤を含ませたウェスで磨いている。アウレリオもそれに倣って高いところの設備を磨く。他の機関要員もあちらこちらで作業していて、人手はとりあえず足りているようだ。
そんな束の間の平穏がいつまでも続けばと思うものの、この平和は部屋に戻ってニュースの速報を見た時に終わった。