残酷な描写あり
第21話 舞台を踏み固めよう
一歩足を出す、確かかどうかを確かめるようにまた一歩、
地面が確かならば歩くことが出来るはずだ、たったそれだけで、
感嘆の声を呼ぶことが出来るのが悪竜である。
身体を揺らしながら確実に悪竜は前に進んでいく、
トンベンマガスガトリクト三世は超大国を前に、その砦を国境を
ゆっくりと侵していく。
ユジリアは徐々に溶けていく、もとは周りの国に敷いた体制であったものが、悪竜を前にして化けの皮が禿げていくのだ。
魔物と呼んで戦っていた小さきものたちの争いは薄れ去っていく、
巨大な塊が人々の作った細工を破壊しつくしていくだけである。
どこにあっても魔のものさえも怖れるスケールがそこに存在している。
「うろたえるな! 魔法で応戦する!
これは魔術戦だ! 魔法を解けば勝ち目がある!」
魔法使いは叫ぶ、悪竜を前にしてそのチカラがまだ通用すると思い込んでいる。
「だめです! あらゆる魔術は吸収され!
魔導兵たちは疲弊するばかりです!」
「ええい! あれは一体なんなのだ!?」
「悪竜トンベンマガスガトリクト」
「なんだと?」
「そのように訊きます、何度倒れても復活し再生する悪竜です」
「文士どのはあれの倒し方を知っているのか!?」
「いいえ、ただいえることは、倒したものはあっても名乗り出るものはいません」
「わけがわからぬ」
「確実に倒す方法が誰にもわからないのです、何百回でも蘇っては」
悪文を貪り、悪竜となり、やがて大地を埋め尽くしている人間の住まいを薙ぎ払う。
そうこうした生活を続けているだけの生き物である。かような生き物に何を求めるだろう?
「魔導砲を用意しろ!距離を取って吹き飛ばしてやる!」
魔法使いたちの魔法を増幅して放出する巨大な焦点具にして、
攻城搭のように稼働するそれを前線に送り出したユジリアの将軍。
「放て!!!!」
確実な魔法の反応が熱となって辺り一帯に広がり、
トンベンマガスガトリクトの尾っぽを焼き尽くして爆ぜた!
「やったか!?」
「いや、外した! 第二波を用意しろ!」
悪竜も痛みを耐えて咆哮し、被りをうって、敵の居場所を見極める。
「放て!!!!」
魔法の反応は焦点化され悪竜の一点を狙って胴の部分を強くえぐり焼き払う!
その炎が幾度、幾度、周りの国を焼き払っていったことか!
「効き目があるぞ!ふははは!
第二陣に配備してある魔導砲も使え!」
「放て!!!!」「放て!!!!」
悪竜の全身は炎で包まれて爆発を繰り返す、もはやわずかな力さえのこらぬか、
残念である。
「文士どのはみたか! あの竜くたばりおったわ! はははははは!」
「ええ、左様で、ではあの竜の検分を私めが」
何度繰り返しても悪竜は完全とはならない、
人類が諦めぬ限りには勝ち目は人類にある。
ただ、それを自らに向って使い続ける運命もまた持つのだが、
それを知らぬと悪を前に軍備をより強くしていくわけである。
「魔導砲を増産が議会で決定されました」
誰もが力でねじ伏せる、よわいものの支えを叩き潰す。
地面が確かならば歩くことが出来るはずだ、たったそれだけで、
感嘆の声を呼ぶことが出来るのが悪竜である。
身体を揺らしながら確実に悪竜は前に進んでいく、
トンベンマガスガトリクト三世は超大国を前に、その砦を国境を
ゆっくりと侵していく。
ユジリアは徐々に溶けていく、もとは周りの国に敷いた体制であったものが、悪竜を前にして化けの皮が禿げていくのだ。
魔物と呼んで戦っていた小さきものたちの争いは薄れ去っていく、
巨大な塊が人々の作った細工を破壊しつくしていくだけである。
どこにあっても魔のものさえも怖れるスケールがそこに存在している。
「うろたえるな! 魔法で応戦する!
これは魔術戦だ! 魔法を解けば勝ち目がある!」
魔法使いは叫ぶ、悪竜を前にしてそのチカラがまだ通用すると思い込んでいる。
「だめです! あらゆる魔術は吸収され!
魔導兵たちは疲弊するばかりです!」
「ええい! あれは一体なんなのだ!?」
「悪竜トンベンマガスガトリクト」
「なんだと?」
「そのように訊きます、何度倒れても復活し再生する悪竜です」
「文士どのはあれの倒し方を知っているのか!?」
「いいえ、ただいえることは、倒したものはあっても名乗り出るものはいません」
「わけがわからぬ」
「確実に倒す方法が誰にもわからないのです、何百回でも蘇っては」
悪文を貪り、悪竜となり、やがて大地を埋め尽くしている人間の住まいを薙ぎ払う。
そうこうした生活を続けているだけの生き物である。かような生き物に何を求めるだろう?
「魔導砲を用意しろ!距離を取って吹き飛ばしてやる!」
魔法使いたちの魔法を増幅して放出する巨大な焦点具にして、
攻城搭のように稼働するそれを前線に送り出したユジリアの将軍。
「放て!!!!」
確実な魔法の反応が熱となって辺り一帯に広がり、
トンベンマガスガトリクトの尾っぽを焼き尽くして爆ぜた!
「やったか!?」
「いや、外した! 第二波を用意しろ!」
悪竜も痛みを耐えて咆哮し、被りをうって、敵の居場所を見極める。
「放て!!!!」
魔法の反応は焦点化され悪竜の一点を狙って胴の部分を強くえぐり焼き払う!
その炎が幾度、幾度、周りの国を焼き払っていったことか!
「効き目があるぞ!ふははは!
第二陣に配備してある魔導砲も使え!」
「放て!!!!」「放て!!!!」
悪竜の全身は炎で包まれて爆発を繰り返す、もはやわずかな力さえのこらぬか、
残念である。
「文士どのはみたか! あの竜くたばりおったわ! はははははは!」
「ええ、左様で、ではあの竜の検分を私めが」
何度繰り返しても悪竜は完全とはならない、
人類が諦めぬ限りには勝ち目は人類にある。
ただ、それを自らに向って使い続ける運命もまた持つのだが、
それを知らぬと悪を前に軍備をより強くしていくわけである。
「魔導砲を増産が議会で決定されました」
誰もが力でねじ伏せる、よわいものの支えを叩き潰す。