残酷な描写あり
R-15
少女の眠る揺り籠
夢を見た。
そこは、赤い夕陽に照らされた白銀の森だった。地面には雪が降り積もり、木々の枝には氷柱つららが垂れ下がっている。
見るからに寒そうな景色だったが、不思議と冷気は感じない。足元の雪に触れてみても、冷たさを感じることはできなかった。
ふと顔を上げると、遥か彼方に二つの影を見つけた。
小さな男の子と、もっと小さな女の子が森の中を進んでいた。
男の子は、手袋を嵌めた手で女の子の小さな手を握りしめ、ずんずんと歩いていた。男の子は女の子よりも身体がずっと大きかったので、女の子は半ば引きずられるようにして歩いていた。
男の子は女の子の方を見ることもなく、ただ真っ直ぐに森の中を早足で歩いていたが、女の子は後ろが気になるのか時々立ち止まって振り返ろうとしていた。
けれども、男の子は決して足を止めることも手を離すこともしなかったので、女の子はいつまでも後ろを確かめることができなかった。
女の子はひたすら先を急ぐ男の子に少しむっとしていたが、抗議することもなく黙って歩き続けていた。
二人は休まず歩き続け、とうとう森の終わりが見えてきた。
男の子は森が途切れているのを見て、女の子に何か話しかけた。
それを聞いた女の子はぱっと顔を明るくさせて、疲れ果てていたにも関わらず男の子を引っ張って走りだした。
森の出口に立ってその様子を見ていたので、女の子の嬉しそうな顔と男の子の少し困ったような顔がよく見えた。
そして、側を駆け抜けて森から出た二人は――
そこは、赤い夕陽に照らされた白銀の森だった。地面には雪が降り積もり、木々の枝には氷柱つららが垂れ下がっている。
見るからに寒そうな景色だったが、不思議と冷気は感じない。足元の雪に触れてみても、冷たさを感じることはできなかった。
ふと顔を上げると、遥か彼方に二つの影を見つけた。
小さな男の子と、もっと小さな女の子が森の中を進んでいた。
男の子は、手袋を嵌めた手で女の子の小さな手を握りしめ、ずんずんと歩いていた。男の子は女の子よりも身体がずっと大きかったので、女の子は半ば引きずられるようにして歩いていた。
男の子は女の子の方を見ることもなく、ただ真っ直ぐに森の中を早足で歩いていたが、女の子は後ろが気になるのか時々立ち止まって振り返ろうとしていた。
けれども、男の子は決して足を止めることも手を離すこともしなかったので、女の子はいつまでも後ろを確かめることができなかった。
女の子はひたすら先を急ぐ男の子に少しむっとしていたが、抗議することもなく黙って歩き続けていた。
二人は休まず歩き続け、とうとう森の終わりが見えてきた。
男の子は森が途切れているのを見て、女の子に何か話しかけた。
それを聞いた女の子はぱっと顔を明るくさせて、疲れ果てていたにも関わらず男の子を引っ張って走りだした。
森の出口に立ってその様子を見ていたので、女の子の嬉しそうな顔と男の子の少し困ったような顔がよく見えた。
そして、側を駆け抜けて森から出た二人は――