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レビュー一覧

やり直しなのにやり直しできずにいる少女……
レビュアー:愉悦部出身
作品タイトル:偽物聖女の時戻り 著者: 京泉
 聖女入れ替わりものです。  入れ替わった後、不憫さから神様が3年前に飛ばしてくれやり直すチャンスができるんですが、主人公は行動を全く改めずに結局流されていきます。ある意味珍しかったです。  ただ裏切られた不信感は抱いており、婚約者のことは信用しておりません。婚約者に優しくされると震えてしまうほど恐れているのにです。ひどいことをされたとしても、愛していたことが伺えます。  陥れられた聖女は幸せになれるのかどうか、ぜひお読みください。
虐待された少女の行きつく先は……
レビュアー:愉悦部出身
 幼少のころ兄に虐待された妹の話です。陰鬱な展開が多くとても面白かったです。  幼い少年少女に求めるのは酷だとは分かっていますが、とんでもなくすれ違い続けます。一つでも妥協点を見いだせれば、もう少し良くなったのですが……人生とはままなりません。  妹目線で許せないのはよく分かる一方、もう少し兄を労わってやれれば……と思いますし、兄は兄で、もう少しだけ優しくできれば……と思ってしまいます。苦しい気持ちが良く伝わってきました。  最後は意外な流れで終わりました。案外とこういう終わり方は少ないかもしれません。クライマックスがあったからこそ、この話は良作になっているのだと思います。  地獄を突き進む兄妹が見たい方にはオススメです。
抱えた痛みに正当な答えはあるのか?
レビュアー:タアアタ
少女が抱えた痛みに応えてくれるもの、その答え合わせを何度試行を重ねたにし、今が居る場所がそこに在ることが、替えがたい痛みの記憶と結び付けられる。 常にそれは比較される、だがこの痛みに終止符を打てるだけの手立てを人は与えられてはいない、繰り返し反芻されるうち研ぎ澄まされた感性は幾たび痛みに解を与えようとしたか計り知れないが、それに応えてくれるものは背景や情勢になく、見知った関係性の中に込められた想いはすれ違う、不器用なものの業、これを何度となく継いでいった先にあるものとは?