学校の成績は悪くない。運動も好きだし自信あるよ。親友と呼べる友達もいるし、憧れている男子もいる。▼▼▼そして大好きな家族。特に弟の岳人は可愛すぎるし、優しいしめちゃくちゃ愛している。▼▼とても恵まれたあたしだけど、ある晩に悪夢を見てしまった。▼▼夢のに中に白い数字が現れて、一秒毎に数字が減っていく。▼▼▼意味分かんないけど、気味が悪いでしょう⁉️▼▼なにかをカウントダウンしていることはすぐに飲み込めたし、実はすぐになにを数えているのか察知したの。▼▼▼あたしの寿命を指折り数えているんだ……▼▼▼その日から常に死ぬことを意識して過ごしている。▼▼不思議なもんで、天寿の終幕が明らかになってしまうと、その日にたどり着くまでのあたしの時間が無駄なものだと感じられる。▼▼▼だから、将来の夢を持って努力をするなんてくだらない。▼▼▼そういう前向きなひとが嫌いだ。▼▼それを強要する男の大人はもっと怨めしい。▼▼▼ほんの僅かな値打ちは、友達や想いびとや岳人の温かさが、より一層身に染みるようになった。一緒にいることがますます感動的になった。▼▼その分死ぬことが怖くなり、余計にうんざりするんだけどね。▼▼▼それから皮肉な生活が続いた。大切なものを失くしてたくさん泣いた。▼▼別のかけがえのないものを得た。▼▼大好きだとおもえるものを得た。▼▼▼もっと長く生きたいと欲しがるようになった。▼▼それでも、カウントダウンは休まない。▼▼▼本当にあたしは死ぬの⁉️▼▼思い過ごしじゃないの⁉️▼▼数字がゼロになっても、まだ生き続けるんじゃないの⁉️▼▼▼ああ、あたまがおかしくなる……▼▼
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